チンさん凡人投資家

投資歴40年ですが達人ではないです。特別な才能がない普通人がリタイア後の資産を株式投資で失敗なく確実に作れる方法を発信しています。お金のかからなくて楽しいリタイア生活も発信中。

素人がインデックスを上回れない理由特別編「危機対応」総集編10回

2020年10月22日木曜日記述

 

素人がインデックスを上回れない理由についてこれまで4つ紹介してきました。

①買い

②投資期間

③売り

④量

そして今度は特別編で「危機対応」です。まあ下落とか暴落とか決算ミスとか不祥事ですね。

これが一番能力、資質でばらつきが大きいでしょう。

 

1 下落への対応力は素人は期待できない

ばらつきがあると言いましたがそもそも期待できないです。

だから「危機対応」ができなくても「おれはなんてだめなんだ」なんて思う必要は一切ないです。

経験を積んでもできないほうがデフォルトです。私もそうです。

 

これは思わず目をつむってしまうのと同じ「防衛本能」に起因しているからです。

 

なのでがんばって対応力を上げる訓練もいいですが、初めから対応力を使わないでいい準備、選択をしておくのが一番確実です。

 

ともかく個人差がとてつもなく大きい分野なのでご自分でチェックしてみてください。

始めて間もない方は、レベルゼロだと想定しておけばミスはありません。

 

2 危機への対応は基本は「売って離れる」。持ち続けるのは能力が必要

少しくらいの下落で「ビビって売る」行動は投資界隈ではバカにされます。

「その程度のことも想定してなかったのか?」

「そんな希薄な理由で買ったのか?」

「投資に向いてないんじゃあないの?」

・・・

これは「長期に持ち続ける」のが基本パターンになっていることが大きいです。

 

さらにたいていの場合は下落は一時的でしばらくすると回復します。

そうするとたいてい「底で売った」結果になり本人も悔しいし、周りからもさげすまれます。

 

こういう経験が何回か続くと「何があっても持ち続けるぞ」と思うようになります。

しかしさらに大きな下落が来るとやはり耐えきれずに「我慢したあげく底で売る」結果になります。

 

どこに問題があるのでしょう?

 

私は「売りはしないほうがいい」とする道徳にあると思います。

私自身はインデックスは売らない投資法ですがそれは戦略、作戦です。

売ること自体が悪いとする先入観には問題ありと思いますね。

 

3 売買の回数が増えるほどリターンは下がる

素人・凡人には適切なタイミングでの売りは期待できません。

さらに買い戻しについても同様です。

だから一度売るとセットで効率が下がります。

 

だから売買の回数は減らした方がいいことは事実です。

 

しかし、危機に際して「手早く売って離れた」方がいいことも事実です。

 

この背反事実によって素人の個別株投資のリターンが下がる原因です。

 

つまり理論的には例えば個別株でのリターンが30%でQQQが20%でも実際の運用では差はつかないことが多いと言えます。

 

例えば10つの個別株を運用してそれを最初から最後まで動かさずに運用した場合は数字通りの成績になります。

 

しかし5つを入れ替えたとするとその入れ替えの売買タイミングで効率が下がります。

 

後になってチャートで「この時売って入れ替えて」とリターンを計算してもそのとおりには動けないという意味です。

 

一方QQQのリターンは数字通りです。

 

危機対応の実際の場合

以下個別株とインデックスで実際の危機の場合の対応をシュミレーションしてみましょう。

1 市場全体が暴落、今年の3月みたいな

とんでもない危機でしたから、結果オーライにはなりましたが「売った」ことが不正解ではないです。下はナスダック1年チャート

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これはインデックスでも個別でも同じですが、インデックスの場合は例えばVOOとQQQなら2つを考えればよかったのに対して個別の場合は数が多く、また分野ごと、会社ごとの理由を考えなければならないので明らかに個別のほうの負担が大きいです。

 

売買の機会自体がインデックスは売りと買いの2回、合計4回だったのに対して個別はその機会が多く、したがって傷も深くなったでしょう。

 

個別を10つ持っていれば下落が大きいもの、小さいものがあるわけでそれぞれに対しての対応が必要になります。

 

結論としてはこのような大きな下落では「売り」での適切な行動は難しいのでその後の「買戻し」を適切にする方が長期的な成績に影響が大きいと思います。

 

♣「ここまで下げたらもう売れない」

という心理があります。3月では10%ほどの下落時にこのことがささやかれました。

「ここまで来たらもう保有しかない」

実際はそれから25%ほども下げました。

高値圏にある時はまだ高値なのに直近の高値と比較して「随分下げた」と感じるのですね。

FRBや政府の対応もあり35%ほどの下落で済みましたが、逃げるならー10%のときも立派な「売りどき」でした。

 

市場が下落、9月みたいな

やはりナスダックです。半年チャート

インデックスの方はたぶんそのまま保有だったことでしょう。

個別も保有で問題なしですがかなりびっくりはしたでしょうね。

 

結論

下落時には素人はリターンの効率が下がりやすい。

統計的に売買回数が少なくて済むインデックスは成績が下がりにくい。

→見かけ上のリターンの差が縮まる原因になる

 

2 決算が悪くて売り

これは個別株だけの問題ですね。

決算についてはなかなかすんなりではないです。

 

