暴落を待って大量に買うは夢物語 退職前後の投資(9)
台風も去って暑くなりましたね。とにかくこのところの気温の変化は激しすぎます。
前回までに、退職時前後に株式投資を始めるなら①世界全体をイーマクシススリムor楽天全世界投信で②ドルコスト法で毎月定額積み立てがまずは間違いがない。
と書きました。
さて投資家ならだれでもが一度は思う「暴落時に大量に仕入れればいいじゃあないか」という件について考えてみたいです。
順調に上昇している米国株ですが(そして米国が54%をしめる世界株も少し控えめに連動して)過去を見ると大きな下落を経験しています。
10年前にはリーマンショックの大暴落がありました。下はダウの長期チャートです。
(世界経済のネタ帳より)
ダウも日経も半分以下にまで下落しました。
こんな過去をみると「ちまちま買わずに、どうせ暴落がくるからその時思い切り買えばいいんじゃない?」と思うのは当然です。
さらにこれはダウですが、ナスダックや、個別株はさらに劇的な下落をしています。
ちなみに大不況時には、海運、鉱山、金融、ハイテク株の下落幅が大きいとされています。
海運の運賃指標のバルチック指数は90%以上も下落しました。
そんな暴落時に大量に仕込んでおけば億なんて軽いです。
リーマン以降、アマゾンで20倍、グーグル、ビザ、ユナイテッドヘルスなど固いところでも10倍超,アップル、マイクロソフトなどさらに固い大所でも7倍ほどになっています。
ちなみにS&P500が4倍ほど、ナスダックが7倍弱、ハイテクETFのVGTが7倍ほどです。
まさによだれがでます。
暴落時を待つのは意味がない理由。
しかし、それは現実的ではないと考えます。その理由は
(1)暴落が①いつ②どのくらいの規模で来るのかが誰にもわからないこと。
なお、今も高過ぎると言われていますが、リーマンの経験から機関投資家の過大な投資が制限されているので、大きな暴落は起こりにくいと言われています。
(2)暴落時に「大量に買う」という行動ができるとは限らない、まずできない。
機関投資家を始め多くの人が悲観的になって「売りまくって」いる時に逆に行動するのは、思うほど簡単ではありません。
リーマン時の2009年1月に、かのウオーレンバフェットが「みんな買うにはいい時期だよ、買わないと上がってしまうよ」とコメントしたことがありました。
NHKでも放送されていました。
「この人こういってるけど、ちょっと早すぎるでしょう。この人落ちるナイフを平気でつかむんだなあ」と思ったのは私だけではなかったでしょう。
暴落時に限らず、素人がタイミングよく売買することなど不可能、と私は信じています。
(3)混乱時には「何もしない」ことが素人にはたいていの場合最良の選択になると感じています。
☆理論的には暴落時、大幅下落時には「全力で空売り」が正解になりますし、機関投資家はそう動きます。だから、思った以上に下落が大きくオーバーシュートします。
(4)大底を見極めるのが難しい。
たいていの場合相場は上にも下にもオーバーシュート(行き過ぎ)ます。
下落時は特にその傾向が強いです。理由は機関投資家のカラ売りでしょう。何しろプロですから儲けの機会は逃しません。
ですから「もうそろそろ底だろう」と思っても、なかなかそうはなりません。
結局は大きくリバウンドして、だれの目にも底を打ったことが明らかになるまでは動けません。
そしてその時点ではかなり大きく上げてしまっています。
後で考えれば、それでも十分低い水準なのですが、最安値が思考の基準になってしまうので、(直近の高値、安値を基準に考える投資家心理、人間心理があります)高く感じてしまうのです。
(5)ボラティリティが高い時期なので、リスクが大きく投資額が限定される。
一切株を保有していないまっさらの状態でも、自分の取れるリスク以上の投資は出来ませんから、投資額は限定されます。(考え方によります。これは私の考えです)
すでに株を保有している場合は、①含み損の状態であればリスクが拡大するので買えない。②含み益が減少している場合は、心理的にマイナスになっているので買いにくい。
(結論)
(1)そうすると暴落時には、大底を確認してから自分のリスクを越えないように少しずつ投資を増やしていく。のが最適な行動になる。
(2)「暴落時に大量に仕入れる」というのは考えない方がいい。
(3)下落時に仕入れられればラッキーだけど、基本は「平時」のコツコツした投資だと思う。
以上です。「下落時に損切りラインを設定すべきかどうか?」が書けませんでした。次回にさせてください。
追伸 「机上の空論を並べずに自分で実行したことを書け」というようなコメントを頂きます。
現在の記事の目的は「退職時前後の投資として最善の行動」です。
私自身はもうリタイアしてしまっていますし、最善の行動がとれたわけではありません。だからそれを踏まえて「参考にして最善を実行してほしい」という願いで書いています。
また自分が勉強した内容を書き留めておく意味合いもあります。
成功体験は多くの方が書かれています。私は大してない上に古い話です。最新でうまくいっている方のをご覧ください。私もそうしています。
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やはりドルコスト法がやりやすい。 退職前後の投資(8)
台風接近で雨が激しいです。
さての昨日までのまとめと補足です。
(1)世界全体の時価総額に合せた投資が無難で基本になる。
(2)楽天全世界インデックスファンドは一本で世界に投資できる。
(3)eMaxisSlimを使えばさらにコストを抑えることができる。ただ少しだけ手間。
<補足と再掲>
(実質コストはしんたろうさんのブログ、つみたて次郎さんのブログによる)
銘柄名 | 年間経費 | 報告書による | |
カタログ値 | 最新実績 | ||
