S&Pに付け足すなら凡人には高成長株が向いている【だれでもできる米国株第29話】
今回は私の経験からの記事になります
前回までで話したように2016年の暮れに米国株を本格的に始めて最初は「高配当株」がメインだったけど上手く行かなくて半年ほどで転換を検討しました
しかし、そこからの道のりは平坦ではありませんでした
先入観に左右されていたからです。
その一つが今回書く「ハイテクに対する先入観」です。
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先入観、イメージからの脱却
「ハイテクはリスクが高い」「暴落に弱い」「高成長も続かない可能性がある」・・・みたいな多くの人が抱いていたイメージを私も持っていたからです。
高配当株をする人はたいていそのイメージを持っていますよね。
だからこの記事を見て「違和感」や「嫌悪感を持つ」方はいらっしゃると思うのです。
この記事は私の「個人の感想」であり、私と同じような普通レベルの投資家の方へのヒント、情報提供です。
前回と同じように「以前の私に聞かせたい内容」になっています。
当時そのような記事がとても少なかったと記憶しているからです。
そんなんですから、現在上手くいっている方や、自分の方針を決めていらっしゃる方には場違いな内容です。どうぞスキップなさってください。
自分と違う投資法には違和感や時には自分の投資法の悪口を言われたように感じるものです。
しかしこの記事には投資法の優劣を語る目的はありません。
素人・凡人が自分に合った投資法、実行できる投資法、成功しやすい投資法について研究する材料を提供するのが目的です。
個別株ではハイテクが、情報技術ETFのVGTとの相性が良かった
試行錯誤の末に私がたどり着いたのは「成長が大きい会社大きな会社」「ETF」への投資です。
ETFではVGT、個別ではMSFTとかVとかMAのようなハイテク大手、UNH、BA、NEEのような非ハイテク高成長株です。
とはいえ、JNJなどの会社もまだ保有があり買い足してもいます。
私は失敗もあり迷走だったのですが、皆さんには「時間短縮」してほしいと思ってこの記事を書きました。
というのは結局「自分に合った投資」を見つけるには「経験して失敗しながら」の他には「勉強する」しか無いからです。前者は時間とお金のロスが大きいです。
ではていねいに見ていきますね。
有利な投資法や投資対象はないと信じている
市場が完全だと信ずるなら「都合のいい有利な投資」はないと言えます。
私も長期では市場は合理的と信じています。
だからこれは「有利な投資法」について書いているのではないです。
自分にあった、よりやりやすい投資対象という意味です。
そして現実に凡人の私が「うまくいっていること」がやりやすいことの証です
「お宝株発見」とか「これであなたも金持ちに」といった目的はないです
結果としてそうなる確率は高いですが
S&Pインデックスは究極のバランス
特に分散が優れています。
これをいじると必ず分散では劣ります。
だからS&Pだけでの投資でも全く問題はありません。
それに付け足すとしたらということです。
さて前回まででS&Pとは違う投資をするときには必ず「何か」を犠牲に差し出さなければいけないと言いました。
私達が差し出せる「何か」は何がいいかというテーマです。
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差し出すのは「長期の時間」
高成長株と言うと必ず言われるのが「ハイリターン狙い」「反動も大きいですよ」「暴落のときも考えないとね」・・・などです。
しかしそれらはイメージに基づいた発言であって実際は違うことを今回は示していきたいと思います。
しかし、個別の企業を例に取ると「都合のいい会社を選んだんだろう」と思われるでしょうから、個別株の代わりにETFで考えたいと思います。
ナスダックETFのQQQと情報技術ETFのVGTです。
これらについては第21話に比較記事がありますのでそちらを御覧ください。
【VGT】リターンを上げるハイテク100%ETFのご紹介【だれでもできる米国株第21話】 - チンギスハン米国株永久投資
<リターン面では過去は高かった>
高リターンだけが目的ではないのですが、あとにも使いますし確認で載せますね。モーニングスターより、リターンはトータルで配当を込みます。
2020 | 1,8 | IVV | QQQ | VGT |
S&P | ナス | 情報 | ||
配当 | % | 1.84 | 0.74 | 1.11 |
リターン | 10年 | 13.3 | 17.9 | 17.4 |
5年 | 12 | 17.4 | 20.1 | |
3年 | 15.1 | 22.3 | 27.8 | |
1年 | 28.3 | 36.6 | 46.7 |
◇過去10年では1年当たり4%ほどS&Pより高いリターンだった
◇5年ほど前から情報技術がナスダックより高くなっている
<標準偏差は高い、その数値は>
VOO | QQQ | VGT | ||
標準偏差 | 3年σ | 12.1 | 15.0 | 16.1 |
これは一年後の下に振れる大きさが2σ(95%をカバー)を採用するとQQQで6%大きい、VGTで8%大きいことを表します。
「下落が激しいよ」といわれる正体を数字で表すとこれになります。
だからQQQ、VGTを取り入れると「分散」の他に「変動」も不利になります
高成長株のやりやすさの正体
1 含み益が溜まりやすい
リターンが高いことはそれだけ含み益は大きくなります。
過去10年は出来すぎだったので、そのまま今後も続くとは限りませんが、とりあえず将来のことはわからないのでS&Pより年4%上回っていました。
含み益が大きいことは大幅下落への耐性が付き精神的に楽に保有ができます
2 下落幅も大きいのでは?
