【中国GDP速報値】1992年以来最低水準で今後長いトンネルへ
こんにちは
2019年7月16日(火)記
昨日注目の中国の今年4から6月期のGDPの速報値の発表がありました。
結果は昨年比6.2%で92年以来最低の成長率となりました。
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<経緯>
昨年からの米中貿易戦争の影響で2018年は4から6月期からずっと下がりました。
政府の大幅な減税や金融緩和投資促進で今年1~3月期は6.4%と上昇しました。
今回はその効果が息切れし、貿易摩擦のマイナスを打ち消せなかったといえます。
<本当の数字はどうなの?>
実態は発表よりも低いのではないか?という疑いがずっと持たれています。
私もそう思います。
しかし、その真実の数字がわからない以上発表値で考えるほかありません。
政府の公表する統計値が疑われる事自体が大きな問題です。
政府が自分に都合のいい数値を出して来ているのではないかと見ている人が多いわけです。
<本来なら6.2%は出来すぎだが>
多くの先進国の成長率が1%2%という時代です。半分の3%でも十分な数字です。
※日本は19年0.9%予想。
しかし実態がそうだとしてもそうは発表できない事情が彼らにはあるのです。
それは前任者よりも劣った数値では都合が悪いから。
昨日の記事で書いたように習近平主席は「経済重視、改革開放」から「精神重視、共産主義」へ回帰しています。
中国は精神重視で経済重視の米国とは今後差が開くと予想 - チンギスハンのブログ
となるとGDPも鈍化するのは当然です。それでも構わないと考えるのは私達が自由主義陣営に生きているからです。
彼らの論理では経済でも停滞、失速はあってはならないのです。
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民主主義・資本主義・市場経済の3点セット以外には経済成長の解はない
というのが現時点での事実です。
1 共産主義・計画経済・一党独裁では経済は伸びなかった。
20世紀の壮大な実験によってわかりました。
共産主義は私達の若い頃はみんな魅せられたものです。
確かに机上ではうまくいきますから。
しかしソ連、東ヨーロッパ、中国などでことごとく失敗しました。
失敗は長く隠蔽されて詳しい事実が明らかになったのは20世紀も後半になってからです。
ソ連の輝かしい数字はほとんどがウソ、誇張、捏造でした。中国も同じ。
わかりやすいのが農業で集団農場のコルホーズでは共同部分での小麦の生産額を各家庭の菜園の売上が上回ったのです。
菜園では手間がかかるトマトが栽培されました。集団農場では野菜栽培では手間がかからないきゅうりが栽培されました。
需要と供給の関係で希少なトマトの生産性は広大な農場の生産性を凌駕したのです。
2 重さ主体の計画経済は現在のIT・ブランド時代に向かない。
計画経済では鉄鋼の重量で達成度をみました。だから粗悪な鉄鋼が大量に生産されたのです。
有名なのは毛沢東時代、大躍進とされた鉄鋼生産です。
農家の裏庭で手作りの土釜で農民が手作業でつくりました。
確かに重さはありましたが何の用途にも使えませんでした。
しかし当時は毛沢東崇拝で事実は隠蔽されたのです。
3 共産主義・計画経済・一党独裁で高生産性の解を見つけなければならない
20世紀の試みは失敗しましたから習政権は有効な新しい方法を生み出さなければなりません。
しかし、生産性を上げるには資本主義・市場経済・民主主義の3点セットは不可欠に思います。
それは構造的なものだからです。
高付加価値の製品と道徳的なこととは相反します。
一着が何千万円もする洋服やクルーザーは高付加価値ですが誰もが買えません。
共産主義の精神からは「不道徳」「堕落」ととらえられます。
江戸時代の日本でも、吉宗の孫の松平 定信は高潔な文化人で知識も教養もありました。かれは道徳的で厳しい「寛政の改革」を実施しました。
派手な衣装や芝居、金魚すくいや縁台将棋まで禁止しました。
人々は窮屈さにいやになり「白河の清きに不魚住まず・・・」と揶揄しました。
経済は著しく低下したのです。
同じ正確さの時計なのに千円のものと3千万のものが併存する現代は共産主義では説明できないです。
役人が値段をつけるのではないからです。むしろ高いほうが売れるというのは共産主義にはない発想です。
4 14億の国民を単一に染め上げても生産性は向上しない。
コモディティで付加価値は付きません。
より珍しいもの、高度なものに価値が付きます。ブランドやハイテク製品です。
多くの国民と民族を単一の思想でまとめようとする動きは生産性とは逆行します。
5 民主主義・資本主義・市場主義への移行の道のほうが成功率は高いと思うが
西側の多くの国でも格差の拡大は大きな問題です。
だから中国が民主主義・資本主義・市場主義の3点セットに移行するハードルは実はそんなに高くないと言えます。
少なくとも生産性の高い共産主義の方法を見つけるよりはるかに簡単です。
しかし共産党幹部にしてみれば自分の基盤をなくす試みには取り組む気になれないのでしょう。
とにかく現在の状況が続けば世界の成長から取り残されるのは確実です。
そしてその可能性は高いです。
とりあえず結論です
1 中国経済はこれから長く停滞するだろう
2 資本主義・民主主義・市場経済は経済成長が確認されている解だが中国政府は逆の動きをしている。→精神・理想主義に向かっている。
3 昨日書いたが成長への道筋は見えない。
4 関係の深い国ほど影響を受ける。順に①韓国②日本・東南アジア・オーストラリア・ドイツ③米国など
以上です。やはり米国株投資がこの意味でも安全ですね。影響が少ないです。
それではみなさんの良い投資を!
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