楽天V | 全世界 | 0.2296 | 0.502 |
eMaxisSlim | Topix | 0.1717 | 0.178 |
先進国 | 0.11772 | 0.197 | |
新興国 | 0.20412 | 0.389 | |
米国 | 0.1728 | ー | |
世界日本除く | 0.15336 | 0.24 | |
日本+世界 | 0.1552 | 0.2338 | |
組合せ | 0.132 | 0.214 |
(1)スリムの日本以外世界の実質コストはつみたて次郎さんが計算された予測です。
(2)日本10%+日本以外世界90%で計算しています。実際の日本のシェアは8.1%です。
(3)組み入れ銘柄数は、楽天全世界が8077銘柄、スリム世界が2234銘柄で85%のカバーで、楽天の方がカバー率が大きいです。
(4)組合せは日本10%、新興国10%、米国10%、先進国70%にしています。
米国割合が55.5%になり実際のシェア54%よりも1.5%多くなっています。
<私の結論>
1 楽天全世界は有力だ。しかし将来目が肥えてきたときはコストが気になる人には気になる可能性あり。
2 スリムはコスト的には一番。銘柄数が少ないことは実質のパフォーマンスにそれほど差が出るとは思えないのでシニアには問題はないと思う。
3 スリムを使う場合、一番簡便なのは日本10%+日本以外世界90%
厳密にシェアに従うなら8%+92%だけど。
4 日本10%、新興国10%、米国10%、先進国70%の組み合わせの利点は、一つの証券会社の口座で見れば、パフォーマンスが一目瞭然にわかること。だから一番私は一番おススメ。また将来に変更できる余地も残している。
いつどれだけ投資するかは一番悩ましい。
対象が決まったところで、具体的にいつどれだけ投資するかという難題があります。
どの本をみても、毎月の定額積み立てを奨めています。これは正しいのでしょうか。
私もそれは当たっていると思います。
ドルコスト方というのは毎月〇万円を15日とかに積み立てる方法。
メリット
1 悩む必要がない。
2 実績が証明されている。
3 NISA枠が使いやすい。月に10万までの積み立てが可能。
仕組みが変更になり、5年たったらそのまま放っておけば繰り越し(ロールオーバー)が可能になった。
ネット証券だとセットしておけば自動的に買い付けてくれます。
ドルコスト法の問題点、欠点は?
ドルコスト法は「右肩上がり」で有効です。「右肩下がり」ではうまくいきません。
例えば日本ではバブル以降長期に渡って株式市場は低迷しました。このような局面ではうまくいきません。
したがって世界市場が「上昇トレンドにあること」が条件になります。
一時的な通常の下落はよく起こる。
上昇トレンドの時でも10%強下落することはよくあります。下はS&P2年チャートです。
今年の2月、4月には下落しています。しかし長期トレンドは継続して最高値をつけています。
たいていの場合は問題ないといえます。
一時的な下落なのか、下落トレンドに転換したのかを見分けるのは難しいです。
明らかな「長期的な下降トレンド」入りの時には参加しないのが無難と思います。ただし、これは私の考えですが。
一部の国の不調は問題ない。
世界の指数に影響がなければ、また、世界経済に大きな影響がなければ、気にしないでいいと思います。例えば、最近のトルコの問題などです。
米国や中国の変調は世界経済への影響が大きいです。
大幅下落がきたらどうするか?
リーマン以降10年以上に渡って長期トレンドが続いています。
そのためか、雑誌等をみても強気の記事が多いように思います。
しかし、株式市場には当然大幅下落した歴史もあります。
1929年の大恐慌のように数十年に渡って低迷が続いた時期さえあります。
大幅下落が来た場合の対応を考えておくのも大切な作業と思います。
ただし対応は個人差が大きいと思うので、長くなりますので次回にしたいと思います。
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eMaxisSlimでさらにコストを追求する。全世界に投資する(2)退職前後の投資(7)
日経平均が27年ぶりに高値を更新しましたね。
昨日は「これ一本で全世界に投資」という便利な「楽天V全世界インデックスファンド」をご紹介しました。
今日はもう一つの魅力的な方法をご紹介したいと思います。
なおこれは私が調べた範囲のことですので、間違いやさらに有利な方法があれば教えてください。
<少し手間はかかるがさらにコストの安い投信がある>
楽天全世界も十分手数料が安い投信と言えますが、少し手間をかけるとさらに安くする方法があります。さらにこの方法にはプラスのメリットもあります。
eMaxis Slimを利用する。
三菱UFJ国際投信のeMaxis Slimという手数料が最安レベルの投信があります。
(手数料は変化するので現時点ではということです。会社のHPは
現在全世界をカバーする投信はここからは残念ながら出ていません。
時間の問題だと思われますが、担当のかたぜひ早く出してください。
現時点ででているものは(9月29日時点)
1 日本株(Topix)0.159%(税抜き)時価総額45億円
2 日本除く全世界 0.142% 22億円
3 日本を除く先進国 0.1090% 227億円
4 新興国 0.189% 92億円
5 米国S&P500 0.16% 34億円
これらを組み合させると全世界のファンドを自分でつくることができます。
楽天全世界と同じようにするには日本8.1%先進国82.4%新興国9.5%の割合になります。
細かいことですが、楽天全世界とeマクシススリムでは基準とする(ベンチマーク)インデックスが異なります。
韓国が楽天バンガードでは先進国に、イーマクシスでは新興国に分類されます。
韓国の1.6%が加わりますので厳密にはイーマクシスでは新興国が11%になります。
