米中貿易戦争は決着は遠いと予想、理由は中国指導部の考え方
こんにちは
メキシコへの関税は解決しましたが中国との対立は先が見えません。
米側が異色の大統領が今までの大統領になかったレベルの強気の態度であることも原因ですが中国の方にも原因があると思います。
中国指導部の優先順位は共産党の存続が第一
民主主義の国では、各政党が「どれだけ国を豊かに、幸せにするか」の提案をして一番国民に受け入れられた政党が政権を担当します。
だから民衆受けが行き過ぎる点はありますが、それでも政党の利益を優先すれば選挙で負けます。
一方政党が共産党しかない中国では、国民に対して政策を競う必要はないので、党内での競争を勝ち抜いた、権力闘争に秀でた才能を持つ人が指導者になります。
習主席はその才能では天才でしょう。だから核心としてここ数十年では最大の権力を自分に集中させています。
しかし、党内政治では天才でも、党外でも天才とは限りません。
閉じられたグループで力を持つのは「バランス感覚より押しの強さ」と言われます。
これは独裁国家の指導者をみても、ボクシング協会とかのスポーツ団体をみても納得がいきます。
今回の米中交渉でも、途中まで米国と合意していた内容を破棄して振り出しに戻したのは習主席の独断であったそうです。副首相がばらしていましたね。
となれば習主席が今まで自分が成功してきたスタイルを捨てて急に「バランス派」に転向する可能性は限りなく低いです。アイデンティティの否定ですから。
中国は当分発展への最適な道は進めない
民主主義の国は迷走しながらも、最適解を模索して進みます。
対して中国では党あるいは指導者の永続が優先するので最適解は望めません。
それはここ最近の香港への圧力を見てもわかります。
香港やマカオは独立行政区として50年は自治が約束されているはずでした。
しかし中国政府は約束を反故にして圧力をかけています。
一刻も早く本土化したいように見受けられます。
香港やマカオがあるのは本当は好都合なんだけど
世界の工場としてモノづくりで発展した中国も、人件費などの高騰によりその地位は揺らいでいます。他のアジア諸国で生産したほうが安いからです。
発展のためにはさらに「高付加価値」のモノづくり、サービス、に転換するより方法はありません。どの国も通る道です。
コモディティからブランドへの転換です。ブランドを作るためには、より高度な「技術」「独創性」「多様性」が不可欠です。
時間はかかっても教育レベル、技術レベルを上げていくしかありません。
また「独創性」「多様性」については「自由に行動できる」「少数者も暮らせる」環境が必要です。
しかし国内ではチベットやウイグルなどの異質と思われる民族を圧迫して漢族化を強制しています。画一化です。多様性と逆の動きです。
香港やマカオは特別行政区として50年の自治が許されたはずでした。
しかし中国政府はその期限を待ちきれずに圧力をかけて「本土化」を推し進めています。
異質なものを生み出すのは難しいです。明治政府のように日本の文化を破壊してまで文明開化を推し進めた例はありますが。
だから天皇家の食事もフランス料理になったらしいですね。余談ですが。
異文化を取り入れるのはお金も時間も信用もいる
一から外国の文化を取り入れるのは大変です。
しかし香港、マカオは歴史的に英国、ポルトガルの文化が根づいています。
それは租借地という経緯はあったものの事実は事実です。
マカオなどはアジアでありながらポルトガル風の建物が多いです。標識もポルトガル語だし。
だから大事にすれば大きな財産になることは確かです。
下はマカオのホテルの近くの公園の朝の風景。暑いので近くの人が涼んでいます。
一日中いる人もいます。
長く異なる文化にあった地域を無理やり取り込もうとすると嫌がられます。
上手に活かすほうがお互い幸せです。
しかし今の中国指導部はその余裕がないようです。
数字の上では世界2位のGDPの国になりましたが、富を生む力はまだまだ幼稚なようです。
以上、先週の香港、マカオの旅行で考えました。
香港やマカオ、台湾の方とも何人かとは話すことができました。
私の英語力が乏しいのでグーグル翻訳のアプリが活躍しましたが。
また機会があれば書きます。
それではみなさまのよい投資を!