ハイテク嫌いの原因、ITバブルと現在の違い、個別とVGTとの比較
引き続き米国株の基礎固めシリーズです
昨日の「分野選びを間違っていないか?」では全体の23%を占めるハイテクがS&Pより80%高いリターンなので、ハイテクの割合が23%より少ないとパフォーマンスはS&Pに劣りやすい。まででした。長いので目次を付けました。
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- 引き続き米国株の基礎固めシリーズです
- ハイテク嫌いの人は実に多い
- ハイテクを嫌いな理由
- 1 内容が理解できない、しにくい
- 対応はどうする?
- 1 ハイテク一辺倒、まるごと投資は危険
- 2 リタイアまで10年を切ったら割合縮小を検討
- 3 逆に言えばそれまでは計画的、部分的、リスク考慮なら攻めていい
- 4 個別ハイテク株は割合限定でリスクを限定する
- 5 ハイテクETFのVGTをフルに活用する
- 6 VOO、VGTのリスクは個別株よりも格段に低い
ハイテク嫌いの人は実に多い
しかし勤勉で堅実な性格の日本人で見ると「ハイテク嫌い」の割合は非常に高いと思います。私もそうでした。
米国株投資に大きな影響がある「バフェット太郎」さんなんかの影響もあると思います。「ハイテクを避けるためにあえてS&Pインデックスは買わない」というお考えだったからです。
もともと農耕民族の日本人は「収穫」が好きなので「配当狙いのインカムゲインが好き」なのでしょう。気性にも合っているようです。
とはいえ、リタイアに向けて「最短距離」で資産を作らねばならない方も多く居ます。
目的のためには「好きだの嫌いだの」と贅沢は言ってられません。
今日は私達の「ハイテク嫌い」の実態を明らかにしてその対応を探りたいと思います。
経験が浅い方、これからの方はじっくりと、長い方はサラッとお読みください。
ハイテクを嫌いな理由
1 内容が理解できない、しにくい
製造業などのように理解が簡単ではありません。
一部の方を除いて内容はほとんど理解できません。
2 移り変わりが激しい
技術が時代遅れになっているのかどうかが一般人にはわかりません。
IBMが下落していた時も業界での技術力の競争力がわかりませんでした。
これから先も、どんな分野が成長するのか、また衰退するのかがわかりません。
またその変化もとても短期間です。
3 割高な印象がある
PERがS&Pやディフェンシブ銘柄より高めです。これは業界での地位を確立、維持するために先行投資が大きな負担になっているからです。利益より先行投資優先です。
サース銘柄のように利益が全くなくて、むしろ赤字でPER自体が算出できない銘柄が多くを占める分野さえあります。
3 配当を出さない、少ない
利益に対して投資の比重が大きいために配当は少ないかまたはゼロです。
会社側は「必要な投資だ」と説明しますが、投資する側としては「いくらかの投資した証、配当」は欲しいのが自然な感情です。
4 乱高下する印象がある
PERが高い、配当がないために下落は大きいものになります。
決算で未達でもしようものなら10%を越える下落も珍しくありません。
こんな目に一度でもあえば、素人がビビるのは当然です。
5 かつてITバブルとその崩壊を演じた歴史がある。
1995年くらいから「どんなIT企業でも買われる」「.comがついていれば中身はどうあれ買い」といういわゆる「ドットコムバブル」があり2000年にそのバブルが崩壊しました。
この印象は今でも強烈に残っています。
代表的な銘柄でダウ銘柄のシスコシステムズがあります、【CSCO】の25年チャートを見てみましょう
1997年から3年で10倍ほどになっていますね。その後大暴落。
現在でもダウ銘柄でPERはS&Pと変わらない普通の銘柄?になっています。
2000年前後を除けば順調な成長といえるチャートです。しかしビビるのに十分なチャートですね。
シスコは超大型銘柄でバブルを演じた代表であって小型株で何百倍、何千倍の株はそれこそ山程あります。
6 現在とは状況はまるで違う
当時のハイテクはほとんど稼ぎはなくて「期待だけが大きい」ちょうど今のサース銘柄のようでした。だからPERも100くらいが普通で現在とは全く違います。現在はMSFTでもPERは20台ですしアップルはS&Pよりも低いです。
しかし一緒くたにするのが好きな人は多いのです。
「ハイテクとしてのITバブルの状態を知りたい」というリクエストを受けたのですがVGTは2004年組成ですのでまだこの時点ではありません。
やや近いナスダックとの比較チャートで見てみましょう。
上からナスダック、ダウ、S&Pです。ナスダックが731%ダウが432%S&Pが401%のリターンです。(配当抜き)
そして肝心の2000年前後ですが、ナスダックの山の激しさが突出しています。
ダウはハイテクが少なかったのですね、この時点では、なのでS&Pの方が影響を受けています。
この時にウォーレンバフェットのバークシャーはハイテクを全く保有しておらず「ITバブル」で無傷でした。このことが彼を神様であり続けさせ、また大きく取り上げられて私達の投資にも大きな影響を与えています。
しかし冷静にチャートを見てみるとその後もナスダックは伸び続けて「売らずに保有していさえすれば」他の2指数よりも優れたリターンになっています。
VGT(米国情報技術セクターETF)発足以来の3指数との比較チャートはこちら。2004年からです。
2016年の後半からナスダックとの差が顕著になっています。
ナスダックにはハイテク以外もバイオとかアマゾンとかありますからね。
これを見るとリーマン時は他の指数と比べて悪くはないですね。
これはリーマンが「金融ショック」だったことが関係しています。
次回のショックが何型かはわかりませんのでこのデータで安心は禁物です。
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対応はどうする?