しかしほとんどパフォーマンスには差がないので計算が便利なように
日本10%、新興国10%、先進国80%で組むます。手数料は楽天より安くなります。
さらに、年間経費は目論見書に当初記載されたものと、実際に運用された報告書から割り出した実質のモノとでは差が出るのが普通です。
最新の実質コストをくわしく計算された「しんたろうのお金のはなし」というブログがありました。引用させていただきます。詳しくはしんたろうさんのブログをご覧ください。
【楽天・バンガード・ファンド】実質コストが明らかに! 第1回決算運用報告書。eMAXIS Slimとも比較。 - しんたろうのお金のはなし
エクセルにまとめました。
ブランド名 | 銘柄名 | 年間経費% | 報告書からの実績 |
カタログ値 | 最新実績 | ||
楽天V | 全世界 | 0.2296 | 0.502 |
全米 | 0.1696 | 0.311 | |
新興国 | 0.2696 | 0.601 | |
米国高配当 | 0.2096 | 0.467 | |
eMaxisSlim | Topix | 0.1717 | 0.178 |
先進国 | 0.11772 | 0.197 | |
新興国 | 0.20412 | 0.389 | |
米国 | 0.1728 | 新発 | |
日本以外全部 | 0.15336 | 新発 | |
組み合わせ | 0.132 | 0.214 |
(1)実質コストはしんたろうさんのブログより。
(2)年間経費は運用会社目論見書によるもの。スリムは税抜きなのでそろえるために税込みに統一しました。
(3)組み合せは日本10%新興国10%先進国80%で計算しています。
(4)スリムの米国はS&P500です。最も一般的な米国インデックスです。
(5)楽天全米はS&P500より広く企業をカバーしています。両者の差はわずかです。
<両者の違いを比べると>
(1)楽天全世界の年間経費も高いとは言えない。一つで済ませたい人には便利。
(2)さらにコストを追求する人にはスリムの方が安い。
(3)千円とかでもコストが上昇するわけではないので、毎月15日に1万円とか定期的に買えば分けて買っても面倒さはない。
(4)分けて買っていると「どの市場が調子が良いか」とかの情報が一目でわかる。
将来的にさらに勉強しようとする人は分けた方が関心は高まりやすい。
★このブログサイトでも有名な「つみたて次郎」さんの9月23日の記事に楽天とスリム全世界(日本を除く)をていねいに比較した秀逸な記事があります。どうぞご覧下さい。
楽天VTとeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)を徹底比較 | つみたて次郎の貧乏投資日記
<米国を分けるとさらによくわかる>
全世界の54%、日本を除く先進国の65%を占める米国を分けるとさらにわかりやすくなります。
その場合の比率は日本10%新興国10%米国10%先進国70%となります。
パフォーマンスやコストは上記組合せとほとんど変わらないでしょう。
これら全世界への投資を50~100%組み入れれば、角のとれたまるい投資になります。
そして、さらに、特定の国や業種のETF、個別株に取り組む発展性もあります。
いつ、どれだけ買っていくかについては次回に書きたいと思います。
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楽天全世界インデックスファンドで世界中に投資する 退職前後の株式投資(6)
街はカープ優勝で沸いています。私はフアンというわけでもないのですっかり取り残されています。
さて、昨日は投資は株式だけで十分という結論でした。
今日はその中身について考えていきたいです。
リタイア者ですからなるべくリスクの少ないものにしたいですね。
あと手数料が安いことも長い年月では大切です。
1 まずはインデックス投信を中心に考える。
株式投資にはトヨタなどの個別の会社に投資するものと、それらをいくつかにまとめた投信に投資するものがあります。
投信の中で市場のインデックスに準じるインデックス投信の良さが最近際立っています。
初めに知っておきたいインデックスの違い
日本だと「日経平均」や「TOPIX」が有名です。
そのうち日経平均は225社の株価を積み上げたものです。
TOPIXは時価総額に応じて算出したものです。
TOPIXやS&P500が指標としては無難。
米国では日経平均に当たるのがダウです。こちらはわずか30社で構成されています。(正確にはダウ工業株30種といいます、他にも公共株とか輸送株とかあります)
ダウの内の1社のBAボーイングは350ドル程ですから、50ドルの会社の7倍もの影響力があります。
とても平等とは言えませんが、強者が相場をつくると考えれば、インパクトが増すので道理にかなっているといえます。
日経平均は225社もあるのでダウよりはかなり対象が広いといえます。しかしユニクロのファーストリテイリング<9983>は58000円ほどしますから数千円の会社の数十倍の影響力があるといえます。
したがって、角がとがっていない方の、日本ならTOPIX、米国ならS&P500が基本と言えます。
でもNHKなどのマスコミでは、ダウしか言いませんよね。
2 インデックスに準じた投信はコストが安い。
TOPIXやS&Pは勝手に計算されるので、投信運用会社は銘柄選びにコストがかかりません。
したがって他の投信と比べるとうんと安いコストで運用されますので投資家には有利です。
3 上場したETFもあるが売買の手間がかかる。
東証やNY市場に上場した投信もあります。しかし株式と同じように売買に手間と費用がかかります。
リタイアシニアとしては普通の投信の方が使いやすいと思います。
4 日本の世界での株式シェアはどのくらい?
