リタイア後の失敗しない投資(1)現役の人は準備してくださいね。
2020年11月5日記述
「失敗しないリタイア生活」の中心であるお金の管理の中で「使い方」と並んで難しい「投資」についてやります。
「ストレスからの開放」が楽しいリタイア生活のカギ
私はリタイア生活を始めてまだ4年めです。
その中で感じたことは「楽しく過ごすのにはストレスは大敵だ」という事実です。
ストレスにはいろんな種類があります。
人間関係、健康問題、そしてお金です。
その中で減らせるストレスは減らしておきたいですね。
今回は投資です。
本編で「投資の失敗の原因は期待値が高すぎること」と書きました。
そしてこれはリタイア者にも当てはまります。
というか、一番当てはまるでしょう。
期待値を低く持つことはストレスからの自由に直結します。
リタイア世代と現役世代の違い お金編
1 労働収入がない。その代わり年金収入がある。
通常は年金は現役時の収入よりも大きく下がります。しかし手取りで比べると税金や公的保険の天引きなどがなくなるのでその差は小さくなります。(介護保険は引かれる)
2 支出は大幅に減る
現役時は「お金を稼ぐための支出」が多いです。
リタイア後はその部分がなくなるので支出は最小で済みます。
この部分の理解の違いが人により、年代により大きく異ると以前に書きましたね。
これは私の友人で同い年の現役でも言えます。
かれはリタイアしたら今の稼ぎほどの年金はないので「とてもリタイアできない」と言います。
今自営で年1千万近い所得があるそうですから、それだけを年金で得るのは永遠に不可能に思います。
「最低50万はないと暮らせない」と言ってます。
奥さんと2人暮らしで、しかも地方で持ち家もあるので過大と思いますが、とにかく人それぞれということです。
通常は家賃を除いて一人10万円で本人の小遣い込です。
+アルファの余裕分があれば十分と感じます。
つまり2人では20万+アルファです。
3 将来の計算が立てやすい
現役世代がリタイアする頃の世界を想像するのは難しいです。
だからお金は「あればあるほどいい」と考えます。
しかし、リタイアした者は世の中の変化は現役者よりも小さいです。
特にお金については計算が立てやすいです。
♣数年後には「日本は破綻する」との意見はずっとあります。
しかしこれは経済を知らない「情弱」向けに不安を煽る記事です。
実際には日本の財政破綻よりも東海地震の可能性の方がずっと高いです。
だから財政破綻に備えるよりも自然災害に備えるほうが現実的です。
もちろん余裕があれば金や債券などで準備しておくのはいいことです。
4 投資ではリタイア者は保全を目指す
現役世代では将来が先なので「最大化」を目指すことは意義があります。
だから経営能力を不問とするなら株式100%はオススメです。
しかしリタイア者がフル投資する意味はありません。
リタイアしてから最大に増やそうとすること自体が失敗を生みやすいからです。
リタイア者、シニアは変動に予想以上に弱い
これは個人差が大きいですがそう感じます。
だから論理的、計算どおりには行きません。
自分にとってストレスを感じないレベルがどのくらいなのかを正確に把握する必要があります。
これはやってみるしかないです。
あるいはこの現象は投資が一般的でなかった私達の世代の特徴かも知れません。
皆様方は投資のレベルが上っているので、そしてこれからさらに上がるでしょうから、耐性レベルは私たちとは比べ物にならないほど向上しているでしょう。
しかしどのくらい向上するかは現時点ではわからないし、個人差は測れないので、現時点を例に考えるしかないです。
理論的にピンチに強い資産が持ちやすいとは限らない
言わせる人に言わせると「現金が一番危なくて、不動産、金、株式、債券」が変動に強いといいます。
そしてそれは理論的には事実です。
だからそれらを保有している期間が長くてリタイアを迎えたとすればそれらは立派な資産です。
しかし例えば金は大きな価格変動をしてきた歴史があります。
もし現金を基準に考えるならば「変動が大きい資産」に入ります。
