S&Pインデックスはリターンと分散のバランスが絶妙で最強【だれでもできる米国株第17話】
今回は米国株投資の本命、S&Pインデックスについてです
前回ETFの調べ方の実務をやりました
そして今回は米国株投資の中心、基準となるS&Pインデックスに準じたETF投資の話なのですがこれがなかなか大変です。
なぜなら、S&Pインデックスほど不思議な存在はないと思うからです。
とりあえず、米国株を知るまでは日本ではその存在を知る人は少ないです。
NHKの放送ではダウとナスダックしか伝えません。
両者も重要な指数ですが米国株の動きを正確に表しているのはS&P500インデックスなのです。
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まず簡単に説明です
1 S&Pダウ・ジョーンズインデックスが算出しています。ダウと同じ会社が算出しているのですね。
2 米国のNYSEとかNASDAQとかに上場している米国の企業から時価総額が大きい代表的な500社を選び(厳密には多少多い)時価総額の加重平均を元に算出
3 S&P500以外にもS&P100とかいくつかの種類がある。しかしS&P500が代表として使用される。
4 この指数を基準に運用されるETF、投信は巨大で世界の上位5つのうち3つを占める。2020年1月26日現在
<ETF上位ランキング>
1位 SPY 314Bドル 34.5兆円 S&P500元祖年間管理費用0.4%
2位 IVV 207Bドル 22.8兆円 0.04%S&P500 アイシェアーズ
3位 VTI 143Bドル 15.7兆円 0.03%全米をより広くカバー、80%以上がS&P500と重なる
4位 VOO 135Bドル 14.9兆円 S&P500、0.03%手数料最安
5位 QQQ 91Bドル 10.0兆円 0.2% ナスダックの上位100社のETF
と1位2位4位を占めています、さらに3位のVTIはS&P系とほとんどが重なっているのでほぼ同じ動きをします。カバー率は広いのでどちらにするかはお好みで。
♧S&P500準拠のETFは有力なのが複数ありますが手数料最安のバンガード社のVOOで代表します。他も優れているので置き換えてお読みください。
QQQはナスダックETFはこれしか無いので重要です。メモお願い
S&Pインデックスほど初心者に軽く見られ、過小評価され、逆にプロに恐れられリスペクトされる存在もない!
何しろあの投資の神様ウォーレンバフェットが妻の資産運用は「S&P500インデックスでするように遺言」したほどです。ずいぶん物議をかもしましたね。
今回は早く個別株に取り組みたい方にもその前に読んでおいて欲しい内容です!
プロたちが作成する銘柄群の80%がS&Pを上回れないという有名なデータもあります。さらに5年ではその割合は90%にもなります。プロたちをしてです。
強さの秘密その1 自動的に有力分野にリバランスする仕組み
S&Pインデックスは米国企業上位500社を時価総額で構成したものですがそのシェアは毎日変化します。
それを地図で視覚的に見ることができます。下は過去1年間の上昇率と現在のシェアを面積で表したものです。
アップルの108%を筆頭にマイクロソフトの55%マスターカードの見にくいですが62%と驚異的な伸びが目立ちます。
◎ここで注目なのは米国では時価総額が大きい企業の伸びが依然として大きいことです。「ここまで成長してきたらもうそろそろ鈍化するだろう」と日本人の我々は思ってしまいますが、事実は違うのです!大企業病にはならないのですね。貪欲に稼ぎまくる!
そして現在IT分野は寡占化が進み収穫期に入り始めたところ。本番はこれからです。
ハイテクの伸びが大きい反面20世紀の主役だった石油企業エクソンモービルとかシェブロンとかのダウ企業はマイナスになっています。飛行機墜落のボーイングもですね。
このように刻々と市場で変わる評価を取り込んで毎日バランスを取っているのです。
この仕組が分散力ですね
だからもし個別株でS&Pと同等のリターンを確保しようとすると、この構成に負けないくらいアップルとかを買って置かなければならないわけです。
しかしハイテクをこんなに多くの割合で買うのってちょっと買いにくくないですか?
