チンさん凡人投資家

投資歴40年ですが達人ではないです。特別な才能がない普通人がリタイア後の資産を株式投資で失敗なく確実に作れる方法を発信しています。お金のかからなくて楽しいリタイア生活も発信中。

市場最弱、投資弱者の負けない株式投資、全文(再掲)

替えたところもあるので全文を掲載します。長くて恐縮です。

今の私の結論です。

市場最弱(私のことです)

投資弱者のための負けない株式投資

 

一年あまりやってみてつくづく自分は投資能力が低いと思いました。

情報に弱いシニアなどを情弱と呼ぶそうですが、さしずめ投資に弱い私などは投弱と言えそうです。

 

こんな自分でも投資を継続できるのかという課題でまとめたのがこの記事です。

主人公として、投資家最弱の投弱(自分)を想定しています。

 

<要旨>

1 ホームポジションは投資しないこと。

2 能力を前提とした投資はしない

3 精神的に追い込まれる状況をつくらない。

4 リスクは最小化する。

5 急成長株はねらわない。

6 高配当株は投資を複雑にする。

7 インデックスで十分。

8 世界分散投資でリスク分散。

9 投資にかける時間と労力を最小化。

10 含み益をコツコツ積み上げる。

11 十年後、二十年後も大丈夫な構成にする。

12 難しい理論は不要。

13 株式投資にうまい方法などはない。

 

 

(はじめに)

書店では、あるいはネットでは多くの株式投資の本や情報があります。

その中で、株式投資に弱い人、つまり投資心理を克服できない人向けの本がなかなかないことに気づきました。多くは投資家心理を克服を前提にしています。

 

 毎月、定額積み立てで大丈夫、というような方法はあります。

確かに、10年とかの長期では有効なのでしょうが、下落に当たる時期から買いはじめると、含み損が膨らんでいきます。

 

 多くの人はその時点で投資をやめてしまうでしょう。

 

 投資心理に弱い、市場最弱と自覚する筆者が、そのままの状態で投資ができないかを検証したものです。

  

1 ホームポジションは「投資しないこと」

 

投資もギャンブルも必勝法は無いでしょうが、負けない方法はあります。

それは参加しないことです。

 

参加しない以上は、お金を失うことはありません。

 

つい、「〇〇%は投資しなきゃあ」とか「遅れたくない」という気持ちが働いて(これも投資家心理)高値で参加しやすいです。

 

ホームポジションを、「投資しない状態」におくことで、この強迫観念からフリーになります。

 

2 能力を前提とした投資はしない。

 

世の投資方法の多くは、特定の能力が必要です。

売買のタイミングやら、銘柄選定などです。

 

読んだ時は自分にもできそうに思えますが、そのタイミングで的確な行動がとれることは稀です。

実際にはうまくいかないのは、能力には個人差があり、たいていの投資家はバランスが取れた高い能力、特に投資バイアスに左右されない、行動をとることはハードルがとても高いのです。

 

3 精神的にキツい状況は作らない。

 

意に反して、株価が下落することはよくあります。

 

突発的な出来事も起こります。

 

計算が狂うと、含み損を抱えます。

 

その時の処理をあらかじめ決めて「損切り」しないと、大きくはまる、つまり精神的にきつい状況になります。

 

含み損を最小にするスタンスで臨みます。

 

4 リスクは最小化する。

 

リスク管理というのが苦手です。

 

きちんと数値化して、とらえておきたいものです。

 

リターンばかり追い求めると、リスクに鈍感になります。

 

基本スタンスは、全体リスクを管理して、そのうえで金額を限定してリスクを取るようにします。

 

5 大化け株は狙わない。

 

現在、1600ドルのアマゾンにも100ドル未満の時代がありました。

「50ドルでアマゾンを買っていたら、30倍になっているんだ」と考える人は多いです。

 

しかし、50ドル時代のアマゾン株の仲間で、アマゾンのようになれた株は割合ではとても低いでしょう。宝くじの世界です。

 

