【米国株】経済再開で恩恵がある分野とない分野で明暗が分かれた→対応は?
2020年6月6日(土)記述
激しいお金の流れ
1週間ではS&Pは5%と大きな上昇で終わりました。
雇用統計が予想よりも遥かに良かったのもあります。
昨日発表の5月雇用統計ででは見たこともないような上振れが発生しました。
○民間部門雇用者数 予想▼675万人→+309万人 前回▼1972万人
○失業率 予想19%→13% 前月15%
これを受けて4指数は大きい順から
ラッセル3.8%ダウ3.2%S&P2.6%ナスダック2.1%と出遅れ組躍進の日でした。
中小企業・新興国が上昇すると「本格的な上昇」とも「相場の最後の段階」とも言われます。
とにかく初期の段階は通過したのですね。
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<今週の上昇を地域別に見ると>
5月 | 6月1週 | ||
S&P | VOO | 3.8 | 5 |
全米 | VTI | 4 | 5.3 |
ダウ | DIA | 3.2 | 6.8 |
ラッセル | IWM | 2.5 | 8.1 |
ナスダック | QQQ | 6.6 | 2.7 |
日本 | EWJ | 4.4 | 3 |
全世界 | VT | 3.6 | 6.2 |
先進国米以外 | VEA | 3.5 | 7.2 |
新興国 | EEM | 0.8 | 8.5 |
欧州 | VGK | 3.9 | 8.1 |
上昇率は米国以外で大きいです。
1週間で5月一月分の2倍位上昇しています。
米国では大きい順に
ラッセル>ダウ>S&P>ナスダック
となっており5月と序列が全く逆になっています。
つまりお金の流れは出遅れている国、中小企業に流れています。
先進国全体では5.5%ほどの大きな上昇です。
<分野で見ると>
月別騰落率 | 5月 | 6月1週 | |
ハイテク | VGT | 7.2 | 3.6 |
ヘルスケア | XLV | 2.8 | 0.2 |
公益 | XLU | 1.8 | 2.5 |
不動産 | IYR | 0.7 | 9.3 |
金 | GLD | 0.8 | -3 |
原油 | USO | 43.8 | 11.6 |
債券 | BND | -0.7 |
◇商品では原油が大きく伸びて逆に金が下落しています。
→景気拡大気モード
◇債券は下落しました。
→株式に資金が移動中
◇先行していたヘルスケアは失速、資金流出?
◇ハイテクも伸び悩み
→この傾向が続けば次はハイテクの番か?3.6%は十分な上昇ですがS&Pには劣っています。
◇公益も伸びが悪い
逆に◇不動産リートは急伸です。
不動産がリートが多い人気の高配当ETFのSPYDも11%の大幅上昇!
保有の方安心しましたね!
経済再開で恩恵がない分野が伸び悩んでいる
伸び悩んでいる分野が良くないと言う意味ではないです。
むしろ「業績が堅調」ということでヘルスケア、公益、ハイテクは今まで戻りがよく先行していました。
しかしここに来て「再開」にテーマと関心が移り、お金も移動しています。
相対的に魅力を失ってこれらが伸び悩んでいるという構図なのです。
これはかなり重要な問題です。なぜならわかって買うのとうっかり買うのとでは対応が変わるからです。
「買ったら株価が下落を始めた」ということが起きるかも?です。
資金が流出している分野を買うと下落に巻き込まれます。
永久保有のつもりで買うのなら別ですが気分は悪いです。
下げ止まりを確認してからでも遅くありません。
伸び悩んでいるヘルスケアのチャートはこちら
◇200日線のかなり上方を航行中で「伸びしろ」が少ないと思われているのですね。
また
伸びが小さいハイテクはこちら
◇順調に伸びていますがやはり200日線のはるか上を航行しています。
◇出来高も増えています。
◇最高値更新です。
◇これだけみれば立派な上昇ですがS&P全体と比べると先週はやや見劣りします。
S&Pのチャートはこちら
◇出来高が大きく増えて勢いを示しています。
◇RSIは72とやや過熱気味です。
S&Pが強いのは今まで低迷していた株たちが急上昇しているからでしょう。
飛行機、カジノ、消費関連なんかです。
稼ぎが安定しているもの→稼ぎが不明だけど戻りそうなものに資金移動
に資金が移動しています。
稼ぎが安定しているものの代表は
①債券②公益③ヘルスケアでした。これらから今後も資金が抜ける可能性があります。
公益のチャートは
◇下落以降での高値付近です。
◇200日線付近です。
◇これだけ見ればチャートは悪くありません。これから200日線を抜けるかどうかです。
抜けずに弾き返されると下に向かうかも知れません。
ここまでのまとめ(個人の感想です)
1 S&Pより伸びが小さい、ヘルスケアや公益は今後相対的に「売られて下落する」可能性がある
→したがって長期保有、永久保有なら問題なし。
→私ごとですが電力は永久保有なので問題なしです。
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この流れはどこまで続くか?
