永久投資と一旦売って買い戻す作戦、あなたはどちら?
大幅下落で「売るべきか」「保有を続けるべきか」を迷っておられる方も多いです
私は「永久保有」を提案して自分でも実践しているので当然「保有推奨」です。
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しかしここでは原点に帰って考えたいと思います。
1 投資の入口付近ならどちらも大差ない
米国株を始めて1年とか2年だったら投資もまだそんなに進んで無いからです。
ここで売ると、含み益かあるいは含み損が現実化して確定して投資はリセットされます
その分これからの市場の動きは気にしないですみます。
もし下落が気になって寝られなかった方は健康上大きなプラスです。
だから、精神的に耐えられないなら「売ってリセットする」のはいい選択です。
(1)これからの最大の含み損を計算してみる。
例えば2年前から投資を始めて年に100万ずつ入れていたとすると現在投資額は200万円。
投資対象にもよりますがS&Pだと2シグマで24%です。現在最高値から14%下落しましたから、最高値で買ったとしてもあと10%ほど下落する場合が全体の95%の範囲に収まります。
そうするとこれから増える含み損は20万円ですね。
コロナが相手なのでこの95%の範囲も突破するかもしれませんが99.73%をカバーする3シグマをとっても36%ですからあと22%の下落です。
つまり大底では瞬間的にあと44万円の含み損が増えることになります。
持ち続けた時の最大の含み損がわかりましたでしょうか?
対象がナスダック100ならシグマは15なので2シグマで30、現在の14%を引くとあと16%の下落が見込まれます。
こういう場面で個別株は数値的に割り出せないのが難ですね。
(2)将来の収入も加味するととても小さい
つまりあなたが回避しようとしている損失はとても小さいのです。
自分の小遣いや食事代と比較すると大きいかも知れませんが投資はお小遣いを増やすのが目的ではないです。
一回のボーナスで補えるかたも多いでしょう。
まして将来得られるであろう労働収入と比較すると見えないくらいです
2 リセットした時のデメリット
(1)投資計画が振り出しに戻る
せっかく進めていた投資が一からのやり直しになります。
(2)自分の投資を否定したことになる
「目先の損得にとらわれない」という方針で長期投資を進めていたのなら、これを覆したことになります。
上記のように20万、30万で方針が変わってしまったのです。
3 大幅下落はあなたのミスではない!
今度の暴落で多少の「含み損」が出たとしてもそれはあなたのミスではありません。
株式投資をする以上、タイミングによっては「含み損」を抱えるのは仕方のないことだからです。
そのために最大の損失額を算出して始めるのです。
損失が算定できないような銘柄なら問題がありますが、そうでないならあなたのミスではないです。
つまり
暴落は投資計画に含まれている
と言えます。
予定の出来事です。
むしろ安く仕入れられるチャンスと言えます。
もっとも安いといっても20%程なので長期投資ではほとんど影響がなくたぶんに精神的なものですが。
それでも投資が進むのは大きなメリットです。
4 永久投資では例外がない
(1)リーマン時を当てはめて想定する人がいるが
暴落になると一番印象的なリーマン・ショックを引き合いにして株価の動きをシュミレーションしている記事を見かけます。
しかしリーマンショックは金融危機で、信用欠落であり病気が原因の今回とは明らかに違います。
なのに当てはめて想定するのは間違った方向にいく可能性があります。
(2)コロナショックの行方はだれにもわからない
つまりリーマン時を当てはめて「ここで一旦売ってさらに3割ほど下落して買い戻す」という作戦がうまくいくかどうかはわからないです。
「下がるのが明らかなんだから売ったほうがいいだろう」という意見はもっともに聞こえますがそれを裏付けるなにものもありません。
第一来週の月曜でさえ「上がるか下がるか」を当てるのは難しいでしょう。
それなのに数ヶ月、あるいは数年を予想に基づいて行動するのは「外れる」可能性も高いです。
「下がったところで買い戻す」作戦がうまくいく可能性は高くないと思っています。
それにその作戦を実行できる能力がある人は限られています。5%はいないはずです。
(3)永久投資作戦はだれにでも実行できる
一方の「永久保有」作戦は全員に実行が可能です。能力的にはという意味ですが。
リターンについては論議が分かれるでしょう。
うまくやれば、市場に出入りする作戦のほうが効率がいいかも知れません。
チャートをあとから見て「この時売って、この時買って」が同時進行でもできれば、明らかに「出入りする」方が効率がいいです。
しかし「実際問題はどうなんだ?」と聞かれればできる人は1%以内だと思いますね。
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(4)ピーター・リンチは永久保有に軍配を上げた
マゼランファンドの伝説的ファンドマネージャーであるピーター・リンチの腕を疑う人はいないでしょう。
かれは1977から1990年の間、ファンド利回り29%を達成して市場平均を13%上回る成績でした。その13年間にファンドの資産は2千万ドルから140億ドルに膨らみました。(流入もある)
