チンさん凡人投資家

投資歴40年ですが達人ではないです。特別な才能がない普通人がリタイア後の資産を株式投資で失敗なく確実に作れる方法を発信しています。お金のかからなくて楽しいリタイア生活も発信中。

変動幅の予測は標準偏差でわかる【だれでもできる米国株第10話】

どのくらい上下が激しいかが前もって分かれば便利!

投資ってリターンばっかりに目が行くけど、激しく上下する株は素人・凡人には扱いにくいですよね。

ところでよく凡人・凡人って言うけど勘弁してください。

「自分は能力がチンギスハンよりはあるわ」

と思われる方は、「凡人でもこのレベルはできるんだな」

というくらいに受け取ってください。

 

私にできないことでもあなたはできます。

そして私にできることはあなたには必ず実行できます。

 

そのための私は便利な試金石なんですよ。つまり年寄りも利用価値アリってことで。

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標準偏差のことを投資ではリスクと呼んでいる

今回は標準偏差のお話です。前にもちょっと触れたけどよくわからないって声もあったので初めからやります。ご存知の方はスルーお願いです。

投資信託のHPを見ているとリスク、標準偏差という項目があります。

「リスクってやっぱり投資ってこわい!」って思っちゃうけどこのリスクは日常生活で使うリスクとは全く関係ないです。

単に変動幅が大きいか小さいかというだけです。安心してください。

 

統計学上の言葉なんでとっつきにくいです。

学校で模擬テストなんか受けた時に偏差値ってありましたよね。

あれです。あの元になっている数字が標準偏差です。

 

下は正規分布という形、習ったことあるよね。

全部がこうはならないけど基本的な形。

f:id:tingisuhan:20200117172345p:plain

実際はもっと尖ったのやなだらかなのがあるね。

面倒だから簡単に行くね。

全体の平均から上と下にずれるずれ方が計算されている。

つまり平均から上に32%の幅でずれるズレを「標準偏差」って言うんだ。

ギリシャ文字のシグマσを使うね。

だから標準偏差が小さい分布は中央にぎゅっと集まった分布

図だとしたの尖った方、逆になだらかに分布すると標準偏差は大きくなる。点線の方

「正規分布のいくつかの形」の画像検索結果

株式だと平均値には期待リターンを使う。

例えば今年の期待リターンを米国株で6.5%標準偏差14.3を使うと(JPM2020年予測より)

1σ振れると

上に振れる場合 6.5%+14.3=+20.8%までに収まる確率が68%あるということ

下に振れると 6.5-14.3=-7.8%が同じく68%。

 

でも68%というのはあんまりカバー率が高くないです。かなり外れる感じ。3回に1回は外れます。

そこで95%の場合をカバーするσの2倍の2σを使って計算すると

2σでは

上振れは

6.5+2X14.3=+35.1%

下振れは

6.5ー2X14.3=ー22.1%

95%ですからこれでも20回に一回は外れます。

 

それもカバーしてガチガチに安全をみると99.7%をカバーする3σを使います

下振れの下限を見ると

6.5-3X14.3=ー36.4%です。

これだと1000回のうち3回しかこの範囲を外れません。

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標準偏差でリターンの対上下動コスパを知る

実際に計算する必要はないです。しかしこの公表されている数字をみればどのくらい上下動が激しいかを知ることができます。

MY INDEXさんのページを見ると過去20年の期待リターンと標準偏差が載っています。世界の主な投資資産リターン (毎月更新) - myINDEX

整理したのがこちら、リターンは年率です。

MYINDEX  期間 日本株 外国株 日本債券 外国債券 外国不動産
リターン 10年 8.9 12.2 1.9 4.1 12.3
  15年 4.7 8.3 1.8 3.6 7.3
  20年 1.7 5.8 1.8 5.6 11
リスク 20年 17.2 18.6 1.9 9.5 20.2

 応用例

1 日本株と外国株では標準偏差はそんなに変わらないのにリターンは外国株が優れている。日本株はコスパ悪し。この数字からはですが。

2 外国債券はここ20年では標準偏差が低くてコスパが良かった。

♧過去20年ではITバブル崩壊とかリーマンショックがあったので株式は大きく揺れた。債券は比較的揺れが少なかった。

3 外国不動産(リート)はリターンも高いが標準偏差も高い。でもコスパは良かった。

<もっと詳しく株式を見てみると>

 ヴァンガードのETFから調べた各資産の標準偏差はこちら

         
標準偏差 世界株 先進国株 米国株 新興国株 米中期債券 米リート
3年 11.5 11.8 12.1 13.6 4 12
5年 11.7 12 12 15.2 4.1 13.6
10年 13.3 13.3 12.4 17.2   15.4

ここ10年は変動が少なかったのですね。上記の20年より格段に標準偏差が小さくなっています。

1 米国株は世界より標準偏差が小さい→上下動が小さい。意外ですね。

2 新興国株は変動が大きい。これだとかなりのリターンがないとコスパ悪し。

→過去10年の成績では一番良くない→避けたほうが賢明

3 リートは株式より高め。

年ごとの標準偏差と期待リターンは米大手銀行のJPMが毎年リスクとリターンの表を、日本円、米ドル建て、ユーロ建てで発表しています。金融機関も利用しているようです。2020年版はこちら→

https://www.jpmorganasset.co.jp/jpec/ja/promotion/ltcma2020/index.html

 

いかがだったでしょうか?

この数字だけで決めることはできませんが目安にはなりますね。

「リスクが高い」と言われるとビビりますが、単に「上下動の幅を表す統計用語」と思えばこわがる必要は全くありません。

むしろしっかり活用しましょう。期待リターン、標準偏差ともに取る時期によって大きく違いますから大まかな目安くらいに受け取ればいいと思います。

 

素人は上下動に弱い

株価が大幅下落すると強いストレスというかパニックになります。

そしてストレスから逃れるために不必要にも「売ってしまう」のですね。

 

長期投資、永久投資が素人・凡人には最適な投資であることは前回まででわかりました

だから途中やめして売ってしまうことは絶対にしないようにしたいです。

 

精神力を鍛える方法もあるかも知れませんが、ストレス耐性は人それぞれです。

 

前もって自分の投資がどのくらい下落する可能性があるのか3σで計算しとくのもいいかもです。

あるいは標準偏差が特に高い、コスパの悪いものは避けるとかしておけば「暴落」でも耐えられます。

 

今までおすすめしてきた「先進国インデックス投信」は合格です。

 

あるいは標準偏差的には米国株はより低いことがわかります。

米国株の方がリターンが高いけど標準偏差を高めるわけではないんですね。これも米国株がオススメの理由です。あとは分散をどう考えるか次第ですね。

 

どうでしょうか? 

自分の投資の安全性を数字でも確認するのは暴落時にも売らずに耐えられる安心感につながります。

 

あとがき

このシリーズは凡人のわたしがあなたとともに「初めから投資の基礎を確認、勉強」していくシリーズです。どうぞ「ここが知りたい」「ここを書いてほしい」とかのリクエストもコメントください。

今回の動画はこちら→https://youtu.be/vanU32aP9cc

 

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www.tingisuhan.com