国別シェア 2018年6月30日(ヴァンガード社HPより)
上位10市場 (%)
米国53.4% 日本 8.2% 英国 5.9% 中国 3.3% カナダ 3.1%
フランス 3.1% ドイツ 2.9% オーストラリア 2.3%
スイス 2.3% 韓国 1.6%
日本は堂々の世界2位です。
でも・・・その割合は・・・8.2%しかありません。
グローバルな時代に日本だけに投資というのはリスクが高いです。
5 世界のシェアに応じた投信も出た! 現在はこれが一押し。
昨年登場しました。
楽天全世界インデックスファンドです。手数料が安いことで知られる米国バンガード社の商品VTの日本版です。VTは上場投信ETFです。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 楽天投信投資顧問
年間経費は0.226%(税込)となっています。安いです。
いい点は
(1)円で投資できる
(2)これ一本で済ませられる。
(3)配当は出ないので面倒がない。
(4)NISAで買える。月に10万ずつ買だとちょうど枠を使い切る。
(5)国ごとのシェアが変わっても勝手に調節してくれる。ほったらかしでいい。
(6)売買が簡単。
※筆者は楽天投信とは何の利害関係もありません。
反面あえてデメリットを挙げると
(1)個々の国や地域の状況がわからない。
(2)将来さらに年間手数料が安い投信が出る可能性がある。
そうなれば新規投資はそちらですればいいだけですが。
結論
投資経験がなかったり、株式投資がよくわからないときは、ファーストオプションになる投信です。
他の選択肢については次回書きます。
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退職時以降の投資対象は株式だけで十分な理由 退職時前後の投資のポイント(5)
こんにちは。今日は退職以降の具体的な投資対象についてです。
まず今までの投資実績によって大きく変わること。
それまでにやってこられた投資がうまくいっているのならそのまま継続で問題ないと思います。
問題は退職時前後で新規に始める場合です。
退職後の株式投資の目的をおさらいします。
(1)資産が現預金に偏らないようにバランスをとる。
(2)経済成長の恩恵を取り込む。
(3)将来の大きな変化に対してのリスクヘッジとして。
つまり大きく増やしていくという積極的なものよりも「守り」の要素が強いと思います。もちろん、それまでに攻めの投資をされてこられた方はそのまま継続で問題ないです。
<リスク資産は株式だけでいいと考える理由>
株式以外では、不動産、金、債券が候補です。
(1)不動産
退職すると時間が十分にありますから、それを利用して、不動産経営をするというのはいいかもしれません。
ただし不動産経営は「投資」というより「事業」という側面が強いです。
また、物件は世界に唯一なものを扱うので、何より経験と情報が重要です。
不動産屋に嘱託で就職したり、電気工事の免許をとって修繕も自分でやるとか、本気で取り組むのはいいかもしれません。
安易に参入すると金額が大きいだけに大きな損を被る危険性があります。
昨今も「かぼちゃの馬車」というシェアハウスでの被害が報じられました。
少額で不動産に投資するのなら東証にも上場されている「リート」という商品があります。こちらは株式に近く安全度は高いです。(損がないという意味ではありません)
不動産の難しさ
国、地域による格差が大きい。
景気、金利等の環境に大きく影響を受ける。
物件を見分ける「目利き」が必要だ。
結論
投資家の能力、経験で大きな差が出るので一般的ではない。
(2)金
ドルと反対な動きをすると言われています。
金利を生まないので高金利になると不利。
経済成長を取り込めるわけではない。むしろ経済危機の時に選好される。
しかしリーマン時には金も下落した。
売買益は申告の必要がある。株式のように特定口座で自動的に引き落としではない。手間がかかる。
買いと売りのスプレッドが株より大きい。
実際の預金封鎖とかの経済危機になった時に使用できるかは不明。
ロシア危機の時は偽物が横行して使えなかったそうです。
おつりはもらえないので「小さいロット」の延べ板や金貨も保有した方が安全。でも金貨は割高です。
結論
株式とかの投資ですでに十分に分散できている方が「さらなる安全」を求めるにはアリだと思う。
3 債券
これについての見解が一番分かれると感じます。
債券を押す人の意見は「株式と反対の動きをするからヘッジになる」というものです。
確かにリーマンなどでは、株式が半値以下に大幅に下落したのに債券の値下がりは小さかったです。
しかし株式と異なる動きをするとは言っても変動はあります。
下はバンガード長期債券ETFのBLVの10年チャートです。
年配当は3.98%です。毎月もらえます。
その代りS&Pがリーマン以降10年で3倍ほどの上昇なのに対して、30%ほどの上昇にとどまっています。
結論
(1)外国債券の場合為替リスクがある。
(2)値動きはかなりある。
(3)現在のような利上げ局面では下げ基調になる。
(4)リーマン以降、各国の金融緩和により金利が極限まで下がった。→
そのため債券は上昇した。ポイント;金利と債券価格は逆相関の関係にある。
(5)したがって現在の債券は相当な高値圏にある。
今後債券価格が大幅下落する可能性はある。
(6)これは米国債券だが新興国債券はさらに動きが激しい。
(7)株式とは異なる動きをするとは言え変動リスクがある点ではリスク商品である。
(8)今後も激しい動きが予想される。金利動向は予測不能。
ということで外国債券は特に新興国債券は保有する理由は見当たりません。
MMFは別。
ただし、ドルMMFとかは別で保有の理由があります。
それは
(1)生ドルでは金利がつかないがMMFでは1.5%程度の金利が付く。
(2)税金の申告が不要。特定口座であれば20.315%の申告分離課税を源泉してもらえます。
(3)したがって証券会社でドル転した場合は、使わないドルはMMFに入れたいものです。