そういうジャンルの投資もあるのでしょうが、一般的ではないと感じます。

個別株では、基本的には時価総額2千億ドル以上を対象にしたいです。NVDAは少し足りないですが。

6 高配当狙いは相当な能力と忍耐を必要とする。

 

会社が投資家に報いるにはいろんな方法があります。

  • 現金配当で払う。
  • 自社株買いをする。
  • 成長分野に投資する。

この中でもっとも確実でわかりやすいのは、配当でしょう。

自社株買いも、株価が上がるので投資家に人気があります。

(3)の投資は、一般には好まれません。リターンが先送りされるからでしょう。

 

高配当を出すのが方針となっている会社もあります。

 

高配当株に投資して、もらった配当を再投資する戦略は多くの人を引きつけます。

過去の例ではインデックスを上回ったという研究もあります。

 

私も当初はこれを目指していました。

 

しかし現在では志向していません。

 

その理由は、この作戦を実行するには高い能力と忍耐力が必要だからです。

 

高配当株といっても、一律ではなく、業界ごと、企業ごとの決算でのチェックが必要なのは変わりません。

 

また、昨今のように金利上昇で、債券と競合して、株価が低迷する事態もあります。

 

それらの荒波を乗りこなしていくには、高い能力と判断力、忍耐力が必要です。

誰でもができるわけではありません。

 

投資弱者は参加すべきでないと考えています。

 

7 インデックスで十分。

 

市場の平均値をインデックスと言いますが、ほとんどの投資はインデックスに成績で勝てないのです。

おおむね個別株の勝率は20~30%です。残りの70~80%はインデックスに劣っているのです。

つまり個別株への投資を一切せずにインデックスへの投資だけにしても、不利ではないということです。

 

さらにインデックスに絞るとすると

投資の情報の90%は省略することができる

記事の中の個別の企業についての記述は基本的に不要になります。

そうするとほぼ90%の情報はカットできます。

 

情報を厳選し、シンプルにすることで、思考のミスを減らすことができます。

 

さらに

下落の場合に耐えやすい。という利点があります。

 

個別株の場合では、下落すると、その理由を探らねばなりません。そしてそれがいつ解消するのかは、レベルの高い情報と判断です。

 

会社に対しての絶対的な自信がなければ、下落では動揺してしまいます。

保持するか、売るかの判断が難しいです。

 

判断を先延ばしにしていると、「含み損」がどんどん拡大するリスクがあります。

8 地域分散を心がける。

 

世界的には多くのインデックスETFや投信があります。

 

そのうちバンガード社のETFは手数料が安く流動性が高いことで知られています。

わかりやすくするために、バンガード社のETFを中心に見ていきます。

 

  • これ一つで世界のすべてに投資できるETF。

 

VT(バンガードトータルワールドストック)年間経費率0.1% 年間配当2.12%

全世界の約8000社に時価総額割合で投資できます。

 

現在の現時点でのそれぞれの国の株式時価総額のシェアは

米国54%、日本8%、米以外先進国35%、新興国11%となっています。(FTSEインデックス、韓国は先進国扱い、中国などは流動株が少ないので時価総額の割には、構成割合が小さくなっています。)

  

日本円で日本から買える投信は

楽天バンガード全世界株式 

 米国のバンガードのETFをもとに作られた投信です。年間経費率0.12%(税抜き)0.1296%(税込)

が上記の0.1%にプラスしてかかります。

メリット①日本円で投資できる。②売買手数料が要らない③配当も自動的に再投資してくれる。

デメリット 手数料が余計にかかる。

  

  • VTを分解して投資
    • 米国部分

VTI(バンガード全米国株ETF)年間経費0.04%、年間配当1.74%(2018年5月10日現在)

 

楽天では

楽天バンガード全米株式、年間経費 上記に0.1296%を加える。

 

②米国以外先進国

VEA(バンガード先進国株式米国以外、イクセプトアメリカと覚える)年間経費0.07%年間配当2.8%

この部分は対応する楽天の投信はいまのところ設定がありません。

 

