過去10年の各投資のリターンとリスクを数字で知ろう【だれでもできる米国株第8話】
はい、初めての方でも安心のシリーズも8話まできました。
今回は残念ながら数字中心です。ゴメンナサイ!
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イデコ、つみたてNISAでは投資できる商品に制約があります。
だから示されたメニューの中から選ぶわけです。
不自由ですが、期限といい、金額といい、商品といい、限定的なのはメリットもあります。それは
「迷わなくていい」「リスクも限定される」
ことです。昨日大まかなリターンを示しました。
昨日各証券会社で示されている商品を見ました。
説明がバラバラでわかりにくかったので、各商品の元になる資料を一覧にしました。
イデコ、つみたてNISAの商品選びの参考にしてください。
過去10年のリターンはどうなのか? ドル建て
大まかには 新興国<全世界<先進国<米国ですが詳しく見ましょう!
一気に出しますね、ドル建て、リターンはトータルリターン年率、インフレ率込
(ヴァンガード、モーニングスターのHPより作成)
下段は1万ドルが10年で何ドルに増えたかです。新興国には韓国は含まず
米ドル建 | VT | IVV | VEA | 作成 | VWO | RWR | BIV | QQQ | |
全世界 | S&P | 米以外先進国 | 先進国 | 新興国 | 米リート | 中期債券 | ナスダック | ||
経費 | % | 0.09 | 0.04 | 0.05 | 0.04 | 0.12 | 0.25 | 0.07 | 0.2 |
配当 | % | 2.32 | 1.84 | 3.05 | 2.32 | 3.24 | 3.36 | 2.75 | 0.74 |
リターン | 10年 | 8.73 | 13.31 | 5.34 | 10.12 | 3.23 | 11.24 | 4.77 | 17.92 |
リターン | 1年 | 22.51 | 28.3 | 16.92 | 23.75 | 17.01 | 17.14 | 10.19 | 36.55 |
1万ドルは? | 23953 | 36030 | 17506 | 28620.4 | 14597 | 30285 | 16042 | 52887 |
◇10年のリターンで見ると(年率)
1 米株が13.3%と突出しています。
2 米以外先進国(日本を含む)は5.3%と米国の半分以下です。
3 新興国は3.2%と低迷中、米中期債券を下回っています。
4 米リートは先進国全体と米国の中間だった
◇リターンからみる結論は
1 株式一つを選ぶなら分散を考えると先進国が無難(世界の90%をカバー)
2 リターンでは米国が優秀(世界の55%をカバー)
3 新興国を選ぶ理由はない(世界の10%をカバー)
4 米リート(イデコ商品では外国リート)はかなりの好成績だった。
5 ナスダックは別格!ただしイデコやつみたてNISAの商品にはない!
自由投資で取り入れるのはアリ!
いかがでしょうか? かなり絞り込めましたでしょうか?
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リスクにも配慮すると
どのくらい上下するかは標準偏差の大きさで判断します。大きいほど揺れが大きいと見るわけです。小さいほど下振れの確率が少ない。
VT | IVV | VEA | 作成 | VWO | RWR | BIV | QQQ | ||
全世界 | S&P | 先進国 | 先進国 | 新興国 | 米リート | 中期債券 | ナスダック | ||
標準偏差 | 3年 | 11.5 | 12.07 | 11.4 | 11.8 | 13.64 | 12.02 | 3.95 | 14.98 |
標準偏差 | 5年 | 11.66 | 11.95 | 12 | 11.97 | 15.2 | 13.64 | 4.12 | 15.08 |
標準偏差 | 10年 | 13.33 | 12.42 | 14.7 | 13.33 | 17.21 | 15.35 | 15.01 |
◇10年の標準偏差でみると
大きい順に
新興国>米リート>米ナスダック>米以外先進国>全世界、先進国>米国
です。意外にも
米国が一番リターンもいいがリスクも小さい!
