森永卓郎さんが暴落前に株を売り抜けた話、投資をしなくてもいい立場の人達の基準
2020年6月20日(土曜日)記述
森永卓郎さんが暴落前にバブルを売り抜けて難を逃れた話
(はじめに)私は森永卓郎さんのフアンです。動画もよく見ています。なのでこれはディスる記事ではありません。
さて、森永さんが2月にバブル状態にある日本株を3千万で無事売り抜けたという記事をネットニュースで見ました。
要約すると、同席したエコノミストから米国株が「割高のバブル状態」であることを聞かされて急いで処分したのが良かった。
その指標はシラーパーである。25が基準なのに30近いバブル状態にあった。
バブルが弾けるのは確実で、時間の問題だし、そうなれば日本株も下落するので処分した。というものです。
そして現在の株価も「高すぎる」ので投資はしない。とありました。
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これについてみなさんはどう思われますか?
「さすがだなあ、大したもんだ。バブルを察知して売り抜けるのはすごい!」
という見方もあるでしょう。
2月の株価を見てみます。ダウで話をされていたのでダウを載せます。
つまり米国株はバブル状態にありいつ弾けてもおかしくなかった。
それがコロナをきっかけに弾けた。
2月に株を売ったのは最高値で売ったことになる。暴落を避けられて良かった。
現在も依然としてバブルの状態にある。
という見方です。
シラーパーについてはみなさんはもうご存知でしょう。
森永さんともあろう方がシラーパーをご存じなかったのは驚きですが、ともかく高く売って難を逃れられたのは良かったです。
シラーパーについては
ウィキベディアによると
CAPEレシオ (Cyclically Adjusted Price-to-Earnings Ratio) は、景気循環調整後の株価収益率(PER)を示す投資指標である。株式市場の長期的な評価に用いる。 1988年にエール大学のロバート・シラー教授とジョン・キャンベルが公式に定義し[1]、シラーPERとも呼ばれる。単年度の1株当たり利益ではなく、インフレ調整後1株当たり利益の10年移動平均値を用いてPERを計算する。これにより一時的要因による収益変動や景気循環の影響が除外されるため、実質的な企業収益力との関係で株価の割高・割安性が示される。[2]
とあります。今回のように2020年のEPSがブレる時には最適な指標でしょう。
横線は25のラインです。
最近では下のようです。
2013年末には25を超えて割高水準に入っています。
さらに今年の2月よりも高い時期はありました。
ショックで15に下がったものの2014年位からはずっと25を上回っています。
→25以上が割高とするならそれ以降は米株は買えなかったし既に売っていたことになります。
だから今回森永さんがシラーパーをきっかけに売ったというのはラッキーだったことになります。
現在の値は29.1です。
余裕のある人は株式は持たないという選択は賢明だ。
今年の2月までに森永さんがどういう基準で株を保持しておられたのかがわかりませんが、「割高局面では売る」スタイルのようです。
そして現時点では割高なので当分投資する予定はないとのことでした。
株価が下がりダウが24000を下回れば検討するとのことでした。
余裕がある人の場合、投資しなくても大丈夫な方の場合は「割高局面を避けるのは賢明です」
森永さんにシラーパーのことを教えた方も大学の先生か学者さんでしょうから、投資をしなければいけない必然性はないです。
給料も多いだろうし、年金も十分だからです。
森永さんも普通の人とは違います。
特に株式投資をしなくてもいい人の場合は「割高」と見られれば市場から離れておくのはストレスがなくて良い選択です。
何より下落が起きた時に「こんなこともあり得ると思い私はもうだいぶ前に処分していたんですよ」ともっともらしく言うことができます。
なにより、経済の専門家が株の下落であたふたしているよりよほどかっこいいです。
暴落を予見して売っておくほど「かっこいい、信頼を得る方法」は他にありません。
「さすが経済の専門家」との評価が高まります。
だから一番外れない株価予測は
「長期的には上昇するが、大きな下落はいつでもあり得る」
と言っておくことです。
現実問題としては「じゃあいつ買うの?」となります。
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投資が必然の人たちはどうすればいい?
