2・16「米国株は大幅下落するに反論しよう!ショートorロング?」
2・16記述
「米国株は35%下落する」という動画があるよ、とコメントで教えてもらったのですが見てみると「かける72の法則が」とかで理解できませんでした。
しかしそのような意見にも反論する力は必要と思い記事にしました
ショートの立場でも考えて見る練習もしてみましょう。
さらにショートの方法も手段としては存在します。
普通ロングばかりをしているので気づきませんが「ショートの立場」で考えていくことも時には有用でしょう。
なのでここでは4つの代表的な「米国株下がる」理由に反論したいです。
理由1 チャートからみて高い
下はリーマン前からのS&Pの月足です。
コロナ以降の傾きが急になっています。だから「不自然」という理由です。
ころな以前の傾きで見るとS&Pは4000ほどに見えます、だからこの意見では10%のほどの下げが必要です。
<反論しましょう>
コロナでFRBは5兆ドルを供給しました。金利もゼロにしてさらに政府も失業手当などいっぱい援助しました。総額8兆ドルの大盤振る舞いでした。
それらは苦しむ人々を救済するとともに資産の価値を高めました。
その中に株式も入っているというわけです。
1 出された資金は全部回収されるわけではなくてリーマン後はほんの1部だけが回収された。今回も多くて10%ほどの回収に終わるでしょう。インフレ率次第ですが。
2 コロナによりバイオテクノロジーやハイテクが大幅に進歩して次のフェーズに入りました。成長の余地が広がっているので株式も上昇の余地が多いです。
理由2 バリエーションが高すぎだろう
<反論>
現在のS&P500の予想PERは20.0で利回りは5%です。
長期金利を引いたスプレッドは3.1%になり過去10年の平均の2.8%よりも小さくやや割安と言えます。
とはいえ将来長期金利が上昇すれば割高になる可能性はあります。
だから将来長期金利が3%4%5%とどんどん上昇すると確信するなら「ショート作戦」は有効です。
いかがでしょうか?
ショートをする確信がもてますでしょうか?
長期金利の行方は誰にも見当がつきません。インフレ率次第だからです。
ですから「上がらない」と決めつけることもできませんが「上がる」と決めつけることも同様にできません。
したがって現在、将来の株価が割高とは言い切れません。
1%の金利は株価に変換すると15%ほどの下落に相当します。
よほどのことがない限り株価下落も20%以内に収まるでしょう。
理由3 インフレがどんどん進むぞ
それに合わせて金利もどんどん上がり株価が大幅下落するシナリオです。
広瀬さんは1970年代を引き合いにしてインフレは長引くとおっしゃっていますね。
確かにこの問題はやっかいです。
<反論は>
当時よりもグローバル化が進み、産業構造も変化している。
当時は例えば自動車会社は人件費や材料費が上がれば価格に転嫁したので物価が止まりませんでした。
しかし現在の米国ではハイテクが主力であり例えばアップルは自社で工場を持っているわけではありません。ですから米国内の人件費には左右されにくい構造になっています。
材料も同様で世界に部品供給先があるので米国の物価に左右されにくいです。
サプライチェーンや半導体不足は問題ですがインフレは当時より起きにくい構造です。
ですからやがて沈静化する可能性は高いです。
その証拠としては10年先のインフレ率を測る物価連動債TIPSの金利からはインフレ率は2.5%となっています。
それでもインフレが高くなると予想すれば「ショートをどうぞ」です。
理由4 不景気が来るぞ!
<反論>
これはそのとおりかもしれません。インフレ対策でどんどん金利を上げるとやがて産業界は耐えられなくなり不景気になります。
通常なら「緩和」で乗り切りますが、その緩和の札はインフレ率の制約がありできません。したがって不景気入りは考えられます。
その場合はepsの伸びが鈍るので相対的に株価は割高になり売られて安くなります。
どの程度安くなるかはどの程度の不景気なのかによって決まります。
不景気が来るのが確実だと思えばショート作戦は有効です。
いかがだったでしょうか?
今は上がるとも言えない代わりに「ショート」するほど「下がる」とも言えない状況と思います。
つまり「悲観的になる必要はない」ということです。
いかがでしょうか?たまには反対の立場に立って考えてみましょう。
そうしたら「下がる」という意見も確証に乏しい観測に過ぎないことがわかります。
今回の動画はこちら 「米国株下落おじさんになりました」笑い
追伸 私はレバものもショートにも反対はしていません。しかしリスクの感じた方はその人次第なのでオススメもしません。そんな感じです。
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