【香港デモ】直接支配より間接支配の方がメリットが大きい、清の朝鮮支配に見る
香港の民主化運動、デモがなかなか収まりません
香港市民が中国政府の直接統治を嫌っているからです。
2019年8月17日(土)
スポンサーリンク
昨日別ブログで書きました【日韓関係】敵対感情の強い国と友好国にはなれない、清と朝鮮を歴史的に見る - 令和次郎ニュース
朝鮮族に蔑視され嫌悪されていた満州族は2代ホンタイジが武力制圧のあと間接統治形式(冊封体制)で清末まで統治を続けました。
誠に的を得た方針だったと思われます。そのメリットは
1 明・日本との交易を利益を得られる。
独立国なので明とも交易できました。清は間接的な交易ができたのです。
2 朝鮮から搾り取った。
ここまでやるかというくらいの搾取を行いました。金、銀、牛、豚から美女まで貢納させたのです。特に美女=貢女の負担は大きく毎年3千人の女性を清は取り立てたそうです。
♣人種的には朝鮮族もツングース系がかなり入っているとされ満州族の好みの女性が多かったと言われる。満州族の男性は好んで朝鮮族の女性を婢として抱えたそうだ。十人くらい抱えるのは珍しくなかったと言われる。
下はいやいや連れて行かれる貢女の図
一方モンゴル系は王族、貴族の正妃になることが多く、満州族・モンゴル連合政権と言えた。
日本でも大ヒットした「奇皇后」は貢女だったそうです。主演のハ・ジウオン。彼女は皇后になります。時代は違って献上先は元ですが。いやおきれいですね。
スポンサーリンク
強烈な反抗をした朝鮮は模範的な属国になった
ホンタイジによる1回目の武力制圧を受けて「兄弟の関係」を結んでも李氏朝鮮(正式には朝鮮、以下朝鮮)は抵抗をやめずに陰で満州討伐軍を編成していました。
清2代皇帝ホンタイジ、まだ満州地域だけで北京には入っていません。
2回めの討伐で「君臣の関係」を結び、完全な属国となりました。
下は三田渡でホンタイジに三跪九叩頭の礼で降伏する21代朝鮮王 仁祖の銅版画
反清感情はなかなか消えませんでしたが、明が滅びるとやがて朝鮮は模範的な属国になったのです。
4代皇帝康煕帝は朝鮮の献身に満足して表彰しています。
ホンタイジの戦略は正しかった
といえます。その後も朝鮮は対馬藩を経由して日本との貿易を続けます。
臣下にならないと貿易をしない建前の清としてはそれ以外には日本との交易はできなかったです。
琉球も実質薩摩藩が、つまりは幕府が支配していましたが同様に中継貿易をしました。
日本領ではまずかったわけです。
朝鮮の中では激しい派閥抗争があり、両班の厳しい支配が続きましたが清はその問題にさらされることなく「うまい汁」だけ吸い続けたのです。
清は開祖ヌルハチから頭がいい君主が続きました。ホンタイジは戦に強いリーダーですが、商売人でもあったようです。
香港を間接統治したほうが中国の利益は大きい
さてお気づきでしょうが中国と香港の関係です。
香港は中国領ですが現在は自治を許されておりその期限はあと28年です。
その後を香港市民は不安に思っており世界もそう思っています。
期限がついていますから投資もしにくいです。
シンガポールと双璧でしたがすっかり差を付けられてしまいました。
28年とかケチなことを言わずに永久に自治を認めれば話は全く変わってきます。
中国の法律や制度には馴染めなくても香港では商売したいという人も多いからです。
現状は香港の金持ちも海外に投資している、資金を逃している有様です。
李カシンは中国政府にすっかり嫌われてしまいました。かれは投資先に中国や香港ではなく英国を選んでいるからです。
李カシンの動きは世界の資本家の気持ちを代弁しています。
わからないのは中国共産党幹部だけです。
かれらは経済的利益よりも精神的利益を優先しているようです。
だから早く完全に自分のモノにしたいのです。野暮ですね。
しかしそういう考えなのだから仕方ないです。
ホンタイジにわかったことが習氏にはわからないようです。
香港を活かせないようなら中国の前途も暗い
過去の中国の王朝には商人を上手に生かしてきた王朝があります。
遊牧民系は交易を重視します。満州も同様でした。
だから元とか清は商売がうまいです。
中国が世界の商人、資本家を重視して生かす日はくるのでしょうか。
以上です。ここまでお読みくださりありがとうございました。
下をクリックして応援いただければ有り難いです。よろしくおねがいします。
スポンサーリンク