【本邦初】米国株の将来の適正株価を計算してみた
みんな将来の適正株価知りたいですよね?
ということで自分なりに計算してみました。S&Pです。
一番わからないのはコロナの今後とそれによる企業収益の悪化です。
企業収益の悪化はまだ十分に株価には織り込まれていないと感じます。
企業もわからないし、それにあまり出したくないからです。
IMFとかOECDも過去には下方修正がずいぶん遅れた歴史があります。
だからギリギリまで下方修正は出てこないと考えたほうが良さそうです。
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JPMが下方修正予測発表
2020年1Qの米国のGDP予測をー2%、2Qを-3%と発表
2期連続のマイナスは「景気後退」となる。
♣米国は厳密には2期連続=景気後退ではなくて専門家が判定します。他の国では2期連続マイナスは景気後退。
4月からの1Q決算でのガイダンスで荒れるだろう!
とはいえ企業は決算発表では見通しを出さなければなりません。
1Q決算ではまだコロナの影響は3月だけで一部ですがそれでもかなりの状況がわかるでしょう。
予想以上にマイナスなところは「大きく売られる」ことは覚悟が要りそうです。
逆に軽微なら上昇。
1 現時点でわかっていることとわからないことを整理しました
わかっていること わからないこと、将来
(1)現在株価S&P500 2711 → ?
(2)2019年EPS 138.5 →?
(3)FF金利 1.0から1.25 →0から0.25?
(4)長期金利 0.95% →0.5%?
現在は将来の業績がどのくらい落ち込むかがわからなくて株価が激しく上下しています
2 株式益利回りを使って適正株価を割り出すと
過去は長期金利への上乗せ金利は3%から4%で推移してきました。短期的にはそれを超えることもありましたがやがてその範囲に収束しています。
<計算>
将来の長期金利を0.5%とも見積もります。
そうすると株式益回りは3.5%から4.5%の範囲
下限、上限、仲値で計算します。
昨年のEPSを用いると
3,15 | 適正株価 | 現在株価 | 水準 | 割引率 |
上限 | 3961.1 | 2711 | 68 | 32 |
仲値 | 3462.5 | 2711 | 78 | 22 |
下限 | 3074.7 | 2711 | 88 | 12 |
現在の株価2711は適正株価を下回っています。
これは今年の業績が落ち込むと予想しているからです。
割引率はそれぞれ12%から32%になります。
この分の業績悪化を現在織り込んでいるわけです。
「まだ不十分だなあ」と感じる方が多いでしょう。
だから今後のマイナス材料では短期的にはさらに下落の余地は残されています。
一番悲観的に見積もるとさらに20%くらいの下落の可能性はありそうです。
現在高値から-20%ですから高値から-40%ですね。コロナ次第では考えたくないけどそれ以上もありえます。
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3 長期的に見るとどうか
一番業績が悪化したのは直近ではリーマンショックです。
この時のepsの減少率とその後を見ると
eps | 株価S&P | eps上昇率 | |
2006,12 | 104.2 | 1424 | 17% |
2007,12 | 81.3 | 1378 | -19% |
2008,12 | 18.3 | 865 | -78% |
2009,12 | 60.9 | 1123 | 243% |
2010,12 | 91 | 1282 | 52% |
2011,12 | 99.4 | 1300 | 12% |
2012,12 | 97.2 | 1480 | -1% |
(1)epsの回復より株価の回復の方が先行しています。
(2)リーマンショック当年を含めてほぼ4年でepsも株価も復帰しています。
→一時的に大きくepsが落ち込んでもそして株価が下げても比較的早く株価は復活している。
4 ここ数年先を見ると
だから今年は一時的に大きく落ち込んだとしてもそんなに心配は要りません。
数年先に2019年よりも少し下の-10%あるいは-20%にepsが回復した時の適正株価を計算すると
3,15 | -10% | -20% | ||
予想EPS | 予想株価 | 予想EPS | 予想株価 | |
上限 | 124.7 | 3566 | 110.8 | 3169 |
仲値 | 124.7 | 3118 | 110.8 | 2770 |
下限 | 124.7 | 2768 | 110.8 | 2460 |
◇20%マイナスまで戻れば仲値で2770くらいつまり現在の株価が適正になります。
→そんなに心配はいらない。
ここまでの結論
今年一年はともかく数年を考えれば株価の大きな落ち込みはない。ただし業績がその範囲に収まればだけど。
5 今後の業績は? 予測ですが
他の国と比較すると米国はそれでもカードが多くて比較優位にあると思います。
その理由は
1 金融緩和の余地が少しある→金利的にはほとんど無くなる
2 米中貿易の妥結などの策がある。
3 減税、公共投資などの手段がある
4 世界のお金が米国に集まる構図に変化はない
特に今年は大統領選挙がありますから政策フル動員の可能性が高いです。これは民主党も同じ。つまりバラマキ競争。
→議会も通りやすい
→対策が効きすぎて業績の回復より先に株価が上昇するシナリオもある。
<悪いシナリオも書いておくと>
(1)ドイツ銀行が一部の債券の支払いをしませんでした。
ドイツ銀行絡みの信用不安が欧州中心に出る。
(2)レバノンがデフォルトしました。
今後苦しい国が次々とデフォルトに追い込まれる。
(3)低格付けの債券がデフォルトする
シェール企業発行の債券が値下がりしています
今後債券市場で資金が集められないと石油企業を始め倒産が出る。
→高金利債券には要注意!
(4)米以外の国がヤバくなる。
ヤバくなるとはいい加減な表現ですね。
米国が景気後退入りすると米国に輸出していた国々は苦しくなります。
中国なんかは今でも苦しいけどもっと苦しくなります。韓国、日本も同様。
→世界的な景気後退、特に東アジアは苦しいか?それに欧州も、だから米はまだまし
6 株価の底とその価格は?
はっきり言って当面の株価の動きは私にはさっぱりわかりません。
4月くらいでコロナの見通しもある程度つきそうです。
また企業の決算も出ますから4月は波乱と思います。
底値をつけるかもしれませんね。
それはいくら位?→それはわかりません。ごめんなさい。
しかし数年で業績が回復するとみれば「買い時」と思います。
そして私はそう思っている派です。
7 業種、会社によって格差が大きいだろう!
はっきり言えるのは、業績の落ち込みとその回復は均一でなく大きなばらつきがあることです。
同じ大手ハイテクでもグーグルとマイクロソフトでは違うでしょう。
金曜にMSFTが14%も急騰したのは影響が軽微だと見られているのでしょう。
だから個別の会社についてよく知っている方は今が能力、知識の発揮しどころです。
S&Pや業種ETFよりも効率がいい会社をきっと見つけられるでしょう。発信よろしくです!
逆に外すとひどいことになります。
つまり選ぶ銘柄で大きな差が付きます。
ここでもS&Pを選んでおけば少なくとも「外す」危険はなくなります。
だから凡人の私としてはS&Pを中心に考えます。あとはQQQとかVGTもです。
とはいえMSFTは私もいいと感じて買いましをします。
各会社とも業績が厳しくなれば合理化でIT、クラウドの需要は高まりそうですから。
以上です。みなさんが最も知りたい「底値とその時期」が答えられなくてゴメンナサイですが今はだれにも無理だと思います。
それではみなさまの投資の順調な進展を願って〆ます。
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