中国は精神重視で経済重視の米国とは今後差が開くと予想
こんにちは
2019年7月15日(月)海の日で祝日記
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中国習近平の精神性重視政策はうまくいくか?
戦後の中国の経済政策を振り返ります。
1966年から10年に渡って中国全土に吹き荒れた「文化大革命」により中国経済は壊滅的な状況に陥ります。
経済オンチ&経済気にしない毛沢東の面目躍如といったところです。
かれは経済も人民の命も全く気にかけない稀有な能力の持ち主です。
自己存在感が示されれば満足だったのです。
6千万人の人民が餓死したと言われています。(数については諸説あり)
道具に使われたのは例のごとく「共産主義」です。
1 鄧小平の経済政策・・・金重視、格差広がる
客家出身の鄧小平は「思想より金」の精神で経済の立て直しを図ります。
曰く「白い猫でも黒い猫でもネズミをとる猫はいい猫だ」
文革で痛みきり、疲弊の極にあった中国ではすんなり受け入れられます。
それからは江沢民、胡錦濤の時代を通じて経済重視の時代が続きました。
中国経済は飛躍的な発展を遂げて「世界の工場」の地位を得ました。
農村では万元戸が生まれ(今となっては信じられないくらい低い数字だが)都会ではマンションの値上がりが続きました。現在では東京より高いのはザラだそうです。
株式市場も上海、深センと開かれ中国企業の時価総額は大きいです。銀行では現在でも上位を独占しています。トップは中国工商銀行。
日本にも大挙して到来して想像外の購買力を見せつけました。いわゆる「爆買い」ですね。日本にも恩恵はあったのです。10万円の炊飯器が飛ぶように売れましたからね。
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2 資本主義は効率はいいが格差を生む
文革の焼け跡から立ち直る最短の方法で駆け上がりました。
そして上海などの沿海部大都市の多くが大きな富を蓄えるのと逆に農村戸籍の農民たちは置いていかれたのです。
農村戸籍は一種の身分制度です。
資本主義では住んでいる場所と教育レベルが富を左右します。
農村部は教育でも大きなハンデを受けました。
文革が終わった1976年以降続けてきた発展政策で格差は天文学的になったのです。
3 高官の汚職の規模は兆を越えた
摘発された党幹部の汚職の金額は驚くものでした。1兆円を越えたのです。
また遼寧省の小さな市の課長が2千億円の不正蓄財をしていたという報道もあります。
役人の汚職は中国では春秋時代からあったといわれますがそれにしても規模が大きいです。
金と言えば女も同様です。数十人数百人の愛人を抱える要人もいるそうです。
数人規模だと山ほどいるんでしょうね。こちらも庶民の嫉妬を買います。
4 習近平の汚職摘発は庶民の喝采を受けた
胡錦濤の後を受けてリーダーになった習近平はタブーとされていた汚職摘発を積極的にやりました。自分の先輩の幹部まで摘発したのです。
格差に希望を失っていた庶民は拍手と支持を送りました。
自力で這い上がれない者は富貴の没落を喜ぶのです。
こうして習近平は民衆の心を掴みました。
5 権力集中を進め「核心」に登った
民衆の高い支持を背景に、李克強などの党エリートを追いやり権力を一身に集めました。そして毛沢東以来の「核心」の地位に付きました。
♡ここまで見ると歴史は必然だなあと感じますね。経済重視で偏っていたのを「精神・プライド」にカジを切ってバランスを取ったのです。
6 振り子は必ず行き過ぎる。
ある意味で今はバランスが取れた状態かもしれません。
しかし政策は常に行き過ぎます。
特に精神主義の場合はこの傾向があります。
「世界のリーダー」「覇権国」「米中で世界を仕切る」
経済が発展してこれらの目標が現実的なものになった時にバランス感覚は壊れます。
「必要以上にいばる」「コワモテで押し通す」「原理主義」が強くなります。
日本にも尖閣諸島に「領土的野心」を隠しません。
南シナ海でも空港をつくり東南アジア諸国は身構えています。
もう中国はそろばんでは考えないのです。「精神」でいくわけです。
個人レベルでも成り上がりの金持ちは次は名誉を欲しがります。議員になったり、名門と結婚したがります。
米国は精神から経済へカジを切った
一方世界唯一の大国としてメンツ重視だった米国は「経済」「カネ」にカジを切りました。
オバマに代表される「ええかっこしい」ではもう持たないからです。
不動産業出身のトランプが大統領になったのは意外でしたが時代の要求だったのでしょう。
彼は自分の支持層にあからさまに利益誘導しています。会社や金持ちの減税をしたり。
無理やり米国に投資させて工場を作らせようとします。
時代錯誤ですが労働者は喜びます。
日本などの同盟国にも「軍隊のカネを負担しろ」と迫っています。
1 米中貿易戦争は必然だった
2018年の米国の貿易赤字は過去最高の98兆円です。
そのうち対中国が約半分、2位ドイツ3位メキシコ4位日本で7.6兆円です。
トランプが対中国の不均衡是正に乗り出したのは自然な流れです。
対して中国は上得意様に対して「配慮しましょう、努力しましょう、なんとかしましょう」という商人の対応はしませんでした。
「精神重視」だからです。
なので「報復措置を取る」「自由貿易の原則に反する」と真っ向から対立したのも必然です。
商人的な発想ではマズイ対応です。だから交渉は長引いています。
2 今回のトランプの妥協は大人の対応
G20での米中交渉は中国がうまくやった。トランプは腰砕けで妥協したという見方が一般的です。
しかし私はそうは見ていません。ココらへんで中国の顔を立ててちょっとばかり緩めるのはいい作戦だと思うのです。
私達が知らない中国のやばい事情があるかもしれません。あまり追い詰めると「メンツ重視」で「妥協は負け」と受け取る中国政府は暴走するリスクがあります。
3 中国の「精神重視」は始まったばかり。
2012年11月から始まった習近平体制ですが、任期制限を撤廃しました。
これからも長く続くでしょう。
21世紀の文革がこれから始まるかもしれません。
4 米中の差はこれからさらに開く
中国が経済的に米国を追い抜くという予想もありますが私は逆に差が開くと見ています。
それはメンツを捨てて経済にカジを切った米国と逆の動きをしている中国との差です。
ただし中国が経済的な混乱を引き起こすのは米国も望んでいないでしょう。
だから今回のように小さな妥協をしながら追い詰めないことが重要です。
今後中国の経済状況については注視が必要と思っています。悪い数字が出ると実態はそれ以上に悪いからです。しかしそれで世界株が下げたところは買い場ととらえます。
中国、韓国に対する日本の対応については別記事にします。
以上です。
それではみなさまの良い投資を!
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