  • 新興国部分

VWO(バンガード新興国株式)年間経費0.14% 年間配当2.35%

楽天バンガード新興国株式 年間経費 上記に0.1296%を加える。

 

(使い方)

日本円からでもドルでも大差ないと感じます。どちらもNISA対象です。

初めてなら日本円から、ドルをすでに口座にお持ちなら米国がいいと思います。

(日本円からのメリット)

とにかくシンプル。税の申告も特定口座なら全く手を加える必要がありません。

(米国で買う場合の注意)

楽天証券から日本円から直接買い付けする場合は関係ないですが、ドルで保有している場合は為替差益の申告(雑所得)の必要あり。差損は申告不要。

年末調整をする会社員は20万円まで国税は申告は免除。ただし他の事由で確定申告する場合は、この所得の申告の必要あり。で面倒です。地方税は免除ナシ。とにかく差益を出さないことが肝要です。

(対策)

生ドルでなく、米ドルMMFに替えておくこと。楽天証券では、GSの米ドルMMFから直接買える。SBI証券はMMFを即時米ドルに交換できて買い付けできる。マネックスは米ドルMMFと米国株とETFはそもそも口座が別でその点とても面倒です。(改善お願いします)

(データ)

1 標準偏差δシグマとリターン

 

 将来の変動幅=期待リターン±σ×2

 

 で考えます。σ×2をとると、95.5%の確率で収まります。ちなみに1σだと68.3%。

 

自分のリスク許容度に合わせた投資額がわかります。

※リスク許容度…なくなっても大丈夫な金額。

 

<各ETFの標準偏差とリターン、5年、3年、モーニングスター)

   

5y

3y

5y

3y

5,8

対象

標準偏差

リターン

VT

全世界

10.14

10.42

9.19

7.85

VTI

全米

9.99

10.35

12.07

10.19

S&P

S&P500

9.86

10.26

12.96

10.57

VEA

米以外先進国

11.36

11.34

6.36

5.73

VWO

新興国

15.02

15.42

3.77

4.13

QQQ

ナスダック

12.68

13.79

19.2

15.5

EWJ

日本

11.8

12.39

6.89

6.99

(1)全世界より全米の標準偏差が小さくなっています。(変動幅が小さい)

(2)米国が米以外先進国や新興国よりも過去10年はリターンがいいです。

(3)QQQナスダック上位100社の成績は他よりもぐんといいです。シグマも大きめですが、新興国よりは小さいです。→投資効率が良かった。

(4)VTIとS&P500は差が少ない。

  

<各ETF、個別有望株データここ1年の上昇率> 

5,8

株価

PE

経費

配当

MC

1y%

成長

6m%

1m%

VYM

82.67

0.08

2.97

28

7.3

10.27

0.1

0.5

GOOGL

1059

58.87

0

733

10.9

10.9

1.1

2.4

VWO

45.08

0.14

2.35

92

10.1

12.45

0.3

-3.1

VEA

44.96

0.07

2.8

109

9.7

12.5

1.1

1.1

VT

74.33

0.1

2.12

17

11.2

13.32

2.5

1.2

VTI

137.7

0.04

1.74

679

12.2

13.94

3.9

2

QQQ

166.2

0.2

0.78

63

19.9

20.68

7.6

4.1

MSFT

96.22

 

1.8

739

40.7

42.5

13.8

4.3

AMZN

1600

260

0

776

66.4

66.4

41.4

12.2

NVDA

248.7

51.59

0.27

151

94.4

94.67

18.9

12.7

※PEは予想PE、SBI証券 VYMバンガード高配当株

※MCは十億ドル

※成長は 1年上昇率+配当 で小さい順に並べています。

 

あくまで過去の数字ですが

  • インデックスよりも成長率が高く収益力のある4社を加えた。
  • 応用編としてVTIの一部をQQQ(VGTも似ている)で保有もアリか?
  • 同じく応用編として、MSFT、AMZN、NVDA、GOOGLへの慎重な投資も考えられる。(リスク管理に気を配ってという意味です)
  • 4社の2018年1Q決算の利益の前年同期比伸び率は、3%、MSFT35.3%、AMZN125%、NVDA145.4%増と良かったです。

ただし、いくら決算が良くてもこれがピークだと思われれば株価もピークになります。

この中ではNVDAが伸び率も高いが安定度は低いか?

