【保存版】50歳からの資産運用ポイント5選
2022年1月26日記述
はじめに あの人気の米国株花子さんからご紹介いただきました。感謝、感激です。その動画がこちら、テンポがよくて歯切れがよくてもちろん内容も濃くて素敵です。見習います。
さて私は現在69歳で今年には70歳になります。
振り返って50歳から経験がなく資産運用を始めるとすると何が大切かをまとめました。
これを見ている方々は経験豊富な方ばかりでしょうから「釈迦に念仏」でしょうがどうぞいろんなコメントもください。
前提条件
資産運用の経験、知識がない方
40歳代でも50歳代でもあるいは60歳代でも同じです。
ポイント1 適正なリスクを取ろう
♣リスクは投資用語で変動の大きさのこと。
投資、資産運用の経験や知識がないとリスクという言葉を誤解します。
リスクは資産運用の世界では「危ない」という意味ではなくて「変動がある」という意味です。そしてリスクの大きさは曖昧な表現ではなくて標準偏差シグマ文字ではσというギリシャ文字の小文字で表されます。
◇基準を知っておこう
例えば全世界株式の標準偏差は期間10年で13.3です。そして10年でのリターンは年10.8%です。(2022年1月25日現在)リターンは過去10年は良すぎますので長期では5%~7%くらいと見ておきましょう。
1 リターンはリスクが大きいほど大きい
例外はありますが一般的には比例します。したがってリスクそのものを取らない姿勢だとリターンもついてきません。リスク無しにリターンが大きいのは投資詐欺ですから気をつけましょう。
2 初めて投資をする場合はリスクを過度に怖がる傾向があります。しかしリスクはリターンを得るためには必要なものですから受け入れられるリスクは受け入れてその分リターンを追求していきましょう。
3 リスクゼロの商品は現預金
日本円で考える場合にはリスクがゼロの商品は日本円現金あるいは預貯金になります。したがってリスクを取りたくない場合は現金を持てば解決します。リスクの低い商品を探しても知らない分野では失敗する確率も高まります。ですから、シンプルに現預金を選択すればいいです。その代わり現預金はインフレ率だけ減っていきます。その割合は日本では過去10年の平均は年0.5%ほど、米国では2%ほどです。
ポイント リスク管理は現預金と投資の割合で調節できる
リスクの低い商品を探すよりも現預金と投資の割合を調節するほうがシンプルでミスが少ないです。
リスクが低い商品を選ぶと商品構成が複雑になってしまいます。シンプルなことは素人が投資でミスしないポイントです。例えば債券はリスクが小さいですがプロがメインの難しい投資で初心者あるいは素人には向きません。
ポイント2 長期投資をしよう
1 長期で変動を均してくれる
例えば株式投資では短期ではかなりの変動があります。ですから短期で運用すると相当なストレスがありまた素人では成功確率も低いです。しかし長期に運用すれば上下も均されてなだらかな右肩上がりの線になります。
リーマンショックなどの低迷期があっても10年もあれば大丈夫ではありますが20年以上の期間が理想です。
♣世界の株式は右肩上がりなの?
資本主義では経済や通貨は拡大していきますからその代表である株式は拡大していきます。日本は長く株式が低迷しているのでなかなかピンと来ない方も多いかも知れません。
このことはフランスの学者のトマ・ピケティ博士が膨大なデータからの研究により「新資本論」で証明しました。
ピケティ博士は株式推しの方ではなくてむしろ資本主義で資本家=株式が有利すぎるので政治の力で均等にしていかなければいけないという主張をされています。
2 長期投資は有利になる
例えば米国債の金利は長期の方が良くなっています。これは長期で保有してくれる人へのご褒美なのです。株式の場合も複利効果で長期で保有するほど有利になります。
3 長期で保有できる対象を選ぼう
例え優良企業であっても時代の変化で衰退したり最悪倒産することもあります。倒産すれば株式はゼロ円の紙切れになりますから長期保有ではいくら優良でも特定の会社にだけ投資するのは問題です。
長期に保有が可能かどうかも対象選びの大きなポイントです。途中で途切れてしまうとせっかくの複利効果が途切れてしまうからです。
◇株式インデックスへの投資なら安全
例えば米国のS&P500インデックスは米国の上位500社の株式指数です。ですから特定の会社の盛衰には影響されません。またサッカーのリーグのように入れ替えもありますので勢いのいい会社が新たに入ってきて、成長が鈍った会社は退場します。
4 長期投資ではリスクが大きい対象ほど有利になる
リスクとリターンはほぼ比例する関係にあります。ですから長期保有では変動のリスクは減らせるのでリスクが高い対象に投資するのが長期投資家には有利になります。
大まかにリスクとリターンがともに大きいのは株式です。ですから長期投資では「世界株式インデックス」を第一に検討しましょう。
♣株式は時々暴落するのでリターンが高くなっている
株式のデメリットは時々大きな下落、暴落を起こすことです。リーマンショックでは実に半値以下になりました。このことが人々が「株式投資をしない大きな理由」になっています。
しかし見方を逆にするとそのようなマイナス面があるので株式のリターンは異常に高くなっています。つまり変動を受け入れられるなら株式投資は誰でもが可能な一番有利な投資対象です。長期投資と世界インデックス投資で変動リスクは解決することができます。
ポイント3 自分ができないことには手を出さない、ギャンブルでは増えない
1 わからないもの、複雑なものには手を出さない
ミスを減らすには「わからないもの」「不得意なもの」には手を出さないことです。
自分のできる範囲で資産運用をしていればミスはありません。
