買いが難しい一年だった、「安く買う方法」「高く買う方法」あなたはどちら?
振り返ると買うタイミングが難しい年でした
結果を見れば米株は3指数ともに最高値圏で終了するでしょうから「良い一年だった」と言えるでしょうが、個人的には不満の方が多いと思います。
その理由は
「もっと仕込んどきゃあ良かった!」「保有が少なすぎる!」
という方が多いのではないでしょうか?
あなたはどうでしたか?
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買いのタイミングはいつだったのか振り返ってみます。まず「安く買う方法」で
S&Pの2年チャートです。
思い起こせば昨年の今頃は株を持っている人は「先が見えない」状態でした。
FRBの方針・姿勢が見当がつかなかったからです。
結果を知っている私達は、その後FRBが柔軟姿勢に転じて「利上げを中止して」「利下げを3回して」さらには「月に600億ドルの量的緩和」を来年の6月までする。
ということを知っています。
しかし昨年の今頃は誰一人、パウエルさんと数人を除いて、知らなかったのです。
その前の15%ほどの急落が頭にこびりついていました。
だからその後の年末の反発で買える人は「一定のルール・信念」を持っている人以外は難しかったでしょう。
テクニカルな反発の可能性もあったからです。空売りの買い戻しとか
中にはFRBの動向を察知して買いを入れた機関投資家はいるかも知れません。
1月4日にすべてが変わった!
アップルが大幅下落してムードに水を指しました。
そしてその夜に「パウエルさんが金融緩和」「利上げ停止」を公表しました。
今考えればこの時が最高の買い時でしたね!
とはいえ、先月までの大幅下落を見せられている素人・普通の投資家にとっては「すぐ動けるムード」はないですね。「内角攻めのあとの外角低め」ですから手が出ません。
私も1月7日の月曜に投信を10本買い、定期観測用としました。
他にも買いましたが普段の定期買いの規模です。
つまりとても小さかったのです。
こういう時に「しっかり買える」メンタルや行動力をつける方向性もある
この時の「仕込み」ではプロとアマの差はとても大きかったでしょう。
日頃鍛錬しているプロがこの好機を見逃すはずがないからです。
さらに今改めてチャートを見るとパウエルさんの発表の前からかなりの上昇をしています。プロからすると「正式な発表」前から予想されていたのでしょう。
「情報や機動力」に重点を置く方はこういう時期でのチャンスをものにしたい気持ちがあるのでしょう。
しかしこの方法がうまくいくには多分に「個人の資質」によると思います。
万人がうまくは行きません。むしろ確率としては10%は下回るでしょう。
だから素人がこの時に大きく買えなくても「そんなに責められる」ことではないです
とはいえ魅力的な方法なので多くの記事や書物があります。
「自分に可能性があると思う」方はチャレンジされるのはいいことです。もし向いてなくてもいい方法がありますから。
大事なのは「自分に合った方法を早く見つけること」です。
今年の1月からの教訓は
あとから見れば絶好の機会でも「その場にいる当人はその気になれない、行動できない」ことです。
これはリーマンショックなどの暴落のチャートを「このとき全力で買えば楽勝じゃん」と誰もが思うことが実は、実際には実行が難しい、できる人は非常に少数なことがわかる事例となりました。
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安くなった時期に買うとしたらいつがチャンスだったか?
下は年末からのS&Pの1年チャート
その後順調に上昇します。このとき買うのは「上昇中での買い」です。あとに書きます。
下落したのは5月のトランプによる「米中貿易戦争の激化」を嫌気してのものでした。
貿易戦争激化の下落は8月はじめにも起きています。
「これはトランプの作戦で貿易戦争はひどくはならない」ことを見切っていれば大きな買い場でした。
しかし「どう動くかわからない」のが政治なのでこれを見切るのは困難です。
10月からの新関税発動を前にも下げています。
結論
イベントや政治を材料に買うには(売るには)情報と分析力、資質がいります。
さらにそれが当たるとは限りません。
→普通の素人には難しい
しかしこれも魅力的なので多くの情報や記事があふれます。
安いタイミングで買う方法は心理的抵抗や高い能力や運が必要だ
と今年の相場からは結論付けれます。
つまり普通の素人が安い時期に買えなくても何ら問題はないです。
機動力の高い人はむしろ売った人が多いと思う
長短国債金利の逆転などから来年の「景気後退」入りを予測する人が多くなり、長期金利は1.5%を割りました。
こんな中では、能力が高くしかも機動力がある方は夏から9月末までは「利益確定」の売りを実行する方が多かったと思います。プロとアマでは上級者に。
「高く買う方法」なら確実に買えた!