まず基本項目

①EPS②売上③ガイダンスですがコンセンサスとの比較が必要です。

ヤフーファイナンス米国版などで事前にチェックが必要です。

 

どれかが未達の時の判断が難しい

いくら調子のいい会社でも長年の間にはどこかで決算ミスが起こります。

その時の判断は難しいです。

特にガイダンスは数字とCEOやCFOが語るのがありますが英語でのニュワンスはほとんどの日本人素人には理解できません。

 

♣切るなら早いほうがいい

決算によっては小型株だと一瞬でマイナス20%とか下げます。

これを見ると「売りの機会はもう過ぎた」と感じがちですがたいていは

「売りの入り口」で「一番高い位置」です。

心理に反するので売りにくいですよね。

しかし1銘柄でも売りの時期を逸して大幅なマイナスを出すと全体の成績を大きく下げます。

 

そういうのが嫌なら大手株がいいですね。

 

決算時以外での「下方修正」も同様ですね。

 

3 スキャンダル、不祥事での売り

「粉飾決算」は東芝などでもありましたが「即ウリ」と言われます。

 

CEOのセクハラとかのスキャンダルは対応が難しいですね。

 

一般にスキャンダルはゴキブリと一緒で1匹見つかればその後続々と見つかるので軽視するのは禁物です。

 

しかしその後株価が回復することも多いので「売って対応」した場合は悔しい思いをしますね。

 

4 公募増資、株式分割

公募増資をするとかなり株価が調子が良くても転換点になって下落することがおおいですね。下は有力ワクチン銘柄のBNTX

92ドルの公募をきっかけに2ヶ月の低迷をしています。

その間会社にはなんの問題もなかったです。

公募増資は「希薄化」になりますので「一旦売る」選択が賢明ですね。

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「希薄化」が伴わない増資でも「需給」が悪化するので一旦売るのが賢明です。

 

ニュースをチェックする必要があるのでインデックスにはない「苦労」「手間」です。

 

株式分割は人気化しやすい

最近ではアップル、テスラが株式分割をしました。

下はアップルの3ヶ月チャート

チャート画像

株式分割をすると買いやすくなるので「人気化」しやすいです。

アップルのような世界最大の時価総額の株でさえ8月の末から大きく上昇しています。

 

このタイミングで利確しておくのは「いい売り場」だったでしょう。

その後「我に返って」かなり長い低迷が続いているからです。

 

株式分割しても株主に有利になるわけではないです。

需給関係から株価が上がるだけの現象です。

 

とはいえ高値で買うとその後大きなストレスを抱えます。

 

あとから見ると「おれはそんなバカなことはしない」とだれもが思うのですが「バカなことをしてしまう」のが素人投資家の特徴です。

 

また上げているときに「売れない」のも素人の特徴です。

 

結論 

株式分割、公募増資への対応は難しい。

株式分割は「人気化してからの買いはなし」

公募増資は「基本売っておく」

 

5 その業界、会社の見通しが悪い

石油、金などのコモディティは相場が激しく動きます。

それに伴い、石油会社などの株価も激しく上下します。

 

石油、為替、金利などは素人には(プロでも)相場を読むのが難しいです。

プロとアマとの違いは「相場の読み方」もさることながら対応力にあります。

 

プロが「相場が外れても大丈夫」なように準備して相場を張るのに対してアマは一辺倒な博打になりがちです。

 

また半導体にもサイクルがあります。

 

素人にとって一番確かな対策はこれらに「近づかない」ことです。

 

上級者は値動きで利益を得たりしますが素人は「相場での売買益」は狙わないのが上策です。

 

理由は為替相場がそうであるように「ゼロサム」ゲームである側面があるからです。

つまりプロとアマの競合になります。

 

仕事で取り組んでいるプロには勝てないとしたものです。

下手なプロもいるでしょうが「退場」するでしょうから。

 

業績見通しは株価に織り込まれている

テスラなんかは「電気自動車での勝ち組」がすでに想定された株価になっています。

適正かどうかを見わけるのは普通の素人には無理です。

 

しかしそういった企業の株価の上昇もちゃんとインデックスには反映されますから

インデックスでは「部分的に買った」ことになります。

♣テスラはナスダック100には入っていますがS&P500にはまだ入っていません。

 

今回の結論・まとめ

1 個別株の数々の危機に素人は適切な対応は期待できいない

2 対応の度に成績は低下する

→インデックスとの見かけ上の差が縮まる

3 インデックスは個別株よりも危機の回数がかなり少ない

→対応力の低い素人のミスの機会が減る

4 素人の対応のマズさは「本能」に基づいているので修正のハードルは高い

 

いかがだったでしょうか?

今回あげた5つの原因がクリアできれば個別株での成績アップが期待されますね。

とはいえそれまでは、あるいは仕事が忙しい方は「インデックスだけの」運用でも十分な成績が上げられます。

 

前のめりになって「有力株」を追い求めていると「地味なインデックス」よりも「苦労が多くて成績が悪い」状態になります。

 

少なくとも統計ではそうなっています。

 

素人がインデックスを上回れない理由シリーズは今回で完結です。

お付き合いくださいましてまたコメントありがとうございます。

 

総集編はまだもう少し続きます。

 

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