過去何年、何十年もの持ち続けてきた実績があればこれからも持ち続けられるでしょう。
だから「ダン高橋」さんの提唱されるように金などを長期資産の20~40%積み立てて持ち続けることは大きな意味があります。
これからの何十年の期間の変動をくぐり抜けることになるからです。
下はダンさんが薦めるポートフォリオ
個人的には株式がもっと多くてもいいと思いますがね。
さらに不動産は日本ではハードルが高いです。経営能力がいりますね。
リタイア時の投資はそのまま続けてOK
それまでの実績がありますから保有できます。
保有資産の額につい注目しがちですがこのような「投資実績」も大きな価値を持ちますね
退職時には退職金など現金が多く入りますが、投資実績があれば処理するのは「新たに入ってきた現金」だけになり失敗のリスクが低減します。
反対に現金が主体の場合は細心の注意が必要です。
雑誌などに書いてある割合を鵜呑みにして投資すると「過大投資」で失敗しやすいです。
リタイアしてからの投資の失敗は労働収入が見込めないので「大きなストレス」に直結します。
こんなことを書くとそれは「投資リテラシーが低い」特殊な例だと思われがちです。
それ以前に十分な実績を上げてきた方を除けば「用心すぎる」くらいでちょうどいい、と思います。
十分な実績を上げてきた人は投資の入門書なんか読まないでしょうから関係ないですね
他の人が書いた本や記事を読んで参考にしている時点で「危うさいっぱい」です。
リタイア時スタートの投資の基準
リタイア時に自分の成功パターンが確立していない場合の基準を考えたいと思います。
多くの人には反発されることでしょう。
それ以前にこんな記事は読まないでしょうね(笑い)
きっと「配当収入でリッチな老後」とか「家賃収入はこんなに美味しい」とかの記事を読むでしょうから。
投資は早く「現実に立ち返ったもの勝ち」です。
つまりかっこ悪く、恥知らずな人が成功するのです。
だれかの呪文に縛られた人はなかなか現実に立てません。
そして「きっと回復する」「暴落がくればこちらの勝ちだ」と思うのです。
ちょうどギャンブラーが「次で大勝ちして負けを一気に取り戻す」という幻影を持つのと似ています。
厳しいことを言いますが、この体質は誰にでもあります。もちろん私にも。
人気がないので言う人がいないし、聞きたくもないので耳に止まりませんがね。
気づくのはダウは上昇しているのに自分は増えていない、むしろ減っていることに気づいたときくらいです。
その時はもう深入りしていて損切りして出直せないのが常ですね。
成功する方は、勝手に名前を挙げさせれもらえば「もみあげさん」「ともさん」「和製バフェット」さん・・・などなど
初めは高配当株から入りながらも「気づいて修正した」方です。
全部現金でもOK
「投資しないやつは時代遅れ」みたいな風潮がありそういう人もいますがそれこそ情弱です。
日本円はスイスフランとならんで世界でも減価が少ない立派な資産です。
日本円現金を持っていたために「暴落にあった」というのはありません。
戦争やハイパーインフレになれば別ですが今はその気配はないです。
うっかり投資をすると通常の平穏な状態でもしっかり損ができます。
「キジも鳴かねば打たれまい」といいます。
ラッキーを除けば本を何冊か読んだくらいで「失敗」から逃れることはできません。
やる気をくじいてごめんなさいね。
全部現金の場合のデメリット
1 インフレ率(年平均0.5%程度)だけ減価する
2 投資で増やした人に比べて増えていない。
多くの場合は2の「利益の逸失」
つまりもうけられる機会を逃すことに我慢ができないのです。
同僚が株で1千万増やしたという話を聞けば誰しも「自分の甲斐性のなさ」を恥じます。
その1千万はその人の実力かも知れないし、運がいいだけかも知れません。さらに今までそれ以上損をしているかも知れません。
しかしそんなことは関係なく人間の本能として「自分に似た立場の人」が、儲けた事実が許せないのです。
とにかく 投資=増える
という先入観が強すぎますね。