◯ナスダックのリターンは米の1.5倍位あるのでリスクを考えながら取り込みたいですね、自由投資になります。
◯新興国はリターンは悪いし、リスクは高いし、でいいとこなしです。
単体で選ぶのは問題です。
また、新興国を外した「先進国」は「全世界」よりリターンが1.4%も高くなっています。
シェアは10%しか無いので外しても問題ないと思います。←個人の感想です。
◯リートは期間が長くなるに連れてリスクも高くなっています。
またリスク自体も高いのであえて組み込まなくても問題ないです。入れたい人はどうぞという感じです。分散にはなります。
◯債券はリスクもリターンも低いです。これは違うものだからです。安全という意味ではありません。かなりの上下動をします。
リターンとリスクをミックスしての結論は? 先進国が基本、無難
1 土台部分として1つを選ぶなら「先進国」がリターンとリスクのバランスがいい
どの証券会社にも設定があります。スリム先進国など。
2 米国をプラスするとリスクが減ってリターンは良くなる。ただし分散の意味では米国の比重が大きくなる。
全世界・・・米国のシェア55% 先進国・・・米60% 「先進国+米国」・・・米80%
分散にこだわらない方にはオススメ
3 リートを加える意味は特にないが分散にはなる
リートを加えてもリターンが上がるわけではない。リスクは新興国についで高め。
分散効果はある。
ということで
基本は「先進国」
より攻めるなら
「先進国+米国」がリターンとリスクのバランスがいいです
あとは分散をどう考えるかによります。
さいごに
過去10年をバラバラにみると結構上下があります。資料として作りました。
全世界 | S&P | 先進国 | 先進国 | 新興国 | 米リート | 中期債券 | ナスダック | ||
トータルリターン | 2010 | 13.1 | 15.1 | 8.4 | 12.4 | 19.5 | 28 | 9.1 | 19.9 |
2011 | -7.5 | 1.9 | -12.3 |
-3.8 |
-18.8 | 9 | 11.13 | 3.4 | |
2012 | 17.1 | 16 | 18.6 | 17.0 | 19.2 | 16.9 | 6.8 | 18.1 | |
2013 | 23 | 32.3 | 21.8 | 28.1 | -4.9 | 0.9 | -3.58 | 36.6 | |
2014 | 3.7 | 13.6 | -6 | 5.8 | -0.1 | 31.8 | 7.27 | 19.2 | |
2015 | -1.9 | 1.3 | -0.4 | 0.6 | -15.8 | 4.1 | 1.04 | 9.5 | |
2016 | 8.5 | 12.2 | 2.7 | 8.4 | 12.2 | 6.4 | 2.98 | 7.1 | |
2017 | 24.5 | 21.8 | 26.4 | 23.6 | 31.5 | 3.5 | 3.65 | 32.7 | |
2018 | -9.8 | -4.5 | -14.8 | -8.6 | -14.8 | -4.4 | -0.18 | -0.1 | |
2019 | 26.8 | 31.3 | 22.6 | 27.8 | 20.8 | 22.7 | 10.34 | 39 | |
合計 | 97.5 | 141 | 67 | 111.4 | 48.8 | 118.9 | 56.7 | 185.4 |
◇新興国のマイナスがきついですね。
◇一般的には危険と見られているナスダックが過去に1回しかマイナスがなくてしかも-0.1%なことは驚きです。
イメージと実際の数字はかなりかけ離れていますね。
さいごの最後に本命2つを比較すると
「先進国」と「先進国+米国」の比較を表にしました。
リターンは
先進国 | 先進国+米 | |
経費% | 0.04 | 0.04 |
配当% | 2.32 | 2.08 |
リターン10年 | 10.12 | 11.72 |
リターン1年 | 23.75 | 26.03 |
28620 | 32325.2 |
米を加えたほうがやや良くなります。
次にリスクは?
先進国 | 先進国+米 | |
標準偏差3年 | 11.8 | 11.94 |
標準偏差5年 | 11.97 | 11.96 |
標準偏差10年 | 13.33 | 12.88 |
ほぼ同等と言えます。むしろミックスのほうがやや少ないです。
あとは分散を加えてお決めください。
アドバイスするとしたら
「迷うのなら先進国」です。
より丸い投資だからです。
米国を加えるなら米国株の優位性をしっかり納得してください。
今回は以上です。数字ばかりで恐縮です。
しかし、数字でなくイメージで語ると人によって表現が違うのでまずいこともあります。
特に今回リスクの数字は予想と違っていたのではないでしょうか?
窓口で言われる「リターンの高いものはリスクも高い」
というのは数字的には全く違いますね。
ナスダックと新興国と米リートはほぼ同じリスクですが、10年リターンではナスダックは新興国の5.5倍あります。
窓口で(使わないでしょうが)「リスクがー」と言われたら
「それは標準偏差という意味でしょうか?」と聞いて見られるといいかもです。
「あっ、でも近寄らないのが一番でしたね!」
「君子危うきに近寄らず」といいますからね!
君子かどうかは知りませんが(笑い)
それではあなたの素晴らしい投資を願って記事を〆ます!
長い記事をそして数字をありがとうございました。(苦労して作ったんですよ)
今回の動画はこちら→https://youtu.be/kn0b76C6Xsk
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