今はまだ下落の3合目か、2017年の振り出しに戻った
米国株の乱高下が続きますね
週足チャートで見ると
◇昨年の7月の時点に戻ったところです。
◇金融緩和が明確になった2019年の1月4日を起点とすると14%高い水準にあります。
◇2019年の米企業のEPSの伸びは昨年の9月時点での予想で1.9%(名目)になっているので(Standard&Poorsより)2019年の株価の上昇は勧誘緩和によるものと言えます
その間に長期金利は3%弱から現在の0.7%にまで下落しました。
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2%も株式に有利になっています。2%分の益利回りの増加なので株価の値上がりも当然です。PERで言えばper16.7→PER25でちょうど2%の益利回りの違いになります。
実現PERで見ると(Standard&Poorsより)
S&P500 | 株価 | P/E |
6-Mar-20 | 2,972.00 | 22.36 |
1-Jan-20 | 3,278.20 | 24.67 |
1-Jan-19 | 2,607.39 | 19.6 |
1-Jan-18 | 2,789.80 | 24.97 |
1-Jan-17 | 2,275.12 | 23.59 |
1-Jan-16 | 1,918.60 | 22.18 |
1-Jan-15 | 2,028.18 | 20.02 |
1-Jan-14 | 1,822.36 | 18.15 |
1-Jan-13 | 1,480.40 | 17.03 |
1-Jan-12 | 1,300.58 | 14.87 |
1-Jan-11 | 1,282.62 | 16.3 |
1-Jan-10 | 1,123.58 | 20.7 |
1-Jan-09 | 865.58 | 70.91 |
1-Jan-08 | 1,378.76 | 21.46 |
1-Jan-07 | 1,424.16 | 17.07 |
◇今年の1月の実現PERで見ると株式益利回りで4.01%です。
かなり金融緩和の分を食いつぶしていたことがわかります。
◯リーマン以降の利益成長率は
2019年分は予想 (名目成長率)
利益成長率 | |
30-Sep-19 | 1.9% |
31-Dec-18 | 20.5% |
31-Dec-17 | 16.2% |
31-Dec-16 | 9.3% |
31-Dec-15 | -15.4% |
31-Dec-14 | 2.1% |
31-Dec-13 | 15.8% |
31-Dec-12 | -0.5% |
31-Dec-11 | 12.4% |
31-Dec-10 | 51.8% |
31-Dec-09 | 242.5% |
31-Dec-08 | -77.5% |
31-Dec-07 | -18.8% |
31-Dec-06 | 16.7% |
5年のチャートで見ると
◇2017年1月を起点としてみると利益成長の合計が39%で株価が44%伸びています。
過熱感がとれて振り出しに戻った感じ
今年の下落で現時点では2017年の1月からの上昇率は31%です。配当も含めると37%ほど。つまり
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→まだこれからの悪材料を十分に織り込んでいない。3合目くらいか?
といえます。
だから「十分下落した」と見るのは時期尚早です。
まだ3合目くらいとみています。
コロナによる悪影響が標準的な場合としてです。
2018年の1月を起点として各チャートを見てみます。
上から紫がナスダックで+22.5%、ピンクがS&Pで+10.2%、オレンジがBNDで+7.5%、青がダウで+3.3%、濃い青が新興国ETFのEEMでー10%です。
いずれも配当は込まずです。
◇2018年の1月からの上昇は
ナスダック>S&P>BND>ダウ>新興国
BNDの金利は2.6%と少し高いので2年では1%ほどプラスする必要があります。
◇金融が多いS&Pやダウとナスダックの差はますます拡大すると考える。
S&Pでの金融の割合は12.6%
これからの株価の見通しは?
大統領に過激なサンダースさんがなる確率はほとんど少なくなったので、コロナ次第と言えます。
中程度とみても利益の減少は避けられないです。
現在の株価は2017年の振り出しに戻った感じです。
将来への過剰な期待感もなくなって割高感も消えました。
しかし今後の悪材料をまだ織り込んだとは言えません。
したがって悪材料、下方修正を織り込むのはこれからになります。
最終的に高値からどのくらい下落するかはコロナ次第で現時点では不明です。
→下方修正は遅れるので注意が必要
上記の表の実現PERでみるとリーマン以降は15から25で動いています。
今年の1月は上限にありました。
現在10%ほどPERも下落しました。
これから業績の下方修正→株価下落のれんさがしばらく続くと思われます。
とりあえず、金利低下で金融、旅行、物流、エネルギーなんかが下方修正されそうです
原油は9.4%安の41.57ドルを付けていましたね。
既存産業。オールドエコノミーの方が抵抗力があるは間違いです。
無理やり結論づけると
1 2017年からの3年でS&Pの利益は39%上昇している。株価も同じくらい上昇
→つまりリセットされた状態
2 これからの業績の下方修正はまだ株価には十分には織り込まれていない
→これからでる悪材料で株価は下落
3 打撃の受け方にはムラがある
→打撃の大きい業界は避けるほうが無難→昨日の記事をご参考ください
→インデックスとしては
弱い順に ダウ<S&P<ナスダックとみている
理由は金融など下方修正される業界がダウやS&Pに多くナスダックには少ないから
※ナスダック100のQQQはさらに金融を除いている
長期投資では買い!
「もうダメだ」と思われる困難も過去にはありましたが乗り切ってきました。
今回のコロナは未知数ですが、長期的には「買い場」ととらえています。
ただし上記のように「安い」とはまだ言えないので、少しずつ時間をかけて買っていきたいです。
「株価は先にはもっと下げるだろう」とみんなが思う時が一番下げます。
これから下方修正が相次げばそのような状態になるでしょう。
まだそんな状態ではないです。
広がり方や影響は予想がつかない→機械的に買うしか無い!
今回の下落をあとになって見たら簡単なことでしょう。
現在は「まだ入り口だった」あるいは「もう出口付近だった」
などとわかることでしょう。
しかし現在進行の中にいる我々は自分のいる状態を知ることはできません。
だから高値からー20%、-25%、-30%と何回かに分けて機械的に買っていくしかないと思っています。
ただし-20%で買ってさらに下げると「イヤーな気持ち」になりますから「割り切り」が必要です。機械的に計画通りに淡々と進める必要があります。
リーマンショックではepsが80%減になった
上記の表を見るとリーマンショックが起こった2008年にはepsは78%も減少しています。それ以降では2015年のー15%が最高です。
コロナ次第ではマイナス20%以上のマイナスもありえます。
そうなると悲観的な心理での行き過ぎを考えるとこれからさらに30%ほどの下落は無いとはいえません。
長期的には問題ないとはいえ、長期戦を覚悟しておく必要がありそうです。
いろんな媒体を通して情報を交換して、助け合っていければいいなと思っています。
それではみなさまの着実な投資の進展を願って記事を〆ます。
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