  

9 投資するタイミングは 

 

理論的には「長期投資では買うタイミングは重要ではない」は正しいが

 

10年、20年と投資し続けたとすると、20年前に2%高かったの安かったのは大きな問題ではありません。

 

投資を続けることが一番重要だからです。

 

しかし、投資弱者の場合は続かない。

そのことは、投資をし続けた場合の話です。

 

でも、多くの人が「含み損」が大きくなると投資をやめてしまうでしょう。

だから理論通りにいくとは限りません。

 

  • 一般によく推奨されている「ドルコスト平均法」はうまくいけばいい方法だが。

毎月一定額を投資していく方法をドルコスト平均法といい、多くの人たちが推奨しています。

 

上昇相場では問題ないが下落相場では損を抱える。

 

下落を続ける場合が問題です。下がり続ける株価の中で、そして、株式に悲観的なムードの中で買い続けるのは容易ではありません。大多数の方が投資の継続はやめるでしょう。

 

  • 現在はいいタイミングではない。

 

金融緩和が終わり、金利が上昇していく局面というのは、企業にも、個人にも負担が増しますから(ローンの金利があがる)逆風です。

 

実際の株価はどう動くかは予想ができませんが、条件としては、アゲンストというのは前提条件として理解しておく必要があると思います。

 

時期は断定できませんが、数年の内には、株価が下落する場面もあるというコトを想定した戦略を立てておく必要があると思います。

 

したがって、今からドルコスト法を始めるというのは、一種の賭けになります。

これからしばらくは上昇が続いて、来るべき下落も浅く、短く切り抜けて、再び上昇軌道に乗る。という条件です。

 

既に長く投資されていて、含み益が十分に積みあがっている場合は別ですが、今から始めるのは注意が必要と考えます。

 

10 含み益をコツコツ積み上げる。

 

現在取れる戦略は数が少ないです。

金利上昇の逆風下をすんなり上昇するとは考えにくいからです。

 

一時的な悲観で、10~15%下落したタイミングで、少しずつ買いを入れて、含み益をコツコツと積み上げる方法を考えています。

 

インデックスの動きが重ければ、応用編になりますが、逆風を押しのけていける勢いを持った個別もいいかもしれません。(具体的にはAMZN、MSFT、NVDA、インデックスではVGT、QQQを考えています)

  

(1)含み益の増大を目標にすれば、利確を我慢することになる

素人は売りのタイミングが難しいと言われます。

また「利確が早すぎる」という投資家心理もあります。

でも、含み益の増大に重きを置けば、自然と利確は出来るだけ我慢することになります。

「投資家心理」の克服に自然となっています。

 

(2)含み損は最小にしなければならない。

 含み益を重視すれば、含み損は敵です。

 含み損をたくさん抱えることは、絶対に避けなければなりません。

 自己ルールに沿って、粛々と「損切り」することになります。

 

 これも素人の投資家心理の「損切りを遅らせる傾向がある」ということの解決法になります。

(損切り)自己ルール

  •  マイナス5%で損切り。(原則)
  •  急落の場合は1桁マイナスで。
  •  判断がつかないときは、5%マイナスでとりあえず半分を損切り。残りを一ケタマイナスで。
  •  長期に保有で一旦プラスが出ている場合は買値ラインで。

11 10年後20年後も動かさないで済む内容に。 

12 難しい理論は不要

13 株式投資に「うまい方法」など存在しない。

リテラシーと経験をコツコツ積み上げて、耐性を高めていくしかないと考えています。

 

それまでは自分の分をわきまえて「市場最弱の投資家」として、成果を積み上げていこうと方針を定めています。