そうですね。
2σを使うと1年後の下落の下限はそれぞれ
S&Pで 6%期待リターンー2X12=ー18%
QQQで 6%ー2X15=ー24%
VGTで 6%ー2X16=ー26%です。
S&PよりQQQで6%、VGTで8%下落が大きい計算になります
しかし仮に過去10年のリターンの差を適用するとその差は1年で
QQQで2%、VGTで4%に縮小します。
3 過去の数値での計算では1年半が分岐点
そうすると下落の下限がS&Pと同じになるまでにQQQで1年半VGTで2年かかります
もちろんこれは過去の数値で今後を保証するものではありません。
しかし傾向としてはそうなので数年後に追いつく確率は高いです。
→初めの数年を耐え抜けばあとは「含み益」の差は拡大する
と言えます。
高リターンの効果です。
高リターンは長期での将来の資産拡大に役立つのですが、副産物として「含み益」がたまりやすく保有に安心感を与えてくれます。
ただしS&Pに追いつくまでの数年間はS&Pより「保持力が弱い」ですから、全額を投入するのは賛成できません。
しかしS&Pの補完としてはぴったりなのではないでしょうか。
最初の数年を無事通り過ぎればリターンを向上させ、かつ含み益での安心が得られます
よくその割合を聞かれたりするのですが、年齢や立場によるので「ご自分で」というしかありません。
とはいえ大まかに言うと若い方ならVOO:QQQ:VGT=5:3:2くらいかなと思います
もちろんこれを自分なりにアレンジしてくださいね。
♧若い方って「投資期間が長く取れる」っていう意味ですか?という質問を受けたのですが、それに加えて将来の労働収入が大きく見込めることがあります。変動をカバーできます。
4 配当が少ないことも「含み益」が拡大しやすい一因
高成長株は配当が少ないです。グーグルやFBのように全く出さないところもあります。
だから株式からの現金の流出が少なくて「含み益」増大に貢献します。
ETFで見ると1年に1%ほどの差ですが、溜まれば大きくなります。
株主への還元は「自社株買い」で対応するので配当が出なくても株価が上昇して問題ありません。
配当収入に対する「割り切り」が必要ですが、アーリーリタイアするのでなければ労働収入がある間は必要はないです。
またリタイア後も立場次第ですが統計を見ると多くの方は投資より現金過多になってます
5 投資が拡大しやすい 買い増しが容易、高値で買ってOK
イデコ、積み立てNISAはある程度強制力があるのですが、自由部分は株価チャートを見ていると、上昇が続くと買い時が難しいです。
その点、高成長ETFにしろ個別株にしろ買い増しが簡単で幅広いことも素人・凡人にやりやすい、むしろ最大の長所だと思います。
下は非ハイテクの高成長優等生のNEEネクストラエナジーです
269.5ドル予想PER29.9 配当1.9%
こんなに順調に上がると「安値」を待って買う方式だと「買い場」がほぼありません
だから自己ルールで「10%上がったら買い増し」とする以外には難しいです。
もちろん下げたところはそれはそれで買ってOKです。
ハイテク大手のMSFTやVやMAはこのようなタイプのチャートが多いです。
だから買い増し方法を定着させれば「買い増し」が容易で投資が計画通りに拡大しやすいです。
これはそれらのETFであるQQQやVGTにも当てはまります。つまり
1 従来の安値で買う方法が使える
2 マイルールで「高値で買う」方法が使える
→方法が多いのでその分投資が拡大しやすい
高値でビビって買えない、安値は「まだ下がる」と思って買えないことが多い方にはピッタリあっているのではないでしょうか? ソースは私です。
以上をまとめると「高成長」への投資は
私達が長期間投資できることを利用した投資法
期間が長くなるほど、リターンと含み益の差が拡大します。
ただし最初の数年は「辛抱を覚悟」
といえます。
つまり私達が差し出すものは「長い投資期間」「貴重な時間」なのです。
といっても投資しないでも時間は過ぎていくので関係ないですがね。
機関投資家より有利に運べる
これは余談で、しかも憶測も入っています。
この方法を取る限り、つまり高成長株の永久投資という意味ですが、素人の方がプロの機関投資家より有利だと思うんですよ。
機関投資家の得意とする、情報力、行動力、分析力、知識なんかがETFを使うことで相殺できるからです。
逆に単年度決算の制約に縛られてしかも投資割合に制限があり、短期間での成果を求められるプロは「有利」とわかっていても、債券や高配当株の組入れを優先する必要があります。
変動が怖いからです。債券のほうがより確実ですから。
若い人の使う言葉で言えば「ブルーオーシャン」とも言えますね。ちょっと大げさですけど。
いかかでしょうか。数値化するとイメージと違う部分も出てきたのではないでしょうか
無理をせずに初めは個別株でなくQQQに投資していくのは賛成です。
なぜQQQかは分散がS&Pの次に優れているからです。
S&Pからの劣後が小さいということです。
長い記事をお付き合いくださいましてありがとうございます。
あなたの投資の参考になれば嬉しいです。一緒に勉強していきましょう!
ユーチューブで「ながら聴き」でどうぞ!
忙しい方のために「聞くだけでOK」の工夫をしています。どうぞ通勤途中やジムでトレーニングしながらお聞きください。チンギスハン米国株凡人投資家 - YouTube
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