買い増しが日本人にとって最大の課題【だれでもできる米国株第15話】
日本人の最大の課題は「買い増し」が実行できていないこと!
前回マスターカードを例に出しました。
上がり続ける株は最初の投資だけでなく買い増すことが資産を増やす上で大事ですね。
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前回同様「安値で買う」のがデフォルトだった日本人にはこの方法が定着していないと感じます。
その原因と対策を考えます。
前回マスターカードを出したので今回はビザVの十年チャートです。
現在208ドル予想PER33配当0.6%です(2020年1月22日現在)
決済系銘柄を買っている人はマスターカードよりもビザの方が多かったでしょう。
業界のトップ銘柄ですから。
10年前の20ドルほどからやはり10倍ほどになっています。
動きはMAと同じですね。
さてここで質問です。
「おれは10年前にビザに投資して今では10倍になっているよ、すごいだろ?」
っていう人どう思いますか?
「すごい!」
「先見の明があるなあ!」
「成功者だ!」と
とだれもが思いますよね!
しかし場合によっては、というかたいてい当てはまるでしょうが、ここに日本人の投資の最大の原因があると思うのです。農耕民族の習性かもしれませんが。
「またもったいぶるいやな性格出てんなあ!早く、早く!」
はいそれは、せっかくのお宝株を発見して投資しながらなぜ積み上げなかったのか?
という残念な行動です。
全額を投資してお金が10年間1ドルも追加できなかった場合だけが例外になります。
株式投資は離陸時が一番難しい!
熟達者の場合は最初にバーンと多額のお金を投資できるかも知れません。
そして見込み違いならサッと引きます。
しかし素人投資家の大部分(99%以上)を占める凡人にはそんな芸当はできません。
そういうレベルに到達できるように努力するのはOKですが、とりあえずできません
だから初めは「おそるおそる」になります
そして、うまくいきだして「含み益が積み上がり」20%くらいの下落では大丈夫になってはじめて気持ちが落ち着き安心するのです。
そして「自分の見立てが正解だったことに満足して毎日の株価をニヤニヤしながら過ごすことになります」
おめでとうございます!
と言いたいところですが
「甘すぎる!」
と言わざるを得ません。
せっかく「見立てが正しく」株価の上昇でそれが証明されたのに「のほほんとニヤついている場合」ではないからです。
偉そうに言ってますが、私が十分にできてきたわけではありません
私も典型的な日本人の凡人投資家ですから。振り返ってそう思うのです。
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今回は買い増しができてこなかった原因とその対策を探ります
原因1 低迷した日本市場の影響
何回もこのせいにして申し訳ないですが平成の30年間低迷したことがやはり大きいです。市場が上がらないので「買い増し」の必要もなかったのです
下は日経平均過去30年のチャート(投資の森様のHPより)
むしろ円高などの下落が定期的にくるので「利益確定して売り抜ける」場所探しに忙しかったのです
市場から下げる前に現金を回収して「逃げよう」「逃げよう」という姿勢が主流だったのです。
その証拠に日本では「いくら儲かった」という言い方をします。
つまり過去形です。
現金化したもの以外は評価が下がります。
「今も投資中」と言うと、「ふーん儲かってるなら早く売ればいいのに」
と言われるでしょう。
これは日本最大級のトヨタや三菱UFJや三菱商事にしても同様です。
しかし米国の上記のビザみたいな株の場合は
「早く売ったほうが得」とはだれも思わないでしょう。
ずっと持ち続けるのが過去も現在も未来も正解になります。
これは米国の会社、市場全体に言えることです。
原因その2 量より質を重んじてきたから
次の2人の投資をどう評価しますか?
A 僕は百万円を3百万に増やしたよ
B 僕は3百万を5百万に増やしたよ
いかがでしょう?
全員がAさんだと答えるでしょう。
だって3倍に増やしているのですからね。
しかし答えは2人の持ち金を見てみなければわからないと思います。
どちらも持ち金が3百万だったなら私はBさんの方を評価します。
Bさんは持ち金をフルに使って2百万円の利益を生み出したわけです。ムダがないです
一方Aさんは3倍に増やすという快挙ですが、資金を生かしていません。
尖った投資で自信がなかったのかも知れません。
無条件でAさんのように率がいい投資を上位に置く、評価するのも日本の問題点です
株式投資は本来じっくりと、ゆっくりと大きく資産を増やしているのに適しているからです。
欧米の大富豪、財閥たちはそうやって巨万の富を今もさらに膨らませています。
市場から頻繁に出入りすることはありません。
もっとも投資の実務はお抱えの専門家がやるでしょうが。
私達もかれら大富豪を真似ましょう!