長期低迷した日本市場では安く買おうとするのが一般的ですが、右肩上がりの米国では「高く買う方法」も広く行われています。
俗に「順張り」という方法です。
馴染みがないと、そして慣れないと「好きになれない」手法ですね。
何しろ「高く買う」というのは日常生活ではないことだからです。
いきなり米国株に参入される方は抵抗がないかもしれません。
具体的にはどんな方法?
100ドルの株があると「10%上がれば買う」というルールで買う方法です。
10%は5%でもOKです。下はMSFTの2年チャート
ちょうど1年前が100ドルでした。
厳密には%ですが10ドル刻みで行くと110ドル、120ドル、130ドル・・と目標を超えるごとに機械的に買っていきます。今158ドルですから5回ですね。
下げている時は買いません。
これが「高く買う」方式です。
もちろん決算チェックなどは必須です。
♧怠っても決算が悪ければ株は下落するので問題はないですが
この方法のいいところ
1 特別な能力がいらないこと
2 特別な情報がいらないこと
3 確実に買えること
4 リスクが増えないこと
4が意識されていないです。
くどいですけど説明です。スルーOKです。
10%の損切りラインを設けているとするとわかりやすいのでそうします。
100ドルで買った株が110ドルに上がった時点で前回買った分のリスクはゼロになります。
だからリスクは新規に買った分だけになります。
120ドルに上がると110ドルの分のリスクはゼロになるので常に抱えるリスクは一定で増えていきません。
♧くわしい計算だとこのとき100ドルで買った分については含み益が発生するのでさらにリスクは小さくなる。細かい計算はここでは省略します。
ドルコスト法と似てなくもない
「面倒なことしなくてもドルコスト法でいいのでは?」と思いますよね。
そうです、ドルコスト法でもある意味構いません。
ただインデックスETFなんかだとドルコスト法でいいのですが、動きの激しいハイテク株なんかだと思わぬリスクを抱えます。また将来上がるという保証もありません。
「リスクを限定しながら投資」を積み上げるにはこの方法が適しています。
「新高値更新」で買います方式もある。
なぜこの方法は日本人に人気がないのか?
1 日本市場では「押し目買い」が一般的で、推奨されます。私もこれに慣れています長期に上がってこなかったので「安く買う」ことが求められたのです。
2 バフェットさんの影響
バフェットさんのような「バリュー投資家」はこのような単純な方式では買いません。
企業の価値と株価を比べて「過小評価されている会社」の株を買ったり買収します
バフェットさんの人気は絶大なので、米株といえば「バフェット氏」のやり方を真似ようとする人が多い。
→高く買う方式は「ばかげている」と思われる。
♧企業の価値がわかるのは素人ではほぼいないと思うので現実的ではない。
3 高配当株から入る人がほとんどだから
たぶん80%くらいの人は「高配当投資」で入ってきます。
高配当株は成熟産業が多いので株価が急上昇することは少ないです。
なので「上がる心配」よりは「安く買う」ことがポイントになります。
安く買えば「配当利回り」はより高くなるからです。
だから「高配当株投資」では「順張り」よりは「逆張り」が基本戦略になります。
「高く買う」方式を取り入れる必要はあるか?
1 インデックスのドルコスト法では必要なし
2 高配当株投資でも必要性は少ない
右肩上がりの株を仕込む時には必要
下は300ドルに到達したMAマスターカード
押し目買いでは「買い増し」が難しい銘柄です。
つまり「割安」で仕込むのは難しいです。
「割安」の基準がないので頼りは「リスクを過剰に抱えない」ことが大切になります。
素人・凡人では「含み益」が不安感を消してくれる
これらの投資では「リスク」を「含み益」が相殺します。
含み益が積み重なりリスクがなくなるとPERが高くても安心して保有できます。
だから「利益」目的で「売る」行為は慎まなければなりません。
せっかくの「含み益」が消えて再参入が難しくなるからです。
下はMAの10年チャートです。
このチャートを見ても「利確すべきだった」と言えるでしょうか?
10年で配当抜きで15倍になっています。
一旦売ってから前回の投資量を確保するのは心理的には至難です。
さらに税での流出もあります。
今年の米株の買いの結論
1 安く買うのは難しい一年だった
2 高く買う方法なら買えたが日本人には一般的ではない
→若い方で「個別株」「成長株」を手がけようとする方はぜひマスターしてください。
またしても長くなりました。長い記事をお読みくださりありがとうございました。
それでは皆様の投資が成功しますように心から願って記事を締めます。
補足 「たぱぞう」さんに「買い増し」の記事があります。いつものように「濃い内容です」あわせて御覧ください追加投資のタイミングをどう考えるか - たぱぞうの米国株投資
今回の関連動画はこちら→https://youtu.be/d5cCZGYHXMY
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