(4)楽天証券ではドルMMFから直接米株、ETFが買えます。(資金でドル、MMFを含むにチェックを入れる)
実は株式と反対の動きをするのは日本円、スイスフラン
リーマンショックで株も債券も金も大きく下げる中で、相対的に上昇したものは、①スイスフラン②日本円でした。
理由はどちらも金利が他の通貨よりも低かったことです。
金利が低いので好況時には「キャリートレードの相手として借りられます」
不況になれば逆転するので、スイスフランや日本円は大きく上昇するのです。
大幅円高は日本経済に悪影響という理由で、リーマン時には日本株は米国株よりも大きく売られました。
日本円はわざわざ買わなくても通常日本人なら現預金で保有しています。
だから、株式のヘッジとしては日本円は最適だ。と言えます。
日本債券、日本国債で保有する方法もあるが・・・
日本国債で金利が年0.05%程度ですから、円保有との差はありません。
もちろん、日本国債や(個人向け)日本債券ETF(2510野村日本債券ETF)などで持つのもありですが、現預金のままの方が管理は簡単と思います。
今日のまとめ
退職後の投資は株式だけで十分といえる。
それでも海外債券を保有したいときの注意。
「株式とごっちゃになったものは買わない。」
投信の中には、株式と債券が一緒になっているものもあります。
動きが緩やかなので人気です。
しかし売却するときはセットで売ることになります。
だから、債券だけの投信で保有する方が「小回り」が効きます。
例えば、株式、債券投信を50%づつ保有しておけば、株下落時には株だけ売ることが可能です。
私もリーマン時に「株式投信」を「債券投信」に全額乗り換えてリーマンをやり過ごし、また株に乗り換えたことがあります。トータルではプラスになってありがたかったです。
株式投資としての対象の選び方については次回に書きたいと思います。
ここまで長文をお読みくださりありがとうございます。
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退職時までにぜひしておきたいこと リタイア時前後の株式投資(3)
今日は具体的なことの前に退職までにぜひ準備しておきたいことを挙げておきたいと思います。私も過去にもどれるならぜひ確実に実行したいです。かなわないことですが。
資金の最大化より投資実践・経験の方が大事だと思う研
投資にはいろんな方法がありますが、シニアとしては着実・安全を第一に考えたいものです。
そうするとお金ができたからと言って一気の投資はリスクが大きくてできません。
適正なリスクを考えると退職時までに投資の経験を積み、できれば含み益・実現益を積み上げておくと有利さが際立ちます。
その理由は、含み益(実現益も含めていいと思う)があると、リスク許容度に余裕があるので、退職金などの資産をより積極的に運用できるからです。
ただし相場は右肩上がりもあれば、その反対もあります。
下記はS&Pの10年チャートです。
リタイア時がどのような相場環境の時期かにもよりますが、過去10年で見ると長期的には順調な右肩上がりになっています。5年でほぼ2倍、為替も加味すれば2.5倍くらいになっています。
さらにこれはNASDAQではさらに値上がりは大きくなっています。
さらにさらにハイテク個別株ではこれより成績のいいものも多いです。
投資環境がよく「投資の好機」と思っても、そして退職金などで資金が豊富でも、初めは慎重に少しずつ投資を増やしていくのが常道です。
一方、投資を実践して経験や成果(含み益)があれば、資金をより大きく生かすことができます。
結果としては成果に大きな差がつくことになります。
例としては300万の含み益を持っていれば、数字的には3千万の退職金を受け取ったとして、その全額を投資することもリスク的には可能です。
(損切りラインをどのくらいにするかによって、また投資対象で異なります)
今日の結論
退職金を最大に生かそうとするならば、退職時までに、なるべく早く投資経験を積んで成果を上げておくのが大きな武器になる。
退職時以降に投資対象をどうするかについては次回にしたいと思います。
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退職者が陥りやすい株式投資のミス(3)投資の適正な規模は?
リタイア前後の株式投資のポイント(3)です。
前回は投資の目的を明確にするとミスが減るというところまででした。
今日は退職者の投資の適正な規模について考えてみます。
(100-年齢)%が適正な株式投資の割合。は正しいか?
日本では年齢が高い方が資産規模が大きいそうです。
判断力の低下や耐えられるリスクの低下を考えると一応の目安にはなりそうです。
私の場合だと 100-66=34%が適正規模となります。
適正規模は個人差が大きい。
FPなどが組み立てたモデルプランなどをみても、一律に〇〇%を投資に、そして内訳も
日本株に25%海外株に25%債券が50%とかに設定しています。
それ以外に表現の仕方がないのでしょうが、これは大きなトラブルの種をはらんでいると思います。
それは、人によって事情が違うからです。
さらに投資を考える時点では、うまくいったときのことを想定しますが、投資では逆を想定することがより重要です。
リターンは投資規模に比例する。損失もまた同じ。
リターンが大きくて困ることはないでしょうが、損失の方は大問題です。
リスク耐性は資産額に比例するとは限らない、特にシニアでは。
資産の10%が失われる痛手は、1千万円の場合は100万円です。
1億円の人は同じ割合だと、1千万円、10億円なら1億円です。
つい、簡単に大丈夫と思ってしまいがちですが、そうとは限りません。
いくらまで精神的に大丈夫かはその人個人によると思います。
つまり、資産額の〇%と一律に決めるのは早計です。
私は資産の2%くらいが無難な水準だろうと考えています。
5千万なら100万円です。
そうすると10%で損切り、つまり、最大の損失額を10%とすると、当初の投資額の上限は1千万円ということです。