それはちょうどハワイ=楽園、秋田=美人ばっかり
みたいなものでしょう。
さらに言えば地方の中高生は東京に行けば「簡単に芸能人に会える」と思っているのとも似てますね。・・・私は東京暮らしがないので今でもそう思っていますが(笑い)
結論
全部現金で持ってもデメリットはあまりない
十分の1株式を持てばインフレは相殺できる
一番オススメの「先進国株式インデックス」では長期的に5~6%程度のリターンが見込めます。短期的な為替の変動は除く。
そうすれば現金資産の十分の一をこの投信で持つことで計算上は日本円の減価を相殺できます。(アバウトな計算です)
下はイーマクシス先進国インデックスの設定来チャート
時期がリーマン後の一番いい時期に当たっているので3倍以上になっていますね。
しかし長期でみれば大きく伸びているとはいえ中短期では低迷や下落もあります。
特に今年の3月の下落はキツイですね。
♣先進国株式は日本を除くMSCIコクサイというインデックスを使用しているものが多いです。名前はニッセイでは「外国株式」となっていますが同じものです。日本を加えたい場合は10%ほどを「日経平均インデックス」で加えてください。トピックスでもいいですがリターンは劣ります。
長期で見るのに使いましたが今買うならスリムの方が年間管理費は安いですよ。
投資を始める際には過去のこのようなチャートをみて参入するので「投資は最高」「投資しなきゃ損」と思うのですね。
しかし見るのと実行できるのはスポーツと同じで大きな断層があります。
「自分が実行できたこと」だけが真実であり、これから実行できる実績なのです。
それ以外は「可能性」でしかありません。
自分の適性が未知数の場合は「ほぼない」と見積もる必要があります。
これは認めたくないので未経験者がそう考える確立はゼロです。
さらに投信の窓口で「あなたの適性はお考え以上に低いですよ」なんてことは決していいません。逆はあるでしょうがね。
その後順調なら問題ないですが大きく下がると「君のところで買った投信は一体どうなっているんだ」と担当者に文句を言いかねません。そして
「信用ならん」といってさっさと解約するかもしれません。
先進国債券の場合は金額は多く必要
窓口ではやたらと「リスクが低い」「株式に比べて安全」が強調される債券ですが持ってみると以外な値動きの激しさに驚きます。
下はニッセイ先進国債券インデックスチャート
20年で2倍ほどになっています。
しかし値動きは「安定している」「安心」とはお世辞にも言えません。
嵐の中の船ですね。
そして現在は動きが読めなくて、高値圏にあります。
歴史的には高いリターンですが各国とも低金利になりましたからリターンの見込みは2~4%ほどでしょうか。
一部を先進国債券でもつ場合は資産の20%ほどで日本円の減価を相殺できるといえます。
国内債券の場合は変動はずっと少ないですがリターンも少ないです。
元になっている日本国債の金利がゼロに近いので結構変動するのとさらに金利が下落するのは難しいです。
結論
債券の変動もかなり大きい
株式とどちらが持ちやすいかは経験してみるのが一番
私は両方持ちましたが株式をオススメしますね。
債券の変動は素人には理解が難しいです。さらにベーシスポイントとか金利と逆相関なのもややこしいです。
今回の結論
1 リタイア時から始める投資は失敗が多いので慎重に、計画的にしたい
2 投資は素晴らしい、投資するのがスタンダードとの先入観は失敗のもと
3 過去の実績以外の能力は当てにしてはいけない
4 それまでに積み上げて来た投資は継続でOK
5 現金で持つデメリットは小さい
6 日本円減価を相殺するには先進国株式インデックス投信で十分の一でOK
7 債券は安定していない。債券の方がいいかどうかは実際に持ってみるとよく分かる
長くなりました。ここまでお読みくださりありがとうございます。この記事は私としてのまとめの意味もあります。
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