総集編11回「期待値ゼロからの失敗しない投資」現預金、金、債券はどうか?
こんにちは 2020年10月30日記述
「個別株は失敗しやすい、インデックスなら失敗が少ない」というテーマで書いていたのですが、視聴者の方から
「○○はダメというアプローチではなく基本から書いたほうがわかりやすい」というアドバイスをいただきました。
なので最初からつまり「期待値ゼロ」からの投資でまとめてみたいと思います。
不思議とこういうテーマは経験者の方に受けがよく初心者に受けが悪いのが特徴ですね(笑い)
1 期待値ゼロの世界 日本円預貯金
これは全額日本円現金で預貯金での保有になります。
銀行がつぶれるくらいしかリスクは思い当たりません。
心配なら1千万以下にして複数の銀行に預金するとかですね。
ゆうちょ銀行なら安心度は増します。
とはいえ、先日の「ドコモ口座」のように勝手に口座を作られて引き落としされるケースもあります。
ちょくちょく通帳はチェックした方がよさそうです。
複数の口座を作るか、一つ、2つにしてこまめにチェックするのがいいかは分かれますね。
銀行がつぶれるリスクより勝手に引き出されるリスクの方が高そうに思います。
デメリットはインフレによる減価
日本はインフレいつが低い国として知られています。
下は日米の1980年からのインフレ率の表です。(世界経済のネタ帳より)
米国では2%くらい、日本では0.5%くらいと見ておけばいいのでしょうか。
マイナスの年もありますね。
米国の方が防衛意識が強いのもうなづけます。現金で持ちたくないですね。
経済の目標的には2%が理想とされていますから米国の方が理想には近いです。
なぜ2%か?なのですが、この基準が一番居心地がいいそうです。
米国は住宅も基本的には上昇するし、株も上昇するので現金で持つメリットはないですね。
対して日本では住宅は東京を除けば基本的に下落します。
中古住宅より新築を好む日本人の国民性もあり中古住宅の値下がりは大きいです。
なので日本では投資用不動産を除けば住宅で資産を保全するのは難しいです。
だから現金で資産を保全するのは賢いやり方と言えます。
投信の勧誘員がよく「預貯金では増えませんよ」といって勧誘します。
しかし日本では目減りは少ないので「増やすこと」より「減らないこと」の国としてのメリットに目を向ければ何でもかんでも「投信」が有利とは言えません。
現にブラジルレアルとか南アランドとかトルコリラなどの高金利通貨での運用では高金利には20%税金をかけられ元本は大幅に目減りと大きなマイナスになっています。
「高金利」というアメには毒が含まれていることがほとんどです。
気をつけましょう。
現預金でも大丈夫な人たち
シニアで年金で暮らせるなら資産は現預金でも問題ありません。
とはいえ「人生100年時代」なので60歳くらいから逃げ切りを図るのは予定が狂う恐れもあります。
日本のインフレ率が上昇するかも知れません。
それをリスク、不安材料と感じるなら「現預金」で保有することもまた不安材料になります。
また、年金で大丈夫なら資産の一部でもっとインフレ対抗の資産にしておいた方がいいとも言えます。
多少の値下がりでも生活には響かないからです。
以上はシニアの場合です。
若い方の場合は長い時間が味方するので「投資一択」に思えますが
仕事が忙しくて「自分にとっての適切な投資を考える余裕がない」場合には「現預金」も選択肢の一つになります。
投資をする利益より「実業での不利益」が勝るからです。
2 インフレに対抗する資産、金と債券
(1)金は実物資産で価値が減りにくいです。
ただし金に対する評価は時代により変化します。
工業原料と見られたり、宝飾品の材料と見られたり、お金の代替と見られたりです。
インフレが激しい国では金は有効です。トルコとか南アとか。
日本はインフレが低いので現時点ではそうでもないです。
一般には資産の5%~10%を金で持つのが有効とされています。
今は歴史的にも高い時期です。
(2)債券インデックス投信
A 国内型 SMT三井住友トラスト国内債券インデックスファンドを例にとると
日本国債10年もの(長期金利)が-0.1%ほどなので原理的には保有してもリターンはないことになります。あとは需給や金利動向での相場の値動きになります。
○長期的には過去12年で20%ほどの上昇です。
今後の金利が上昇すると下落もありえます。
♣債券は金利と逆の動きをする。
昨年の夏の高値で買った人は3%ほどのマイナスになっています。
結論
現時点では国内債券インデックス(公社債型)と現預金との有利不利は判定できない。
→有利とは言い切れない。
B 海外型 SMT外国債券インデックスファンド
設定来の期間が長いのでモデルとして出します。
○為替の影響を受ける
○金利の影響を受ける
○現在は各国とも金利は最低水準→債券は最高値付近にある
→今後金利が上昇すれば債券は下落する、その可能性は不明
20年で2倍になっています。
均せば上昇ですが途中に上下があり高く買えばその後マイナスになる可能性はあります。
そしてどこが高値かはわかりません。現時点は高い部類です。
結論
投信の窓口で言われる「債券は株よりリスクが少ない」「株と逆の動きをする」
というのはかなり割り引いて判断する必要があります。
債券投資も株と同様にとらえるべきです。簡単ではありません。
♣「リスクが少ない」とは便利な言葉です。
素人的には「安全」「上下動が少ない」と受け取ります。
確かに株式より上下動は少ないですが「下げない」わけではないです。
上下動を数値的に見るのにσシグマというのを使います。
これは統計用語です。
これを見ると確かに債券のシグマは株式より小さいです。
だからかれらの発言は「ウソではないです」
「安全だ」と受け取る買い手側の問題なのです。
都合のいい言葉なのです。
今回の結論
1 現預金はインフレでの目減りがある
日本で0.5%、米国で2%ほどの下落は織り込んでおく必要がある。
♣よく米国では投資が盛ん
という記事があるがインフレ率の差も大きい。
米国で現預金で持つのは目減りが大きいので少なくとも「短期、中期債券」で持つほうが「対インフレ」対策にはなる。BNDとかAGGとか。
あと住宅も「経年劣化をはねのけて中古住宅の値上がり」が基本です。
だから現金で持つ余裕がないのもあります。
2 シニアでは投資しない選択もある
目減りを受け入れられるのなら変動のない現預金での保有もある。
3 金現物投資
5~10%くらいでの保有が安全。現預金よりインフレ耐性がある。
田中貴金属での積立てなどがオススメ。現物を手元に持つのは盗難リスクあり。
4 債券投資
国内はメリット小、下落もあり
海外は値動きあり、為替、金利で動く
株式より安全との意識は持たないほうがいい
今回は以上です。
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