リタイアシニアの株式投資の問題点。リスクを避ける準備(2)個人の問題
米国株投資家の皆さんこんにちは、チンギスハンです。
2018年2月2日(金)記
米国決算は好調ですね。心配された減税による繰延税金資産の修正による利益減額はだいぶ慣れてきた感じがします。ハイテクの大所が出そろったので、研究して、少し落ち着くのを待って行動したいと思います。
さて、昨日(1)を上げたのですが、読み返してみて、「一体この人、インデックスと、個別株のどちらを奨めてるの」と言われそうな記事でした。
まずこの点を明確にしておきます。(あくまで個人の視点です)
リタイアの準備としてはインデックスETFと個別株どちらに投資すべきか。
ⅰ もう悟っておられる方。→インデックス。
個別株の経験があるなしに関わらず、「インデックスで十分だし、自分はこれで行くつもりだ」とはっきりしていれば、インデックス一本でなんの問題もありません。
リタイアまでの期間に着実に投資を積み増していくことで、リタイア時にはしっかりした資産を築けます。
またこれのいいところは、一切いじる必要がないことです。
ⅱ 面倒なことは何も考えたくない方。→インデックス
投資に時間や労力を割きたくない方。細かい違いを気にしない方もインデックスが最適です。あるお金をすべてつぎ込んで「全世界」と「全米」を買っていくことで、ⅰの方と全く同じ成果が得られます。
このタイプの方での注意点は、「他人の意見に安易に耳を貸さないこと」です。
悟っているほどでもない、投資に詳しい方に漏らすと、たいてい「それはいい方法とは言えないなあ」「ずいぶん損してるよ」とか吹き込まれます。
この時信念を貫ければ問題ないのですが、「そのまま続けるのにもリテラシーが必要」になります。い
安易に始めた人は、安易にやめてしまいやすいのです。
証券会社、銀行、FP、海外投資中心でない人、投資に対して一家言ある人に話をしたとして、「それは素晴らしい方法ですね、ぜひ続けてください」という確率は1%もありません。
たいていが、「為替リスクが」「一国への投資に偏りすぎていますね」「株式だけというのは・・・」「シニアとしてはリスクが大きすぎますね」「他の投資も・・・」・・・と言われるのは必至です。
これから逃れるには、「誰にも話さない」、でも配偶者の人が話すかもです。
そう考えると、やはりリテラシーを身に着けることなしに、この単純な投資を、長期間続けるのは難しそうに思えます。
ⅲ まだ個別株投資に未練がある人、未経験な人
半分は、インデックスにするとして、もう半分は個別株がいいと思います。
リテラシーや経験値のつき方は、やはり個別株が何倍も優っているでしょうから。
リタイアまでの期間が長いほど、余裕があります。
実際に運用して見て、VTやVTIと比べてどのくらいのパフォーマンスを身をもって体験することができます。
うんとオーバーパフォームするかも知れません。それでいてかかる労力やストレスが許容範囲なら、自信を持つことができます。
リタイア後に考えておかなければいけないリスク。
人間はよくできています。必要な時にはその能力は衰えません。しかしリタイアして特に必要がなくなると、いろんな能力が減退していきます。
1 ミスをしやすくなる。物忘れ、勘違いが多くなる。
私はもともと、忘れ物が多い性格です。だから比較が難しいですが、やはり忘れる頻度は多くなりました。
ストレスになるので、高額でないものなら、買うようにしています。年に数万円の費用を見ておけば大丈夫かなと思います。
2 1回1回ではミスはそうひどくないが重なると危険。
能力の低下は、一つ一つの事象で見ると、そんなに激しい低下ではないと感じます。90%かも知れないし、80%かもしれません。
でもいくつかの事柄を連続してこなすことになると、ミスのリスクは格段に上昇します。
3つの連続した仕事をこなすときのミスの出現率は
10%の能力低下では 0.9×0.9×0.9=0.729で30%くらいのミスが発生します。
20%の能力低下では 0.8×0.8×0.8=0.512で半分はミスになります。
したがって、リタイア後にミスが出ると困るような形にはしておかない方がリスクが減ります。
