チンさん凡人投資家

投資歴40年ですが達人ではないです。特別な才能がない普通人がリタイア後の資産を株式投資で失敗なく確実に作れる方法を発信しています。お金のかからなくて楽しいリタイア生活も発信中。

米国株は根拠のない株高だったのか?

昨日はバク上げでしたね

ダウは1294ドルと史上最高の上げ幅で戻しました。26703.32ドルです。

このバク上げで「危機が去った」と思うのは早計と思います。

しかしRSIが10台という異常事態が解消されるのはいいことです。

チャートを見てみます。一番厳しかったダウです

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◇RSIが18ほどでしたが36まで戻してきました。

◇200日線を大きく割り込んでいましたが今度は200日線に向かって回復しています。短期的にはいい形です。

◇下落が終わったとは言い切れません。空売りの買い戻しが急に起こったと考えられるからです。彼らは悪材料では再び売りを仕掛けてくるでしょう。

あらっぽい展開はかれらの望むところです。

→素人・凡人は乱戦には参加しないのが一番安全です!

 

乱高下の中でも長期的視野で落ち着いて投資を進めたいものです!

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さて最近気になる記事を見かけるので取り上げます。

高すぎたのでコロナでの下落はきっかけに過ぎない説

2月に高値を更新し続けた米国株は根拠はなかったというものです。

だからコロナ問題がなくても早晩下落するはずだったというのです。

つまり市場が間違って根拠なく株を買い上げたという説です。

みなさんはこれについてどう思いますか?

 

私はそれは根拠と説得力がない説だと思います。

ちょうどネットの「東洋経済オンライン」で「日経平均株価は2万円では下げ止まらない」という人気記事を見かけたので、反論します。元記事はこちら日経平均株価は「2万円」では下げ止まらない(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース

 

長いのでまず記事の要約を抜き出しました。なるべく忠実を心がけましたが元記事でお確かめください。

1 もともとアメリカの株価上昇は綱渡りだった。

(1)正当化出来ない割高さは予想PERに示されていたものが

→今回の株価下落で根拠薄弱が露呈した。

その理由は2月21日で米S&Pで予想PER19.0倍と正当化出来ない水準だった。

 

(2)2018年1月26日には予想PERが18.7倍と高かったが翌月から調整している。

つまりいつ下落してもおかしくない状況だった。

 

2 近年の予想PERは通常は15から17倍である。

下落で中央値の16倍になるのはおかしくない。15倍もありうる。

2/28日では17.35倍で15倍になるにはさらに13.5%の下落が必要。

NYダウにこの割合を当てはめると2.3万ドルになる。

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反論

1 金利のことがまったく考慮されていない!

この5年の長期金利の推移は下のとおりです。インベスティングコムさんより

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(1)長期金利からの株式上乗せプレミアムで見ると全く正当

2020年2月21日の予想PER19.0は株式益利回りでは5.26%、その時の長期金利は1.493%

したがって株式上乗せ金利は

5.26-1.493=3.767%です。

これは適正の目安とされる3%から4%の中にあり、しかも4%に近く割安とも言えます。

→正当化できます。むしろ割安

割安の理由はコロナと米経済の先行き不安感

(2)2018年1月26日を見てみると割高がわかる

同様にして2018年1月26日の上乗せプレミアムを見てみます。

予想PER18.7倍は益利回り5.347%長期金利が2.639%

したがって上乗せ金利は

5.347-2.639=2.708%

これは適正とされる上限の3%を大きく上回っています。

明らかな割高水準です。

 

→この2回では予想PERが19倍と18.7倍と数値的に近いこと以外は何の共通点もありません。

つまり2020年の2月21日が割高であった根拠はこの「長期金利からの上乗せ金利」で見ると全く当てはまりません。

 

(3)近年の予想PERの推移は16倍が中央値ではない

「米国株のperの推移」の画像検索結果

通常は15倍から17倍であるというのはどの期間をとったのか不明です。

 

トランプ以降では2018年の秋以降のように一時的に14倍を割ることもありましたが15倍から17倍では動いていません。

それを基準にしている人は「割高に感じられて買えなかったでしょう」

以前とは金利水準が違うからです。

 

やはり長期金利を元にしての上乗せ金利のほうが説得力があります。

上乗せ金利で見ると直近では大幅な安値水準になっている

お世話になっているフジトミさんのサイトで直近のをみると

イールドスプレッドで3月2日の米国株市場を先取り! | 株式会社フジトミ

2/28日では

S&Pが4.515%と目安の4%の安値水準を大きく突破

ナスダックは2.8%と同じく目安の2.5%の安値水準を大きく突破

ただしS&Pの方の割安度が大きいです。

ダウは4.593%とS&Pより割安です。

 

現在の力関係がよく表れていますね。

つまりナスダック>S&P>ダウです。

 

大幅に安値になっている理由は

(1)コロナの広がりでEPSが大幅に下がりそうだ

(2)大統領選の不透明感です

 

つまり計算の元になっているeps自体が不明な点です。

もともと割高だったのではないです。

 

だから市場が間違っていたのではないと考えています。

 

今後については

1 epsの減がどのくらいで収まるのか?

2 コロナの広がりを抑えることができるのか?

3 大統領が急進的、左派が当選するリスクはないか?

が焦点になります。

いずれも予想できないことばかりです。

 

◇米国企業のEPSの伸びが大きかったので2019年でピークアウトした可能性はあります。

◇だから2019年の30%の大きな伸びは「金融緩和に支えられた」「金融相場」と言えます。

◇なので今後も問題が全く無くて「買いだ」と言っているわけではないです。

むしろ問題はコロナを始めとして山積しています。

◇しかしやみくもに「割高だ」「下げるのが当然だ」というのは根拠がなさすぎます。

 

なのでまとめると今後の米国株は

1 将来のepsの下方修正の分と、それに伴う心理的な悪化の分を、つまりオーバーシュートして下げる可能性がある。

→行き過ぎた株安は明らかに「買い」

2 FRBの金融緩和と企業業績の下方修正との綱引きになると思う。

業績の下振れが明らかになるたびにそれが増幅して下げる構図。

→とにかく心理的に今の株価を信じられていない参加者が多い。

→なにかのきっかけで、今回もだけど、投げ出す展開を予想。

 

つまりプロによって株価も心理も大きく揺さぶられる展開になると思っています。

私の信じる真実は次の2つだけ。

1 長期的には米国企業は伸びていく、株価も伸びていく

2 長期的には市場は間違わないし今も間違っていない

つまり現在の株価は「異常に高すぎる」ものではなく長期金利からみるとむしろ「割安」だ。

→しかしepsの下方修正が予想されるためにその割安度ははっきりしない。とにかく異常に割高というのは「感情的すぎる」と思っています。

 

このような根拠のない情報に惑わされずに自分の投資を計画通りに進めたいですね。

それではみなさまの順調な投資の進展を願って記事を〆ます。

 

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