1 ハイテク一辺倒、まるごと投資は危険
いくらパフォーマンスがいいと言っても、欠点もあるので全部をハイテクに投資するのは素人には「危険」と思います。
それに意識しなくてもS&Pを買っておけば23%は自動的に組み込まれています。
2 リタイアまで10年を切ったら割合縮小を検討
安定を目指す時期、配当目的になったら少しずつマイルドに転換した方が無難です。
とはいえ今の投資を売る必要はありません。
イデコ、つみたてNISAの受け取り、退職金、その他の現預金からの新規投資分で調整が十分できるからです。
♣リバランスの方法の2つめです。1つ目は売って買い換える方法、2つ目は新規投資で調整する方法。
割合を増やす部分は①全世界②先進国③米国S&P④ハイテク以外の分野ETFで「パフォーマンスより配当狙い、分散狙い、安定狙い」になるでしょう。
3 逆に言えばそれまでは計画的、部分的、リスク考慮なら攻めていい
投資を大きく増やす段階では「最低S&Pインデックス」で取り入れたいものです。
ハイテクを避けてもS&Pと遜色ない分野ETFはありますがレベルは高くなります。
4 個別ハイテク株は割合限定でリスクを限定する
個別の場合はハイテクの激しさに加えて個別株のリスクも他の分野以上にあります。
また下落時の下げ幅は大きいです。
損をする可能性がある金額を「リスク」と呼びますが(わかりやすく言えばです)
大幅下落で手放す可能性は他の分野より明らかに大きいので「リスクは高い」と言えます。
また「◯◯ショック」が来た時に保持できるかはわかりません。
そうなると目も当てられません。
日々の暮らしや仕事に影響が出ます。
だから全体の割合は自分自身で「ルール」を作って「無制限なリスク」を抱えないように用心が必要です。
具体的には普通レベルの人であれば、ハイテク個別は全体の4分の1くらいでがまんするのが安全と思います。あくまで目安です。また熟達者は別です。
5 ハイテクETFのVGTをフルに活用する
ハイテクの高リターンはVGTでも取り込めます。VGTよりいい個別は確かに多いですがVGTの利点もまた多いです。♣VGTは正しくは情報技術セクターETFです。
とりあえず、VGTとその構成上位5社AAPL、MSFT、V、MA、INTCインテルとの5年の比較チャートです。
上からMA、MSFT、V、AAPL、VGT、INTCです
インテル以外はVGTを上回っています。
これを見るといかに米国の巨大ハイテク企業の伸びが大きいかの確認にもなります。
アップルの比率が17.5%と高くアイフォンだのみなのでVGTを嫌う人もいますがPERも低く配当もあるので十分に役立っています。PERはインデックスより低いです。
これを見るとVGTよりリターンの高い個別株に目が行きます。そして買いたくなります。しかしその前に次のことを織り込んでください。
6 VOO、VGTのリスクは個別株よりも格段に低い
売って損をする額をリスクと言いました。
だから売る必要のないS&Pのリスクはゼロになります。(今後も売らないことが確かなら)
VGTはVOOよりは劣りますがリスクは小さいです。
「それなら個別だっていっしょじゃないか、マイクロソフトは永遠だ」というかも知れません。
しかしかのIBMだってかつては「永遠」と思われていたのです。
個別株に「絶対」「永遠」は難しいです。
絶好調のVやMAだって新しい無料または安い決済システムが普及すれば安泰ではありません
パフォーマンスは個別に劣る場合もあるもののVGTとしての長所もまた十分にあるのです。
おやっ、長いのはいつもですが、長くなってしまいました。
今回は以上です。
それでは皆さんの投資がうまくいくように心から願っています。
追伸 コメントを頂きました。
ご返事
コメントありがとうございます。
VTIで全く問題ないと思います。違いはVOOが500社なのに対してVTIが3600社とより全部をカバーしている点です。リターンもほぼ同じですし好みの問題と思います。
どちらも今度3証券で手数料が無料になります。1株買いができますね。ますます魅力が増えました。
今回の内容に関連する動画は→https://youtu.be/aVevlSSbx7Q
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