「配当」は難しすぎるので素人・凡人は考えないのが無難
2020年5月14日(木)記述
高配当投資への議論が尽きない
最近米国在住のある方の「高配当投資」を巡ってツイッターで「批判されている」というのがありました。
他の方の投資法を確かな根拠もなく「批判」する行為自体がもってのほかですが、それはさておいて「高配当投資」について考えました。
スポンサーリンク
論議は奥が深いのから浅いのまでいろいろある。
「たぱぞう」さんの最新の記事にもありましたね。
キャピタルゲインとインカムのどちらを取るのが望ましいのか - たぱぞうの米国株投資
ご存知でしょうが、配当収入がインカムゲインで値上がり利益がキャピタルゲインです
私も米国株は「高配当」から始めた経緯もありいくつか記事を書いてきましたが再度、スッキリとまとめたいと思いました。
今まで書いた内容では「高配当投資を選ぶかどうか、メリット・デメリットはその立場に大きく依存する」というものです。
長いですね。
みなさんもくどいの嫌いでしょうから結論から端的に言いますね。
素人・凡人・初心者は「配当は考えない」のがシンプルでいい
私は凡人中の凡人ですからコレを実行しています。
そして「高配当」で苦しんでいたのがウソのようにスッキリとうまくいくようになりました。
だからこの記事は「高配当」をディスるものではなくて「うまくいかないなあ」と思ってらっしゃる方の助けになればとの目的です。
「高配当」をうまく運営されている方はすでに「達人で凡人カテゴリーには入りません」からこの記事はスキップお願いです。あるいはコメントもください。
「うまく行ってるよ」って。
そのくらい高配当は難しいということです。
なぜ高配当は難しいか?
単純に条件が一つ増えるからです。
どんなことでも条件が一つ増えるだけで難易度は格段に上がります。
たとえは良くないですが敵国を爆撃するのに「非戦闘員」は傷つけないように、という条件をつけると難しさは10倍以上にあがります。そして必ず非戦闘員にも被害が及びます。
もっと平和的な例だと
「この辺にラーメン屋さんありますか?」
を「この辺においしいラーメン屋さんありますか?」と
おいしいをつけるだけで返答の難しさは10倍以上に上がります。
ですから高配当の条件を満たしながら「資産を最大限に増やす」というのはとてもハードルが高いです。
配当を考えなければ素人・凡人の投資はうまくいきやすい
素人・プロを問わず最強と言われる武器の「S&Pインデックス」を使えるからです。
VOOは配当が現在2%ほどなので高配当では使わないヒトが多いです。
しかしS&Pインデックスを使わないで高配当で上回るのは凡人には難しいです。
というか達人でも難しいでしょう。
ところがVOOを中心にすると
例えば2019年のリターンで見るとVOOが31%、QQQが39%、VGTが49%ですから
VOO+VGTで+40%、「VOO+QQQ」で+35%のリターンです。
これは素人・凡人でも可能です。
もちろんVOO単独での31%も十分立派です。
高配当の方でこれらを上回っている方を知ってますか?
暴落ではその反対でひどい目に合うだろう!
上昇局面ではハイテクは上昇しやすいけど下落では激しい下落に見舞われると主張する方が後をたちません。
根拠は2001年からのハイテクバブルです。
しかし相場環境は時間とともに変化します。
この3月の下落では下落が小さい方から、市場で見ると
ナスダック<S&P<ダウ<ラッセル2000
だったことは記憶に新しいところです。
そして下落からの立ち上がりもこの順番に良くなっています。
つまり苦労して工夫したところでこの「流れ」には勝てないのです。
「新しい産業革命」の流れに乗るのが手っ取り早いということです。
そしてその目的で皆さんも米国株に参入されていますよね?
そしてそのためにハイテク企業を調べる必要なんてまるでないのです。
VOO自体にもハイテクは36%含まれていて年々この割合は増えています。
一昨日の記事にしましたが、同じくリターンがいいヘルスケアを加えると50%を越えます。
さらにハイテクを66%含むQQQを加えるとこの割合は上昇します。
これが素人・凡人が「簡単にS&Pインデックスを上回る」方法です。
昨日ゴールドマンが「今後株価は20%は下がるだろう」と揺さぶりをかけていますが、今度の下落でも3月と同様の値下がりの順番になるのは確かです。
なぜわかるか?