成長企業、成長分野にはそんなに「突っ込んで」投資できないことが80%以上の個別群が上回れない大きな理由です
◎成長企業をしっかり取り込むことにより分散とともにリターンも優れているのです
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リターンが優れている仕組みを具体的に見る
S&P500は2019年には31%のリターンを挙げましたがどの分野が伸びているのか見てみますね シエアはS&P時価総額に対する割合です。改編があったために一部分はデータがありませんので載せてません。
2020年1月25日現在 分野の伸びはヴァンガード分野ETFの資料より作成
分野 | シェア | 5年リタ | 1年リタ |
S&P500 | 100 | 11.7 | 31.5 |
情報技術 | 23.2 | 20.1 | 48.7 |
一般消費財サービス | 9.8 | 11.7 | 27.6 |
金融 | 12.9 | 11.2 | 31.6 |
ヘルスケア | 14.2 | 10.5 | 22 |
公益 | 3.3 | 10.4 | 24.9 |
資本財 | 9.1 | 9.6 | 30.1 |
生活必需品 | 7.2 | 8 | 26.1 |
エネルギー | 4.3 | -3.3 | 9.3 |
◇5年リターンでS&Pを上回っているのはハイテクだけである、他が悪いわけではない
ハイテクには情報技術の他にコミュニケーションセクターができた。
コミュニケーションセクターの2019年のリターンはS&Pとほぼ同じ31.1%でした。
→ハイテクが33%以下の株式構成はリターンでS&Pを下回っている確率が高い
これが実に多くのプロ、アマがリターンでS&Pに勝てない原因なのです。
ハイテクは敬遠する人が多い
初めて米国株の個別株を買う場合はハイテクを選ぶ可能性は低いです。
それは米国株に参入される方の多くが「高配当」ねらいだったりあるいは「優良株」狙いだったりするからです。
その場合はマクド、スタバ、コカコーラ、ジョンソンアンドジョンソンのような身近な銘柄や、ベライズン、T&T、石油、タバコなどが好まれます。
ハイテクは配当が低かったりなかったりするので選考されない確率が多いです。
株式投資の目的はリターンだけではないのでここでは優劣を論じることはしません。
しかしシンプルにしないと整理できないので便宜上まずはリターンで判断します。
それを踏まえてどうするかはあなたが決めてください。
ということでアマの場合も参加者の80%以上はS&Pに勝てないという過去のデータは正しいとなるのです。
もちろんハイテクを選考する人もいるでしょうが確率を言っているのです。
ハイテクを選ぶ人は今度はハイテクばかりの構成になることが多いです。
この場合は今度は分散が課題になります。
ここまでの結論
1 個別株を任意に好みで選ぶとハイテクの割合がS&Pを下回りリターンが下回る確率が高い。
ちなみにハイテク割合は情報技術の23.2%+コミュニケーションの10.4%=33.6%
2 分野ではS&Pを上回っているのはハイテクだけである。
そしてその上回り方は非常に大きい。
3 S&PETFへの投資でも十分攻めているのでそして十分なリターンを挙げているので個別株投資を急ぐ理由はない
4 さらに分散も自動的にされるので米国株対象では理想的な分散と言える
5 「リターン」と「分散」が高いレベルで両立できているのがS&Pのすごいところです!
→理想的と思える
なので米国株への投資はVOOまたはVTIだけでの投資で十分です。あとは他の視点での投資を追加するだけで良い。
♧VOOとVTIは80%以上が重なっているのでリターン、分散ともに大きな差はないです。分散面ではVTIがより広くカバーしています。日本ではVTIの分散を選ぶ人が多い感じです。「たぱぞうさん」はVTIを押してられるのでその影響ですかね?
私はVOOですがVTIを避けたわけではなくてたまたまです。しいて言えばバフェットさんの影響ですね。
バランスはS&Pで理想的だとするとあとはこれを基準に目的により
①より高いリターンのものを追加
②より配当が多いものを追加
くらいです。①は若い方、投資期間が長い方は取り組んで欲しいです。
一方リタイアまで10年を切った方、リタイアした方、私ですね(笑)なんかは配当収入は大きな魅力になります。
これらについては次回以降にします。
ここまで長い文にお付き合いいただきありがとうございます。
それではあなたの投資がよりうまくいくことを願っています。
今回の動画はこちら→https://youtu.be/Ke7SO7B3QRU
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