2 個別株や売買する方法が効率がいいわけではない
これを理解、体感するのは実際の経験がないと難しいかも知れません。
実際に投資経験の長い方や熟達者の方が「手堅いインデックス投資」を選択して初心者は個別株を好む傾向があります。不思議ですね。
こればかりは経験しないと変わらない部分なのでしょう。どうしても個別株や株の売買をされたい方は別の証券会社に口座を作ってされるといいですよ。そしてメイン口座のインデックスと成績などを比較してみてください。
3 プロがうまく行っているわけではない
米国の調査ではプロが選んだ銘柄の成績は5年間で70%がS&P500インデックスに負けています。
プロなら簡単に勝てるならみんな大金持ちになっていますね。しかし実際にはインデックスに勝てずに汲々としているのです。とはいえS&Pインデックスと同じ構成にするわけにいきませんから似たような構成にするファンドマネージャーも多いです。大負けを防いでいるのです。
ポイント 売買する方法は除外しよう
ポイント4 余計な要素は入れない、配当は欲しがらない
1 シンプルなほどミスがなくなる
いろんなことを考えているとミスが起きますね。スポーツでも複雑な作戦はミスが出やすいです。また例えばサッカーでも「かっこいいシュート」をと思うのと「入れば何でもいい」というのでは成功率が違います。ですから余計な要素は排除しましょう。排除したい一番手は配当です。
2 配当は投資を難しくする
株式投資からのリターンはいくつかあってその一つが現金配当です。現金でもらえるので嬉しいですが実は有利ではありません。税制的にはむしろ不利です。
そんなことは株式の勉強をすればわかるのですが初心者の時はこの配当に異常に魅力を感じる傾向があります。
そして結果としては多くの方が「回り道をした」「うまく行かなかった」などのコメントがあります。余計な要素は排除して資産を増やすことに専念しましょう。
◇リタイア後の収入確保で配当を当てにすることの是非
私はリタイアの前年にリタイア後の収入確保の手段として高配当投資をした経験があります。結果は難しくて私には無理でした。
今でも多くの方が「収入確保の目的」で高配当投資を志向されています。
うまく行かなかった経験者として「考え直してください」と言いたいです。
理由1 株式を取り崩す方法は他が有利だから
配当は強制的に支払われて強制的に20%の税金が課されます。米国株の場合は米国の税金の10%が加わります。合計で28%が税金です。
ところが株式や投信を売って現金化した場合は「利益に対して20%」で済みます。また現金化する時期や量も選べます。最近では自動的に現金化するサービスも始まっています。
比べると配当で受け取ることが不利なのは簡単にわかりますね。
理由2 高配当な会社はクセが強い
成長が止まった会社では配当が高いです。新規の投資が不必要だからです。例えばタバコ会社などです。石油会社も配当は高いですね。しかしこれらの会社群の将来性は不明です。ですからこのような会社に投資するのは上級者限定と言えます。
高配当な会社を集めたETFで投資するとこのような問題は多くが解決できます。例えば米国の【VYM】などは優秀なETFです。リターンもS&P500に比べてほぼ変わりません。
しかしS&P500インデックスより優れているとまでは言えません。それは投資対象が限られているので分散効果に劣るからです。
♣下落局面では高配当は下げが小さい
メリットがあり利用も可能ですが上級者向けと思います。
ポイント5 人に頼るな
資産運用は面倒なので詳しい人に助言をもらったり代行してもらいたい気持ちになります。しかし資産運用は目的により立場により星の数ほど方法があります。
例えば専門職とされるファイナンシャルプランナーに相談してプランを作ってもらえば、10人に依頼すれば10通りのプランが出てくるでしょう。
しかもその内容はかなりの違いがあるでしょう。
これは例えば100坪の土地があるから建築士さんに5千万円の予算で家を建ててもらおうというのと似ています。依頼する設計士さんによって様々な外見と間取りができます。
好みや用途を細かく伝えて置かないとあとで後悔します。とても「お任せ」で依頼するようなものではありません。
家と違って資産運用は後で変更できますがそれでもロスが出たりします。さらに特別な資格や能力は要りません。ですからまずは自分で勉強して取り組みましょう。
気をつけたいのが
(1)利害がある相手には絶対に相談しない、銀行、証券会社など
証券会社、銀行などです。彼らにとっては手数料が高い商品をすすめる方がメリットがありますが消費者にとってはそういうのは関係なくて単に自分に有利な情報が欲しいだけです。
手数料が少し高くてもいい商品はありますが、手数料が高い商品群から選ぶ必要はありません。
(2)特定の発信者に惚れないこと
資産運用に魔法の方法や掘り出し物は存在しません。適正なリスクに対してどれだけのリターンがあるかそれだけです。
しかし永久機関のように魅力的に見える方法も存在します。それらは実際には有利ではなくてむしろ不利なのですがマジックや手品のように見破るのに高い能力を要求するのでころっ騙されてしまうのです。
もし有利な方法を有料で売っていたとしたらそれは「情報商材」かも知れません。本当に有利な方法なら情報を売らずに自分で実践すればいいだけです。わざわざ人に教える意味はありません。
それらの不備を見破ろうとするよりはまずはそういうものに近づかないのが近道です。
資産運用は特別な方法やいかがわしい方法を使う必要はないし、むしろシンプルな方がうまくいきます。複雑な方法にはどこかに仕掛けがあるかも知れません。
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