下落時に買い増しできる準備をする。心配事の種を持ち越さない。
米国株投資家の皆さんこんにちは、チンギスハンです。
2018年1月6日(土)記
今日の日経新聞で気になる記事を見つけました。
世界的株高に気をつけろ。・・・割高を示す指数も出ている。
何のことはなくて例のバフェット指数だったのですが、
(1)世界のGDPの推計値78兆ドルに対して、株式の時価総額が86兆ドルでバフェット指数が110%です。昨年7月に100%を超えたとあります。
株価下落時に「ちゃんと警告しておいたよ」ということかも知れませんが。
(2)S&Pの予想PERが21倍で、15倍台の日本やドイツより割高であること。
(3)インド、タイで最高値を更新しておりロシアでも高値圏が続いている。
米国の株式は他国よりかなり割高である。と述べていました。
一方(4)S&PのEPSが2018年に12%上昇の予想、減税を加味すると20%に達するとのことで、これを含めると割高感は薄れます。
いつ下落局面がきてもおかしくない。
世界的な株高と景気の過熱で、中央銀行の引き締めを招き、株式の下落を招く。としています。
これからこういう両面作戦の記事が増えると思う。
いつ下落しても言いわけができるように、予防線を張った、あるいは、警告したという記事が増えると予想されます。
ちょっと抽象的なので、具体的な数字を見ていきます。昨日発表の米国雇用統計です。
(1)12月の雇用増14.8万人(予想19万人)11月25.2万人に上方修正
(2)失業率4.1%、平均時給26.63ドル(昨年比2.5%)
(3)11月の物価上昇率1.8%
(4)2018年の成長率を2.1%→2.5%に上方修正。
堅調です。これをうけて昨夜の米国株もS&Pで0.7%上昇しました。
物価は目標値の2.0%に届いていませんし、平均時給の伸びもそう高くないので、過熱が懸念されるほどではないと思います。長期金利も2.476%と安定しています。
数字としては問題ないのに「高値警戒論」が出てくることが問題なのです。
市場参加者の心理は揺れ動きます。
株価が順調で、実体経済の数字も良好でも、「高すぎるかも」と思う人が多くなっています。
今後、実際に何かが起こったり、数字が悪くなれば予想以上に売られることが予想されます。「やっぱり」というわけです。
ここまで上昇を続けてくれば、そういう心理になるのは仕方がないことだと思います。
「安くなったらしっかり買うぞ」と予定されている方は多いと思います。
本にも、暴落時の買いは大きなリターンを生むとあります。
しかし実際に実行するとなると、相当に難しいです。その原因は
(1)もっと下げるような脅迫感があること。
(2)弱気な論調が増えて、さらに下げるぞという記事が多くなる。
そしてこれが最も大きな要因だと思うのですが
(3)持ち株が大幅に下落して、新たに投資する意欲がうせる。
保有株をそのまま保有すべきか、それとも損が少ないうちに売るべきかに神経を使ってしまって、「新たな買い」にまで元気が回らないのです。
そうでない人ももちろんたくさんいます。バフェット氏はその一人です。
毎日読んでいるリョウスケさんに、下落時についての記事があります。
10年前の冬、大きな「暴落」があった・・・それが「悪夢」の始まり!2017年は2005年と似ている・・・ - リョウスケが米国株で億万長者を目指す
どうすれば下落時にしっかり買えるか?
鉄のように固い意志を持つ人は別にして、多くの投資家は下落時に適切な行動ができません。
最悪なのは、大幅下落時に「持ち株をすべて売却することです」
従って、下落時には「何もしない」というのは、後から見るとかなり上出来な行動だといえます。
しかし、もう少し踏み込んで下落時にしっかり仕込むことを狙いたいです。
処分を決めていない株を持たない。
下落時に困るのは保有株をどうするかです。
「絶対に売らない」と決めていれば、それはそれでけりがつきます。
しかし、新たに買いこむことへの動機にはなりません。
売りなければいけないような銘柄は持たない。はいい判断かも知れません。
今年大幅下落があるとしたら、5月以降が危ない。
私の予測です。理由は、現在の調子だと、2018年の1Q決算までは業績は良好だと思うのです。したがってそれを織り込む4月、5月の決算発表までは地政学的なリスクを除けば波乱は少ないと思います。
しかしその好材料出尽くす5月下旬以降は、波乱含みと考えています。
何の問題もないように思える今でも、「割高論」「下落するぞ」という記事が出てきています。今後はこの手の記事は増えると思います。
市場は、参加者の心理でも動きます。一部でも利確に動いたら下落の大きな要因になります。ここまで上昇してくると、投資家の含み益もたまっていて利確のエネルギーは十分ですから、下落がさらに利確を呼ぶ可能性は十分あります。
昨年12月のハイテク株の下落はその一部かなと見ています。特に原因があったわけではなかったです。大幅に上昇してきたNVDAなどが大きく売られました。20%弱の下落でした。今はほぼ戻っていますが。
ハイテク株についての見方
ハイテク株は金利の上昇に弱い。と言われます。特にPERが高い会社は、株価に対して利益が少ないので、金利の上昇が利益を圧迫するという考えです。
しかし、現状のハイテク株はアップルやマイクロソフトはぐっすらお金を持っていて置き場所に困るくらいです。特別減税があっても米国にもどす必要はないほどです。
だから金利の上昇に弱いというのはちょっと違うのでは?と突っ込みたくなります。
しかし、真実がどうであるかはこの際問題ではありません。そう思われていることが問題なのです。
12月のハイテク下落でも、軒並み売られました。実態はどうあれ「ハイテク株」のくくりで売られたのです。
だから普段はなかなか買えないVビザなども下落して、ずっと買い増ししたかったのがやっと買うことができました。(といっても現株価より6%ほど安く買ったというだけですが)
長期金利が上昇するのは実は健全な証。
まずいのは、長短の金利が接近することです。逆転となるともういけません。
短期金利はFRBが年3回のペースで上げていますので、長期金利も少しずつでも上がっていかないと追いつかれてしまいます。
でも「長期金利の上昇=引き締め」ととらえる人もいるでしょうから、下落のきっかけになります。特にハイテクは売られやすいです。日経新聞にもそうありました。
こういう過剰反応は買いのチャンスととらえます。
またまた長くなりました。上記にあった新興国等はまたにします。
<私の今年の方針>
1 5月中旬までに「ずっと持つ株」以外は売却してインデックスに入れ替え。
2 ずっと持つ株は、「何があっても売らない」。
3 8,9,10月に下落があれば仕込む。
4 投資対象は米国を中心にする。(その理由はまた)
以上です。あくまで私見ですので参考になれば幸いです。
皆様のよい投資を!
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