これはわからないですね。だから現在の流行を追いかけるのが正解かどうかはわかりません。
驚異的な伸びをした航空のAALはこちら
◇ 逆張りは難しい
「航空はただもってればよかったんじゃね」といまならだれでもそう言えます。
◇逆張りは今まで反落してきた
「上昇トレンド転換か?」と思わせては裏切ってきました。
先々週の木曜日にトレンドラインをうわ抜けましたがやはり下落しています。
だから本格的な上昇トレンド転換は木曜日の41%のバク上げ時になります。
ここで買える人はいないですから結局は航空株はほとんどの方には「縁がなかった」「手を出さなくて正解だった」と言えます。
バフェットでさえ売った銘柄ですからね。
かれは今回の反騰を除けば比較的高値で売り抜けたことになります。
素人の場合は上昇し始めで仕込んで2日ほどの上昇で「パッと売って手放した人」だけが利益を手にしています。それは相当の熟達者でないと無理なので基本素人は儲かってませんね。
JETSのようなETFの設定が待ち遠しい
破産申請の可能性も高かったので単独会社への投資はためらわれました。
その点ETFは安心感があります。
航空会社を集めたETF「JETS」はダン高橋さんが買い推奨されていました。
しかし残念ながらこのETFは日本のネット証券3社では取り扱いが無いのですね。
チャートはこちら
5月16日までは下落トレンドなので買っても持てた気はしませんね。
13ドルで推奨されてましたから現在は50%以上の爆益ですね。さすが。
まだカジノの方が破産確率は低かったと感じます。
大手3社のひとつMGMのチャートは
◇チャートからは買えるのは先週の水曜日くらいに感じます。
もっとうまく読めばもっと安く買えるのかも知れませんが。
結果
チャートからは一番買いやすかったのはQQQで次がS&P、
航空やカジノ、原油はチャートで買うには相当なレベルが必要だ。
それ以外の見方から「エイ!」と買える胆力が要りますね。
◇隣の芝生は青いですが、素人には実際にはチャンスはなかったと思う。
そう考えると結局はVOOでやQQQの永久保有が一番手堅くて、次が成長性、有利性を自分で納得している個別株の長期保有、永久保有だと言えます。
♣永久保有というのは目標で「縛られる」必要はないと思う。
いっときの目移りでなければ「他のより有利な銘柄・ETF」への転換はありと思う。
ただしVOO↔VTIみたいな微細な差では変わる必要はないです。
自分的には「利確」のために市場を離れるデメリット、暴落時に「手放すデメリット」を防ぐためのルールです。
だから永久保有にこだわって見込みがない銘柄に固執するのは本末転倒です。
納得できない銘柄はさっさとインデックスに転換しましょう。
個別株保有にはインデックスに勝るはっきりしたメリットが必要です。
「優良株だから」「ダウ銘柄だから」「配当が高いから」というのは理由にはならないと思います。
今日のまとめ
1 資金移動が激しいので巻き込まれないように注意
2 流行を追うと高値で取り残されるリスクがある
3 今後資金が逃げそうな分野への投資は慎重に→下落リスクがある。
例 債券、ヘルスケア、公共など
ハイテクも利が十分に乗っているので利確の可能性はある。
強烈に上げてきたクラウドもいったん売られる可能性はある。
→長期保有なら問題なし。
おまけ
ここからは私ごとです。
不動産リートを買う予定でしたがまだ買ってません。情けない
理由は金曜の雇用統計を見てからと思ったのですが、その前のADPでいい数字だったので下振れの心配は少なかったので買うべきでしたね。またしても反省点。
ちょうど木曜はリートはちょっと下げたし。
行動しなかったので金曜に大きく上げました。せめて半分買っておくべきでした。
仕方ないので今週買います。
チャートはこちら
◇上げましたがまだ出遅れていると思っています。
6,6 | 現在値 | 下落率 | 合目 | 最大下落 | 予想PE | 配当 |
VOO | 293.61 | 6 | 83 | 34 | 2 | |
QQQ | 239.69 | -1 | 103 | 29 | 0.7 | |
VGT | 270.43 | 1 | 97 | 34 | ||
XLU | 61.19 | 14 | 64 | 39 | ||
VZ | 57.74 | 7 | 67 | 22 | 12.2 | 4.5 |
T | 32.77 | 17 | 49 | 34 | 14.1 | 6.5 |
DUK | 89.49 | 14 | 66 | 40 | 16.1 | 4.5 |
SO | 58.45 | 18 | 57 | 41 | 17.5 | 4.7 |
IYR | 84.59 | 16 | 64 | 44 | 3.7 | |
RWR | 86.86 | 19.5 | 58 | 46 | 4.5 |
不動産のIYRもRWRもまだかなり出遅れています。
今後いろいろあるでしょうが、長期保有なら配当も高いし問題ないと思っています。
→配当は私が欲しいのではなく、欲しい人が多いので下落耐性があると思うから。
T、VZ、SO、DUKも依然として魅力ですね。
今回は以上です。それではみなさんの投資の充実を祈って記事を〆ます。
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