これは資産の20%に当たりますから(100-年齢)%よりは少ない数字です。
投資額の上限は変化する。
リタイアのずっと前から投資をしていて、十分に利益が乗っている場合は、全く違ってきます。
リーマン後の10年でS&Pで3倍強に増えています。為替を加味すれば、リーマン直後からは4倍ほどの上昇です。
少しずつ買っていったとしても2倍以上にはなっています。
そうするとリタイアまでに1千万の投資で、1千万の含み益がある場合を考えると、
退職金が3千万あったとして、それをすべて投資しても、なおリスクには余りがあります。(私がそんなに退職金をもらったという意味ではありません、あしからず)
これを見ると、退職前の投資は大きな意味を持つことがわかります。
リタイアまでに投資の経験と含み益が十分にあれば、退職金等の資金をより早期に生かすことができます。
右肩上がりが続いた昨今の相場ではこのスタートの違いは大きいです。
まとめ
つまりリタイア時、リタイア後の適正な投資額は人によって大きく違うといえます。
自分が慎重に投資を始めるべきなのか、フル投資でも大丈夫なのかを見極めて投資戦略を建てる必要があります。
もっともフル投資でも大丈夫な方がこの記事をご覧になっている確率はとても低いと思いますが。
一般に本に書いてある投資額は、含み益を持っていない場合は「大きすぎる」と感じます。
小さく始めても、利益が乗ってくれば拡大すればいいので大丈夫。
投資に「やる気満々」の人は、資金の20%と聞くと「この人消極的過ぎるな」と感じることでしょう。
順調に投資が進み、含み益が拡大すればそれに合わせて投資額を増やせばいいのですから問題はありません。
そして最終的にどこを限度にするかは、その時に決めればいいのです。
さらに、リスクを計算した上でのフル投資は決して「過分な投資」ではありません。これからはシニアの方でも(100-年齢)%を大きく超えて投資される方が増えると思います。
リーマン以降10年、アベノミクス以降6年と順調な右肩上がりの時期が続いているので、強気の方がほとんどです。本の内容も強気です。
シニアでは失敗するとデメリットが多い。
若い方なら、大きな失敗も「今後の糧」ということも言えます。
しかし、シニアで投資に失敗すると「もうこりごり」「永久に撤退」となってしまいます。
そうすると株式投資で経済の成長を取り込めないというデメリット以外にも
「資産のバランスをとる」「将来のリスクに備える」という役目が果たせなくなってしまいます。
将来の不測の事態や社会変化を考えるとこれは大きな損失と考えます。
株式投資から撤退すると、ほとんどは現預金に向かうでしょう。
現預金がほぼ100%という状況をどうとらえるかですが、歴史的に見ると「大きなリスクがある」と言わざるを得ません。
株式投資から不動産投資に向かうという選択もありますが、難易度は上がるでしょう。
不動産は「目利き」が必要ですし、一つのロットが大きいです。
クリック一つで売るわけにもいきません。
もちろんしっかり勉強と実践を積めば不動産投資の魅力は大きいですし、株式との併用も出来ます。しかし、手軽さという面では、とりあえず株式投資をうまく利用するのが近道と考えます。
退職者の投資の失敗談を見ると、「投資額が大きすぎる」「投資対象が適切でない」ことにつきます。かぼちゃの馬車もそうです。投資された方にはお気の毒ですが。
今日の結論
1 リタイア時前後に株式投資を始める場合は、適正なリスクで始めよう。
消極的に見えるかもしれないが、「失敗しないこと」が長期的には「成功につながる」と確信します。
2 リタイアよりできるだけ前に投資の経験と実績を積んでおくことは「見た目以上のメリット、アドバンテージ」がある。
次回は「リタイア者に適切な投資対象」について書きます。
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リタイア前後の株式投資のポイント(2)配当のワナ、誤解。
リタイア時の投資の要点を自分なりにまとめています。
今日はリタイア前後の株式投資のポイント(2)です。
昨日は、投資を特にする必然性はない。と考えると余裕が生まれてミスが減る。という内容でした。
2日目の今日は最も誤解が多い、配当についてです。
リタイア後の投資の目的は主に3つあると思います。
(1)増やす。
(2)配当を受け取る。
(3)時代の変化に備える。です。
(1)増やす。
長期的には通貨は下落します。
つまりインフレです。現時点ではデフレで困っていますが、歴史的には民衆はインフレで苦しみました。
それに対抗するには、不動産、株式、金・・・が有力です。
中でも、株式は企業にその源泉が起因するので有力です。
長期的には株式の価値は増大し続けます。
(2)配当を受け取る
米国企業でしたら、年に4回配当を出します。
とても魅力的です。
しかし、魅力が大きすぎるがゆえに、多くの誤解、ワナを生んできました。
これについてはあとで特集します。
(3)リスクヘッジとして
通貨の価値の下落スピードは一定ではありません。
大きな出来事、戦争、内乱、災害等で大きく下落します。
日本では、戦後のインフレが知られています。
しかもこの時は、預金も封鎖され、引き出しが少額に制限されたため、預金で財産を保有していた人は、紙くずになってしまいました。
土地で保有していた人との差は「天と地」の差があります。
今後もそんな事態があるとは限りませんが、先日の北海道の地震による停電のように、いつでも不測の事態は起こりえます。
予測していた人は多くなかったでしょう。
オール電化の家ではご飯も炊けません。
簡易ガスコンロ、ランプ、LED電灯、など複数の方法を確保する必要があります。
今後大幅なインフレが起こらないという保証はありません。
ましてや我が国は世界一の借金大国です。大幅インフレになって現金の価値が十分の一になっても政府はむしろ喜ぶでしょうから、複数の財産を持つのは必須です。
投資の目的を明確にすること、分けること。
リタイア時のミスの原因は多くがこのことに起因していると感じます。