「ずっと市場にいて、着実な投資で、ゆっくりと大きく資産を増やす方法」です
「短期間市場にいて儲けて立ち去る」のがデフォルトだった日本人は変わらねばなりません
せっかち方式→大富豪方式です
「私は3百万から億を作った!」「10倍株はこうやって見つけろ」
といった投資雑誌や週刊誌に気をとられていてはいけないのです。
とはいえ欧米でもそういうのはあるかも知れませんね(笑)知らないので
買い増しは「率を下げる行為」なので日本では評価が低いのだと思います。
だから単発主義になる。
原因その3 「安く買う」のが基本だったから
これは前回書きました。
「安く買って高く売る」ことを基本としてきました。
買い増しするのはうまく行っている投資対象=株価は上昇している
なので高い株は投資対象から外れるのです。
次の安くて伸びそうな会社探しへと興味が移ります。
対策 成功はさらに積み重ねる
何兆円何十兆円という資産家が日本には少ないからかも知れません。
自分の会社の株式の評価額で兆円の人はいますがいわゆる資産を積み上げて来た人は少ないです。
これは「相続税」の制度が大きいと思います。
対策1 安全確実、鉄板の投資対象を基本に組み立てる
お金を市場に入れる時の最大の不安は「下がったらどうしよう?」です。
持ち続けられなくて売ることになれば損失が出ます。
投資する人に取って損失ほど忌まわしいものはありません。
精神的なやる気をそがれて毎日がゆううつになります。
幸せを求めて投資をしているのに投資が原因で「不幸せ」になるのは本末転倒です。
だから投資対象は「心配がいらないこと」が最優先の条件です。
S&Pインデックスは心配が要らない最強の投資対象!
その他先進国インデックスでも世界全体でも全米でも同様です。
個性にとぼしてくても、もっとリターンがいい会社があってもまずはこれを基本にスべきと思います。
その理由は「安心してお金が入れられる」=資金のムダがなくなる
ことです。
メインを確保して、その後でよりリターンの向上を目指すなら各種ETFや個別株の取り入れを「格別な長所」がある場合に限り導入すべきと思います。
格別な長所とはリターンではS&Pの1.5倍は必要がマイルールです
対策2 インデックスならドルコスト法が使いやすい
ドルコスト法という有名な投資法があります。
毎月5万円とかの決まった額を同じ対象に、例えばS&P投信に積み立てる方式です。
イメージはこちら
プロや熟達者の間では賛否の意見があります。
理由は最善とは言い切れない。です。つまり100点とは言えないのではないか?という高度なレベルでの議論です。98点だろう、いや97点だというわけです。
しかしこれだけははっきり言えます。
素人・凡人にとっては「限りなく最善に近い投資法」です。つまり最善ですね。
その理由は
「迷わなくていい」「しっかり投資ができる」ことです。
上の図を見れば、経験するまでは「谷底で一気に全部買えばいい」とだれもが思いますがそれができる確率は10%もありません。リーマン時をみると1%かも知れません。
理由はあなたが人間だからです。AIなら一気に確率が100%近くになるでしょう。
人間はリスク回避の本能があるので、市場が暴落していて全体が悲観に包まれている時=お金をさらに失いやすい時と判断して行動をストップするのです。
これは行動心理学として科学的に証明されています。
本能に逆らって行動できるメンタルを鍛えるのはアリですが、成果は期待できません
「強制力」がないからです。
「現金持ってるやつは全員アウト!すべて没収!」と強制されれば全員が株を買うでしょうが(笑)
ドルコスト法は一種の強制力です。ルールですから。
さらに証券会社で「毎月15日に5万ずつ」とか自動設定しておけば行動しなくて済むので成功率は高まります。
現地でドルで買いたい人に朗報2つ
1 S&PインデックスETFのVOO、IVVがネット証券で取引手数料が無料になりました。1株でも手数料負け、ロスがなくなりました。他はVT(世界)全米VTIも。
2 SBI証券では毎月定額でドルから買える設定ができる。(他の会社はわかりません)
VOOは現在300ドルほどですから5万円だと1株しか買えずあまりがでます。
これは翌月に持ち越して7万円にして2株買うわけです。300ドル刻みにはなりますが、長期でみれば1月の差なんて問題なしです。
対策3 インデックスならいつ買ってもいい
20年以上の長期で運用する場合は変動は収束しますからどの時点での投資も報われます
だから「お金がある時に全額投資」の方法も使えます。
これは節約にも使えます。
お金があると使ってしまう人には有効です。持ち金は必要額を残してすべて買えばいいわけです。お金の動きが激しい自営業の方にはオススメです。
手数料無料は効いていますね!
インデックスの管理費用は最低水準!
代表的なS&PインデックスETFであるVOOは0.03%IVVは0.04%です。全米VTIも0.03%
20年でも0.6%と一日の動き分にしかなりません。全世界VTも0.08%です。
先進国はVOO60%+VEU(米以外先進国日本入)40%で合計0.04%
今回の結論
資金を市場に入れる=買い増しは
1 安心の投資対象S&Pインデックスを基本にしよう!
先進国も同様です。
2 精神的負担が少ない「ドルコスト法」をフル活用しよう!
3 インデックスならいつ投資しても長期投資ではOK
4 お金がある時に入れる「有り金全部投資」も有効。無駄使いも防げる
5 手数料ゼロでコスト負けしなくなった。
♧余談 昔力士へのインタビューで持ち金はすべて切手に替えているという力士がいた
お金を持っていると兄弟子に取り上げられて飲み食いに使われるので切手が趣味と宣伝してお金を残したという話。切手よりVOOの方が保管が楽です(笑)年2%ほど配当もつきます
いかがだったでしょうか?
私達の年代ではほとんどの人、多分99%以上がうまくできなかった買いましですが、あなたはうまくやってくださることを心から願って記事を〆ます
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