「米国株下げ説」が出てきたが、今後どう対処する?
米国株投資家の皆さまこんにちは。米国株永久投資を目指すチンギスハンです。
2017年6月7日(水)
高値をつけている米国株ですが、そろそろ「下がるぞ」説が出てきました。かのジョージソロスは空売りを仕掛けているようですし、(この人はしょっちゅう空売りをする、予言が当たる確率は約50%です、下駄と同じ確率です)。いろいろな人が、待ってましたとばかりに、「米国株高すぎる説」を出してきました。内容を見てみると、「自動車の消費がピークアウトしている」とか「長期金利が上がらない」と言ったものです。自動車がピークアウトしてから、もう何か月もたちます。なぜその時言わなかったのかなと思いますが、多分タイミングを計っていたのでしょう。
長期金利については、現在2.13%と確かに高くありません。問題ではあります。しかし、これもFRBは「今年3回あげたい」という希望を表明しただけで、自分の都合のいいように解釈したい人が多かったためと考えられます。実体が希望通りにいかないのは当然のことです。もともと「今年3回+資産縮小開始」というのは、FRBの願望表明で、決意表明ではなかったです。それが、3月に利上げし、この6月に利上げできれば、「上出来」だと私は感じます。9月の利上げと12月の資産縮小は延期でしょう。
台風の進路じゃないけど、予想には幅があったわけで、それを一方的に上限で解釈してきたことに問題があると感じます。年2回の利上げというのは、上限ではないけど、下限でもなくて、「着実な実績」だと思います。日欧ともに「金融正常化」の入り口にも到達していませんから。
まあ下げる方に持っていきたい人は何でもかんでも理由にしたがるでしょう。
油断は禁物。
株価が大きく上下してくれた方が都合がいい勢力はたくさんいます。したがって、いくら根拠が希薄でも、また筋が悪くても、今後下げる確率は濃厚です。その理由は
1 期待感で上げてきた部分があること。
トランプによる、「減税」や「公共投資」はすんなり議会を通るとは思えない代物でしたが、とにかく株価を上げたい勢力は、ムードを利用して上げてきました。FRBも上げ潮を利用して、利上げを達成しました。しかし、次第に化けの皮がはがれてきました。議会を原案通りには通過できないこともはっきりしました。それどころか「トランプゲート」で大統領そのものの資格まで問われ始めています。
2 これ以上の好材料は演出しにくいこと。
1Q決算は平均14%アップと好調でしたが、「夢をかきたてる」次の手段が見当たりません。
3 利確したがっている人が大勢いること。
株価は平均線のかなり上にあります。つまり利が乗っています。これ以上の上昇が見込めないと見ると、かなりの人たちは「我先に利確」に走るでしょう。
ということで、これから上げるエネルギーと下げるエネルギーでは、下げるパワーの方が強いと感じています。ソロス氏のカラ売りは今回は成功の確率が高いと見ます。
私たちはどう対処する。
1 下げる余地はどのくらいあるか。
常に株価はオーバーシュートしますから、下げ幅を予測するのは難しいです。しかし、何らかの検証はあらかじめしておくと動きやすいと思います。
S&P500の2年チャートです。昨年を見てみます。〇〇ショックの下落を無視して見ると、昨年の今頃がだいたい、2100です。今が2430で16%の上昇です。1Q決算が平均利益14%UPですから、そんなにかい離しているわけではありません。トランプ以前の株価が高くないとすると、下げても2300~2400の間に適正価格があると思います。(筆者の判断です)
ただし、売る方はしっかり下げたいですから、トランプ以前の2100~2200が目標とするでしょう。
2 うかつに、早めに、買い向かうのは危険が大きい。
相場は、「動きたいように動く」ので、「勝手読み」して買い向かうのは得ではないと考えます。やりたいようにやらせておいて、遅くとも9月には結論が出ますから、その時に買いに入っても遅くないと思います。(例年9月は安い月です。昨年は違いましたが)。
3 価格と時間軸の両方から判断する。
価格だけでなく、時間も考慮すると、安全度が高まります。価格は上にも下にも常に行き過ぎるので、予想が難しいからです。
4 米国株のマイナス材料を検討する。
(1)トランプ政権の実行能力。
もともと、すんなりいくはずのないものが多かったので、期待外れではない。
(2)トランプの弾劾等政治問題。
予測がつきにくいですが、ロシアとずぶずぶになってから表面化するより、早めにロシアと手が切れて良かったと個人的には考えます。また、弾劾はペンス氏の方が、米国民に受け入れられやすく、(初めから大統領候補だと彼もあれこれ言われたでしょうが、トランプとの2択なら8:2でしょう)米国民も世界中も「ウエルカム」でしょう。空白だけがリスクです。
(3)資金が米国に流入して株高を演出している。
証拠は、米国長期金利が低いことだそうです。これは事実でしょう。
しかし、今世界で投資資金を受け入れられる国が、米国以外にどこにあるでしょう。欧州は確かに一時の「ドミノ倒し」の危機は逃れました。危機で逃れていた分の還流はあるでしょう。しかし、欧州に今後投資資金が集まるとは思えません。むしろ、欧州の銀行は、英国離脱もあり、非常に「稼ぎにくい」不安定な状況にあります。ユーロの行く末も含めて、「主流の」投資先になるとは考えにくいです。
欧州の優秀な銘柄はたくさんあります。ADRでNYでも買えます。私も、ULユニリーバと、RDSシェルを保有しています。しかし、超優良銘柄の場合は米国株と比べて特に割安とは感じません。
日本は、今後長期金利の上昇が抑えられ、円高になりやすい点を考えると、為替面のプラスより、日本株のマイナスの方が優るでしょう。
ということで、米国への投資資金の流れはかわりません。
(4)原油価格の下落
これは大いにあり得ます。OPECの減産合意延長も、内部の結束の弱さや減産の実態がわかるにつれ限界が見え始めました。需給の改善が見られなければ40ドル割れはあり得ると思います。そうなると、過去の経験がありますから、マインドは一気に弱気に傾きます。もちろん石油株は売られます。
まとめと方針
1 これから年後半にかけて下げる展開もあり得る。
2 その時は、あわてて、飛びつかずに、「時間軸」も考慮して底を見極める。
3 「割高でない銘柄」を仕入れるのは、そのような流れとは関係なく行う。
4 米国株が優位な状況は今後も変わらない。もっともらしい「情報、流言」に惑わされないようにしたい。
以上です。みなさまのよい投資を!
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