リタイアして退職金をもらい、「さて投資でもするか」「銀行に知り合いがいるから相談してみるか」となると投資は「人まかせ」になります。
丸投げです。
一番大きな問題は売るサイドと当事者の利害は決して一致しないということです。
売る方は①たくさんの量を②手数料が大きい商品を 売ることが命題です。
一方買う方の目的はハッキリしません。
だから、いくらでも理由はつけられるのです。
結論 まず投資の目的を明確にしてからでも投資は遅くない。
営業担当がどれだけプレッシャーを受けているかは今回のスルガ銀行のパワハラを見ても明らかです。
目的を明確にするために、リタイア者が一番多く陥る配当のワナを見てみます。
(1)毎月分配型投信の問題点
配当が受け取れるという点に特化した商品が「毎月分配型」です。
金融庁が問題視して、下火になっていますが、それほど被害を受ける人が多かったのです。もっとも商品そのものに罪はないのですが。
古来、人類が永久機関や錬金術、はたまた不老不死の薬に魅せられたように、DNAに強く作用するものがあります。
給料の代わりに毎月配当を受け取れるというのは、「魅力的過ぎる」商品です。
その魅力が強烈なゆえに、本体の元本が減っていることにも気づかない人も多いくらいです。
「特別分配」と通知書に書いてあれば「ああ、努力して特別に分配してくれているんだろうな」くらいに解釈します。
皆さんはご存知でしょうが、「特別分配」というのは「タコの足食い」です。元本を切り崩しているにすぎません。だから税金も徴収されません。
なぜ知っているかというと、私も「世界リート毎月分配」を保有しているからです。少額ですが。
リーマン後に買って、分配金を含めると3倍近くになっています。
しかし、グーグルやビザなどがリーマン後から十倍を超えていることを考えると、そんなに効率がいいわけではありません。米国S&Pよりも低いくらいです。
合理的な投資効率を考えると有利な商品ではありません。
「心の満足」にマッチしているといえます。
もっともそれらの仕組みを知ったうえで投資する分には何の問題もありません。
(2)高配当株・優待株
「毎月分配」ほどではないけど、論議がわかれるのが高配当株、優待株へのスタンスです。
肯定派は「毎年100万円が受け取れると生活に余裕が生まれる」と言います。
否定派は「投資効率を考えると有利とは言えない」と言います。
似ているものに日本独自の文化として「株主優待」があります。
缶詰セットがもらえるものから、食事代の割引券や、ANAやJALでは航空券が安くなったりして、そのために保有している人も多いそうです。
私の知り合いにも専用の財布に優待券を詰めている人もいます。
「今月中に使わないと」と楽しそうです。
企業にも株主にもメリットがあるように思います。
「仕組みをわかって投資しているなら何の問題もない」と思います。
世の中には何億、何十億と持っていても「一切使わず」、ケチにケチって誰からも好かれず、そっくり残して死ぬ人もいるそうです。
資産が株式なら、わざわざ売って切り崩して使うには抵抗があります。
でも配当として強制的に配られれば、「再投資」する人もいるでしょうが、「配当で旅行でもいくか」という気分にもなります
生活が充実し、幸せ度が増すならメリットは大きいです。
高配当株や優待株を持つ理由は大いにあります。
一方、高配当株投資が「最も効率がいいか」と言う点では、そうともいえません。
だから、最高の効率を求めて「高配当株投資」をするのは無理があると感じます。
「この1千万」は自分の幸せ投資だ。というように明確に分離して割り切って投資するのがわかりやすいと思います。
今日の結論
自分の投資目的が
①資産の拡大②配当の受け取り③リスクヘッジ
のどれに重点を置くか、またはそのミックスかをハッキリさせてから投資に向かうとミスや後悔がぐっと減ると感じます。
次回は「適正な投資の額」についてです。
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リタイア者が犯しやすい投資のミス(1)投資は無理にしなくていい
昨年リタイアした66歳シニアです。
リタイア者、シニアにとっての投資について今まで勉強したことや経験から自分のためにもまとめておきたいと思います。
自分なりの感想です。年代やポジションでは当てはまらないことも多いかもしれません。参考になるところだけ取り入れてください。
そして当てはまらないところは遠慮なく切り捨ててください。
1日目のテーマは「リタイア者にとっての投資の位置づけ」です。
投資ほど、各自の立場でスタンスが変わるものも少ないです。
何十倍にもすることを目指す人もいれば、安全な運用を目指す人もいるし、はたまた、一生涯投資とは無縁な人もいます。
1 リタイア者が投資に求めるもの。
完全な合理性で最善の投資を目指すのは若いうちは当然だと思います。
でも、残りの年月が計算できるようになると、合理性だけでは満足が得られません。
心理的な要因も大きいからです。
本や週刊誌などに出ている退職者向けの投資には、この心理的な見方が欠落しているものが多いようです。
(1)リタイアすると労働収入が見込めない。
つまり、投資でのマイナスを労働収入でリカバーできません。
シニアは一般に金持ちだと言われますが、この点では損失に対しての抵抗力は決して強くないと考えます。
具体的には総資産の2%くらいがリスクの目安と感じています。もちろん個人差はあります。
従って、よく見られるモデルケースはリスクの取り過ぎである場合が多いと思います。
(2)リタイアしてからどんどん増やすことを求めるのは無理がある。
結果として資産が増大するケースは多いと思います。
しかし、資産を大きく増やすことを前提とした投資は、それまでの経験・能力に大きく依存します。
人並み以上の能力はないと思えば、より保守的な運用が現実的です。
(3)投資をしないときの生活設計ができるか。
投資を全くしないときの生活設計を考えてみます。
収入面では年金・その他の収入です。