そういう構造になっているからです。
だから私はゴールドマンの警告にはビビっていません。
「安く買えるならウエルカム」です。
今入れているMSFTが160ドル台の指値も刺さるでしょう。
これで終えてもいいですがせっかくの機会なので高配当が難しい理由も書いときますね
スポンサーリンク
高配当投資が凡人に難しい理由
その1 投資の軸が「配当」になってしまうこと
熟達者はいろんな要素を同時に見れます。
しかし「配当」にフォーカスしてしまうと他の大事な要素を見落としてしまいます。
私の場合個別株を選ぶ基準は
(1)将来性、ワイドモート=独占性、業界1位
(2)業績が伸びていること、伸びる業界にいること
(3)時価総額が10兆円以上
です。
「割安」であること、「配当が高いこと」は除外しています。
現在選んでいる個別株
MSFT、V、MA、JNJ、UNH、AMGN、NEE
はどれも割安ではありません。PERが30を越えているものがほとんどです。
だけど今度の暴落でも安心して保有ができます。もっと安心なのがあればコメントで教えて下さい。
しかし配当を軸に選ぶとこれらの銘柄はどれも入りません
その2 配当の代わりに失うものが見えないこと
「現金収入」「不労所得」ほど私達を惹きつけるものはないです。
特に仕事をやめて「賃金収入」がなくなったシニア層にとっては「のどから手が出る」ほどのあこがれです。
この心理がシニアが投資詐欺にかかりやすい伏線なのですね。
私もリタイア前に「配当収入」を求めて「高配当」投資をして回り道をしました。
現在は「決して欲しがらないように自分を戒めています」
英語では「フリーランチ」というそうですね。
この手の「不労所得」の誘惑が産む投資のリスクは株式投資に限りません。
「不動産投資」「為替スワップ」などです。
先日ネットで東京の方が「ローンを組んで仙台の投資用マンションを購入した。家賃25万円と営業マンに聞いて購入したが家賃15万円に下げてもテナントが入らない、困っている」という記事がありました。ネット記事なので真偽は不明です。
しかしありそうなことではあります。
東京の方は自身が高い家賃を払っているので「不動産」へのあこがれが強いです。
しかし地方ではそうではありません。
私も数万坪(詳しくは知らない)の山林を保有していますが何のメリットもありません
もう一箇所相続できる、やはり数万坪の土地がありますがこちらはすでに相続を放棄しています。
都会の人に話すと「もったいない」とかおっしゃいますが、土地はあるべきところにないとただの「お荷物」なのです。
だから私の地方で家賃を10万以上払う人は「転勤族」以外にはいないでしょうね。
戸建てを建てるでしょうから。
家賃収入の引き換えに渡すものは「小さくありません」
同じく為替スワップも「フリーランチ」ではないです。
昔は豪ドルやニュージードルなんかが金利が5%、7%で人気がありました。
だから私も多く保有していました。
しかし豪ドルはリーマンでは100円台から50円台まで下げました。
「円豪ドルキャリー・トレード」で異常にこれらの通貨が高かったのですね。
同じことはブラジル・レアルでもありました。金利は15%以上ありました。
リスクオンの通常のときにはこれらのリスクは顕在化しないので、あたかも「フリーランチ」のように見えてしまうのです。
その3 配当は会社の方針に依存する
会社が稼いだ利益=epsをどう使うのが株主にとって一番有利なのか?
は奥が深く結論が出ていません。
経営者の考えや会社の伝統にも依存します。
つまり配当貴族とか連続増配企業という場合は伝統になっています。
結論からいうと最適解は「ケースバイケース」なので結論は出ないです。
グーグルなどのハイテク大手・巨人が将来のライバルを消すために小さな会社を巨額買収することがあります。
これはワイドモートを維持するためには重要でしょう。
「配当」と「自社株買い」のどちらが株主にとって有利なのかも難しいです。
はっきりしているのは「これらの判断は高度で優劣は場合による」ことです。
だから「配当しか認めない」「M&Aや自社株買いは認めない」というかたくなな態度は株主としてはチャンスを逃すと思うのです。
株主にとってはどれもが利益を産む行為だからです。
「配当以外は認めない」というバイアスをかけてしまうと「高成長企業を除く」ことになってしまいます。結果としてリターンがS&Pを下回るのです。
これに対しての解決策は「配当は考えない」ことです。
そうすればバイアスはありません。
詳しく知れば知るほど「ストックオプション」「自社株買い」はセットで会社の経営陣に数百億円の富を与えている都合のいい手段だ、なんてことがわかってきます。
腹を立てたり嫉妬したりするのは投資にはプラスではないので「知らない」のもまた「いい選択」だと思うのです。
♣各社の決算書を見ればepsに2種類あって希薄前と希薄後で彼らの取り分が記載されていますね。希薄後だけをみればOKです。その差はわずかですが巨額ですね。
それがいやなら「投資しなければいい」だけなので「見猿」が賢明です。
その4 一部の成功者は別世界
あなたが株式投資で成功して10億とか100億の資産になったとします。
あなたが「高配当投資」を一部あるいは全部に取り入れたとしてだれもあなたの投資法を非難しないでしょう。
成功者がどうしようとその人の勝手だからです。
10億100億の資産をさらに増やしたいと思う人もいれば「配当収入」でリッチな気分を味わいたい人もいるでしょう。
10億あれば3%の配当で3千万ですから使い切るにはかなりの贅沢が可能です。
ずっと以前からその株を保有している方も同様です。
コカ・コーラKOは現在44ドル予想PER22.5配当3.7%(モーニングスター)
とありますが40年前の1980年の株価は0.8ドルです。
私が20代でKOを買っていれば年率200%の配当です。
だれも私に「高配当株のリスクが・・・」とか言わないはずです。
だってリスクなんて見当たりませんから。
ここまで極端でなくても成功者が「高配当戦略」を取るのは自由だし、理由もある
ということです。
金持ちになって「高配当戦略」はアリだけど「金持ちになるための戦略」としてはハードルが高いと感じますね。
おやおや長くなりました。一緒にシンプルな投資でしっかりと成功を収めていきましょう!
動画のご案内
ユーチューブもやってます。コメント、いいねお待ちしています。
お願い 下をクリックして応援いただければありがたいです。よろしくおねがいします
スポンサーリンク