そのカリスマの彼はこの論争に対して「売買しないほうがいい」「市場に居続けるべきだ」とはっきり述べています。
その理由について彼は「暴落も暴騰もほんの数日分が全体の上昇あるいは下落の大きな割合を占める」ことを指摘しています。
つまり上げるのを見てから参加しても間に合わない。ということです。
張り付いていれば可能かもしれませんが
だから上昇分を確保するなら「市場に居続けないと得られない」というのです。
状況を見ながら市場へ出入りしても機会を逃すということなのです。
だからかれはなるべく「市場に居続ける作戦」「銘柄を引っ張る」作戦で好成績を叩き出しました。
しかしカリスマのかれをして「プロの壁」があるとも述べています。
それは下落では縮小を強いられるというものです。
「行動しないプロ」は許されないのですね。
また顧客のファンドの解約の要求にも応じなければなりません。
だからアマに対しては「決して下落で売らないように」進めています。
「証券会社からの電話にはでない」「電話がないところにいく」「刑務所に入る」なんかを推奨しています。当時は電話で売買したのですね。
(5)過去の暴落でも実績がある
過去のどの暴落でも売らずに保有する方法は確実に実績を上げてきました。
もとに戻るまでの期間は最高値で買ったとするとリーマン時では5年ほどかかっていますけど。
とにかく最悪の条件の人でも5年で復帰したのです。
最高値で一気買いをするケースはまれですからたいていはあれほどの暴落でも2、3年で復帰できたのです。
これは今度のコロナショックでも当てはまることでしょう。
つまり「確実な方法」なのです。
5 売買する方法はミスするポイントが多い
売買する方法は難度が高くミスの可能性があります。
それを少なくとも売りと買いの2回するわけですから上手い人とそうでない人の差は大きいでしょう。
例として先日サプライチェーンの遅れを理由に業績の下方修正を発表して7%の下落をしたMSFTのチャートを見てみます
私は火曜日に172.8ドルで少し買い増ししています。
下方修正で木曜には-7%と大幅に売られました。
そして金曜もその流れを引き継いで153ドルと大幅安で始まっています。
もし私が買値から10%下の155.5ドルに逆指値を設定していれば発動されて切られたでしょう。
しかしその後大きな陽線を描いて結局2.4%高の162ドルで終了しています。
今後の株価はだれにもわかりませんが私は「永久保有」で買っているので株価はあまり気になりません。
買い増しをまだしたいので気になると言えば気になりますが「心配」という意味ではないです。
だってコロナでマイクロソフトがだめになる理由はどこにもありませんからね。
困る在庫もないですしね。
チャート的にもS&Pやナスダック、ダウよりも断然いい形をしています。
その意味では金曜のオープニングの安値で仕入れられていれば最高ですが凡人の私にそれを求めるのは無理があります。
下は同じく買い増しを予定しているナスダック100ETFのQQQです。
私は234ドルでの買いがあります。14%の下落ですね。
今からみると随分高く買ったことになります。
こちらも金曜は安く始まり上げて終わっています。
また200日線にタッチして反発して長い陽線で上げて終わっています。
チャート的にはいい形です。
こちらも10%の損切りを設定していればとっくに切られていますね。
「買い直した方が安くて得だ」という考えもありますが私はそうは思いません。
なぜならば
◇QQQに永久投資するのは私の方針だからです。
その中には一時的に下落して「含み損」を抱えることも入っています。
現在含み損が出ていることは計画には何の問題もありません。
だから「損切りライン」も設定していないし、逆指値の設定も必要ないのです。
現在高値から15%下にありますが今後も買い増ししていく方針です。
QQQについては私の最初の買いは高値付近なので例としてわかりやすいですね。
たたき台としてご利用ください(笑い)
「達人」として投資する道を選ぶか「凡人」として確実な道を進むか?
の岐路に立たされていると思います。
迷っている方はその中間にいらっしゃるのですね。
つまり「凡人」として投資するには能力がありすぎてもったいないし、達人として進むのには多少不安もあるという難しい立場でしょう。
これは周りからとやかく言えることではないので自分に決めていただくしかありません
とはいえ、アドバイスとしてなら、若い方、経験が浅い方の場合は「達人方式」を試されるいい機会かもしれません。
めったにない機会だからです。
うまく行かなくても「保有を続ける」場合との差はほぼないです。
経験して自分の「投資の進路」が決まるなら大きな進歩です。
「本当はオレには才能があるのに」とかぐじぐじ思わなくてすみます。
幸いSBI証券にもマネックス同様に「逆指値」設定ができるようになりましたので、ツールをマスターするいい機会でもあります。
そして「達人路線」を考えない方はしっかりと「凡人路線」(笑い)を進みましょう。
つまりこの機会を利用して「投資を前進させましょう!」
ここまで長い記事をお読みくださりありがとうございました。
それではみなさまの投資の順調な拡大を願って記事を〆ます。
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