消費税引き上げが根本的に間違っている理由
こんにちは、チンギスハンです。
さて、先日決まった消費税引き上げについてまとめました。
要点は
1 消費税は構造上、低所得者に厳しくなること。
2 消費を減退させること。
3 小売への影響が大きいこと。
4 2000年上半期が節目となり米国が「減速」の可能性が高いこと。
5 日本はさらにオリンピックの反動もあること。
6 米国は利下げ、緩和の余地が大きいこと。
7 日本は緩和が量的緩和しかないこと。
8 金利差縮小から「円高」が進みやすいこと。
9 金利差縮小に伴う円高は80円前後まで可能性があること。
10 消費増税は賛成できないこと。
11 するにしても来秋はタイミングが最悪なこと。
始めに
これは、2020年から米国および世界が「減速」あるいは「不況」に陥る可能性があるということを前提にしています。
したがって、まったくその可能性はないとお感じの方は、ご意見を聞かせてください。
1 消費税は構造上低所得者に厳しい。
消費税は 全体→部分 への所得移転。
消費者全員にかかりますから、低所得者への負担が割合としてはきつく感じられます。
集めた税金を使う対象は集めた人たちよりは小さい特定の集団になります。
不平等が生じやすい構造をしています。
昨今の世界的な格差拡大の問題があります。
税としては、格差を拡大するバイアスが働きます。
2 消費を減退させること。
10%というキリが良く、だれでも計算しやすい税率は、税負担を意識させやすく、数字以上の抑制効果があるという研究があります。
3 小売業が衰退する。
小売業への悪影響は説明の必要はないと思います。
都会の方にはイメージできにくいでしょうが、私が住んでいる広島県でも、山間部や離島では地方自治体がスーパーを経営しているところもけっこうあるんですよ。
民間では採算が成り立たないからです。
小売業がさらに厳しくなると「砂漠化」じゃあないけど、商業小売が成り立たない地域が増えると思います。
また、数軒のところが1軒だけになると、選べなくなり、消費者は著しく不利益になります。
離れた場所まで買い物に行かなければならない人も増えます。
医療も含めると、利便性を求めて、過疎化はますます加速します。
また、大手でも新規開店をする余裕はなくなり、閉店が加速します。
アマゾンなど通販の攻撃とのダブルパンチです。
今度は、実施の時期についての問題です。
百歩か千歩か万歩ゆずって、上げるとしても時期は最悪です。
というのは
4 2020年を節目に「米国の景気後退入りが」濃厚。
米国の実質的な中央銀行FRBは2020年までにあと5回の利上げを予定しています。
つまり「金融引き締め」です。
でも私はそれは無理だと考えています。
理由は、FRB自身が述べている内容です。
2020年には景気は減速して潜在成長率に戻るだろう。という見通しです。
減速が予測されるならば、利上げ(引き締め)の必要はないように思われます。
「将来的インフレに対処する」
と説明しています。
でも現在そんなにインフレが顕在化しているわけではありません。
だから本当の理由は
「景気減速に備えて、金利の余裕を持たせておくこと」
と多くの人が考えています。
現在2.25%の金利ですが、5回上げれば(無理だと思うが)、3.5%。
これは金利の「貯金です」
これだけあれば、景気減速が予測されたとき、「引き締め終了」「緩和に戻る」「緩和開始」と次々と声明を出せばいいです。
「2020年の前半が景気の節目」となりうるのはコンセンサスとも言えます。
単なる減速でとどまるか、「不況」まで行くかはわかりません。
あるいは、FRBがうまく誘導して、そのまま順調にいくか。
日銀には利下げの余地は全くない。
もし「減速」あるいは「不況」になった場合、米国と違い、緩和継続中の日本には利下げの余地はありません。
そうすると、米国が緩和に転換すると金利差縮小から大幅な円高が予想されます。
日銀も量的緩和で対抗しますが「利下げ」のパワーには勝てません。
金利差の縮小とともにドル円は、購買力平価の80円前後まで進む可能性があります。
業績悪化、株価大幅下落は必至です。
さらに、米国は、リーマン時もそうでしたが「自国優先」で「景気後退」に対処するでしょうから、ドル安は歓迎でしょう。
5 日本にはさらに「オリンピックの反動」が加わる。
オリンピックを境目に、景気後退が起こりやすいです。
これは心理的な面も大きいです。
「起こるぞ、起こるぞ」とすでに不動産業界では恐れられています。
6 日本は米国より「厳しい」環境にいる。
不況を乗り切る政策としては
(1)金融緩和
これは当然するでしょう。
(2)公共投資。
これもバンバンするでしょう。しかし、遂行能力に限りがありますから限界があります。さらに、投下費用に対する波及効果は年々下がってきています。
(3)消費拡大
一番効果が大きいとされています。
しかし、「消費増税」で「小売り業」が打撃を受けていれば、多くは望めません。
また「家計」も消費を拡大するムードはまるでないでしょう。
でも「金券」を撒くことになるのでしょうが。
中国からの消費も当てにできない。
米国の減速の影響は、中国へもおよびますから、「爆買い」には期待できません。
(4)設備投資
これはもう言わずもがなです。「シューン」の世界。
一体いくらつぎ込めば事態を打開できる?
「輸出」「投資」「家計消費」の落ち込みを政府支出で補うには何兆円必要なのでしょう?
程度によりますが、50兆、100兆円と必要でしょう。
そういう事態になれば、せこせこ増税でかせいだお金など吹っ飛んでしまいます。
その時になってコンピューター将棋のように「待った」を繰り返して増税前に戻ることなどできません。
この困難を無事に通り過ぎてからでも良かった。
必ず不況が来ると言っているのではありません。
一時的な減速にとどまるかもしれないし、減速さえもしないで順調かも知れません。
しかし、可能性があれば考えて、対策を用意しておく必要はあると思うのです。
どちらが得かという選択。
いったん消費税増税をなしにして、まず危機を乗り切る。
という選択の方が、リスクが少なかったのではと思うのです。
(あとがき) 以上勝手なことを書きましたが日本の将来を心配してのことです。
反論はもちろんあると思います。コメントをお寄せください。理由もお願いします。
「そんなことあるわけない」などだとご返事ができないので。
お願い 下の米国株のところをクリックしてランキングに戻っていただければありがたいです。よろしくお願いします。