3 円建てでも構わなければ、一部、あるいは全部を円建てにする。
最近はいい商品が充実して、円建てでも海外投資が不利なくできるようになりました。
以前は円建ての商品というと、年間経費が1%を超えるものも多く、圧倒的に不利でした。しかし、昨年の楽天Vシリーズなどは、本国での投資とそん色有りません。
リタイア後に扱いが易しいのは円建て商品です。
私はもうドルに替えているので、簡単ではないですが、それを使い尽くしたら新規は円建てでも考えようと思っています。
4 精神的にがまんができなくなる。
株式投資でつらいのは何といっても、大きな下落の時です。保有株が大きく下落したときの「不愉快さ」は株式投資家でなければわからないものです。
この一番大切な忍耐力が低下します。
がまんしてがまんして、下落に耐えて、辛抱できなくなって売った時が「底値」というのはよくある話です。人間の忍耐力は統計をとると同じような傾向を示すのでしょう。だから、我慢の限界の最頻値が、「セリングクライマックス」であり「底値」になるのはうなづけます。
あなたがいつまでも、「鋼の精神力」の持ち主である自信がなければ、対策は
1 初めからストレスが大きい商品、銘柄を選ばない。
私もインデックスを保有していますが、これを売ろうという衝動に駆られることは不思議とありません。「全体が入っている」「みんな持っている」という集団心理が安心感を生むのでしょう。その意味でもインデックスは有力です。
2 自己ルールを決めて守る。
「絶対に売らない」あるいは逆に「10%下げれば必ず損切りする」というようなルールを決めて、守れば、ストレスは減ります。
3 家族、パートナーとよく話し合っておく、説明しておく。
大幅下落で本人の気分が悪い時にはたいてい、パートナーはその何倍も不安がっているはずです。だから、「あー、また下がった、チクショウ」などと愚痴を言っていると、「そんなに負担なら売ってせいせいしたら」と言われることになります。
下落の最中に説得しようとしても、「言い訳」に聞こえてたいていはうまくいきません。うまくいっているとき、あるいは始める時に、
「株式投資が一番有利だと思うので、ぜひ一緒に勉強しよう」と言っておけば、後だしじゃんけんにならなくてすみます。
4 ストレスは安眠を妨げ、健康を害する。
私は、売買するときでなければ、寝る前には株価はみません。熟睡が妨げられるからです。「おかしいなあ、20%の増益で売られるとかどうなってるんだ」とか考えてると、熟睡できません。(ちなみに、寝る前に、青竹踏みを200回して、黒酢を飲んで寝ると驚くほど良く寝れます。ウチは黒酢じゃなくてりんご酢だけど)
大幅下落でも大丈夫な資産内容、あるいはリテラシーの準備が大切と思います
でないと、「資産は増えたが健康は害した」なんて本末転倒になります。
もっと悪いのは、「ストレスで健康を害して株は処分させられた」というパターンです。
5 自分で切り開いていくしかない。
株式投資を長く続けて、「リタイア後」に備えるという習慣は、欧米の一定以上のレベルの家庭では行われてきましたが、日本では一般化していません。
日本で株式投資と言えば、「儲けて現金化する」ことを目的とした時代が長く続きました。
そのような環境の中で「海外投資」でリタイア後のプランをするなら、一般常識にとらわれていては出来ません。同じような目標を持った方々との研鑽などを通して自分で工夫して実行するしかありません。
これが国内の金融機関やFPに相談しても、ベストの解が得られない(かなりWorseかも知れない)原因でもあります。
幸い、このブログサイトを見ると、「才能豊かな、レベルの高い人が、そして実践でも好成績の方」が多いです。
海外投資の選択肢も有利なものが増えて、全くうらやましい限りです。
その分、将来の「年金不安」などが増しているのでしょうが。
いつものようにまとまらない記事ですが、リタイア準備を進めておられる方の参考になれば幸いです。
みなさまのよい投資を!
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