立場が安定していたり年金が多い人の場合は「投資をしない」という選択肢があります。
しかし将来の社会保障の限界もあって最近では積みたてニーサなどでの投資が奨励されています。
しかし偉い方々から「現在の株価は割高である」という意見を聞かされれば、現在進行形で積立をしている人は不安になりますね。
「もしかして自分たちは割高なものをかわされているのではないか?」という不安です。
だから影響力が大きい方々が安易にPERやシラーパーやバフェット指数を根拠に「割高だ」と叫ぶのは問題があると思うのです。
自身の立場としては上記のように暴落が来れば「早くから警告していた専門家」として立場は上がるでしょうが、それによって投資をやめる人たちも出てくるからです。
現在の株価が「割高」「バブル状態」と聞けば現在積み立てている多くの人は不安になるでしょう。
そしてそのうちの何人かは積立をやめるかもしれません。
少し割高かどうかは長期的には問題にならないのですが、投資している立場としては気になります。
資本家が得をする、金持ちが有利だという意見と矛盾する
ピケティは資本家、金持ちは投資によってさらに富が増えることを証明しました。
現在の格差を埋めるのには「投資」は有力な手段であるはずです。
しかし現実には暴落がおこり、さらに「割高論」が盛んで投資に踏み切れない人たちが大勢います。
生活に余裕がある人達がリスクを取らずに「株式市場」を斜に見れば、貧乏人だけがリスクを取って投資する流れにはなりません。
金持ち、資本家が有利だと言っておきながら「危ないから株式市場には近寄るな」というのは矛盾しています。
つまり
株式投資は有利だけど実際に実行・完結するのは簡単ではない
という事実です。
さらに、割高なら売って市場を離れるというのは売買派になります。
仕事を抱えている多くの人達にとってトレードは負担です。
森永さんのような有名で影響力のある方には「どんな暴落でも保持する永久投資」を実践して手本を示して欲しいと願っています。
米国株は割高なのか? 安易な断定はよくない
米国株の割高・割安水準としては予想PERが15が基準を主張する人たちがいました。
しかしそれだとここ10年はずっと割高水準になり買えなかったことになります。
私は3年前から独自ルールとしてS&P予想PERで17から20は適正
と考えています。20を超えたら割高という意味ではないですが。
現在は実現PERで22、予想PERで24くらいの水準ですからPERでみると割高と見る人もいます。
プロでも基準はわからないらしく今回の暴落では書いそびれたヘッジファンドが多いそうです。
だから現時点でどのくらいが「適正か」という基準は確立していません。
FRBの無制限緩和の規模と内容が今までとは全くの異次元なので予測がつかないのです。
こんな時に過去の基準で「割高だ」と判定するのではずっと投資できないことになります。
「投資しなくてもいい立場の人」は自分が投資しなければいいだけなので「割高だ」「バブルだ」「今に暴落が来るぞ」といった雑音を立てるのは良くないと思います。
そういった悲観論がメディアに載りやすいですが、丁寧にチャートを見てみれば3月の暴落以降は実はずっと「買い方勢力が優勢」だったことがわかります。
だから株価が上がったんですが。
「何で上がるんだ、おかしいだろう」なんていう人もいますが、「強気の人の割合が多いから」上がるんですね。
日本ではダブルインバース【1357】が取引の上位にいます。
ムードでこれらを大量に仕込んで大きくマイナスになった人も多いそうです。
ダン高橋さんも動画で言ってましたが、レバレッジ型、ベア型については特に注意が必要ですね。
基準を切り上げながら高値を更新する
上げ下げを繰り返しながら高値を更新していく流れと見ています。
このFRBの異次元の緩和にはそれだけ過去が当てはまらない威力があります。
だから市場が少しずつそれを折り込みながら、折り合いをつけながら上昇する展開と見ています。
第2派などで下落があれば、指標が高い分大きなものになりますが、やがて回復していくと見ています。
だから過去の指標にとらわれたり、あるいは偉い先生、特に投資していない人の意見を真に受けて投資が停滞することが、「投資をしなければいけない大多数の人たち」の避けなければならないことだと感じます。
下はS&Pのチャートです。
3月の下落以降の局面で「割安だ」なんて場面はなかったですね。
常に株価が先行していました。
つまり「株の上昇が早すぎる」「高すぎる」だったのです。
新局面に合った方針で臨みたいです。
最後に
私達素人の投資家の意識のほうが日本のお偉方の投資に対する認識よりも「新しく」「実践的」なのかな?と思ったりします。
以上です。それではみなさまの投資の充実を願って記事を〆ます。
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