支出面では、どのくらいの経費がかかるかです。
地域差も大きいので、よく本に出ている夫婦で30万円とかの数字は当てになりません。
家賃が要るかどうかだけでも大きく変わってくるからです。
理想は、その範囲内で十分な生活が成り立つことです。
(4)投資を必須と考えるとミスが増える。
今までの経験や能力を度外視して「退職したら株式投資」と考えると、リテラシー以上の投資をしがちです。
何しろ退職金とかの資金が豊富ですから。
しかし、投資をしなくても生活が成り立つなら「株式投資」の立ち位置はぐっと楽になります。
そうするとミスはぐっと少なくできます。
ということで今日の結論は
「投資は無理にしなくていい」と考えると「気持ちに余裕が生まれミスがぐっと減る」
という点です。
もちろん株式投資には、多くのメリットがありますから、「デメリットやリスクを抑えることができればする方がいい」と考えています。
リタイア者、シニアにとっての株式投資のメリットと、その利用法については次回にします。
ここまでお読みくださりありがとうございます。
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グーグル囲碁AIに見る株式投資の現在・未来
米国株投資家のみなさんこんにちは
2018年9月19日(水)記
ほぼ1月ぶりの投稿です。
義母の認知症はますます進んでいます。
先日要介護度2の認定を受けました。
1か月ほどでさらに進んだようです。
時には、自分の子供に「どちらさんですか?」と聞くこともあるようです。
今、適切な施設などを探しているところです。
個人的には特に自分自身長寿は望んでいませんでしたが、健康に気をつけないと周囲への迷惑、特に奥さんに迷惑がかかると思い、いろいろ見直しているところです。
①食事②運動③頭を使うこと どれもそれぞれ面倒で大変ですが見直しています。
その中で、③頭を使うこと・・・の一つとして囲碁を勉強しています。
さて、現在の世界最強の棋士はだーれ?
はい、残念ながら人間ではありません。
グーグルが開発した「アルファ碁ゼロ」が最強とされています。
もっとも、グーグルが公表していないだけでさらに強力なバージョンの開発も進んでいることでしょう。
今年の1月にアルファ碁ゼロの対戦棋譜が公表され、プロ棋士の三村九段が親切にも解説されていることを知りました。(三村先生はNHKでも抜群にわかりやすかった、HPで無料で見られる。)対アルファ碁マスター、対アルファ碁ゼロ
アルファ碁ゼロの特色は
①人間の棋譜を全く参考にしないで、自分で強くなった。
②一局を2~3秒ほどで終えるそうで、1日に数万局の対局が可能。
③わずか3日で進化した。
人間の対局を参考にしていないので、今まで以上に斬新な手がみられます。
傾向としては
1 地にからい。(地をがめつく稼いでいくことを囲碁ではからいと表現します)
2 死活を完璧に読み切る。
3 完全に損得で判断するので、石が死ぬことを何とも思わない。
4 知らない間に優位を確立している。
「勝つ」というのがオーダーなのでしょう。だから一旦優位を確実にしてからは、その優位を広げようとはしません。つまり少しでも勝てば十分ということなのでしょう。
優位になるとひたすら安全で固い手を選んでいます。
だから、最善を選んでいるわけではないようです。わざと損な手を打ったりもします。
これは単にプログラミングの問題でしょう。
不必要な手は打たないので人間の碁との差は大きいです。
「形が美しい」とか「安心できる」という要素はないですから。
でも、意外と手厚く自然な手が多いです。(隙がないことを厚いといいます)
プロ棋士も参考にされているようです。時代によって常識は変化するということでしょう。
さて本題です。
株式投資でもAIは利用されているでしょう。
表に出ているものもあれば、こっそりプロが利用しているものもあるでしょう。
ゲームで最も人間を破るのが難しいと言われた囲碁でも人間をはるかに超えているのですから、株式でも最強でしょう。
※囲碁の盤は19路×19路なので終局までの打つ手の選択肢合計は(361ー終わった時の隙間の数)!となる。
囲碁から類推すると株式AIの特色は
1 利益の総和の最大化を目指す。
2 個々の銘柄での成績は気にしない。
3 損切りに抵抗は感じない。
4 株に好き嫌いしない。
5 買値を気にしない。
6 広い視野で全体で見る。
でもこれは人間の我々が目指していることでもあります。
下げて割安感を感じることもなければ、上げて割高感を感じることもないでしょう。
昨今のハイテクの上昇ぶりをみていると、
「機関投資家でのAI利用は相当に進んでいるのでは」と勝手に感じたことでした。
「もうだいぶ上げてきたし大丈夫かな」なんて心配はしないでしょうから。
でもその分逃げ足もドライですから、人間の私たちも気をつけないといけませんね。
個人的にAIが利用できればうれしいですが、市場参加者の多くがAIを使うようになった時はどうなるのでしょう。
AIにも差がありますからその時の最強のAIが独占するのでしょうか。
囲碁AIの場合は、ゼロ以前で60連勝して最強と言われた「アルファ碁マスター」がゼロに全く歯が立ちません。(2:8)くらいで負けている。でも全敗でないところが不思議です。
株式の場合は単純に勝ち負けを決めるものではないので、最強のAIと言えども、市場の利益を独占するわけにはいかないでしょう。
さらにインデックスを長期保有している投資家かから利益を奪うことも難しいでしょう。
やはり上下動が激しい銘柄がターゲットになる気がします。
市場では機関投資家の動きが重要と言われますが、その陰にAIがあるとすれば「人間には理解できない動き」をすることも十分にあるといえます。
ゼロとマスターの対戦を見ていて、ふと株式市場のことを考えたので記事にしました。
それではみなさんのよい投資を!
お願い 下の米国株のところをクリックしてランキングに戻っていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。