分散された投資はリスクが少ないは本当か?下落時のシュミレーション。
こんにちは、良く晴れましたね。
さて、上昇相場が長いのでいつまで続くかが気がかりなところです。
トレンドが転換するとしたらどういうシナリオになるか考えました。
1 戦争や紛争などでがこる。
これは予見が難しいですね。
2 中央銀行の金利上げに耐えられなくなり、下落。
現在FRBは2020年までに5回、合計1.25%の利上げを予定しています。
FRBが利上げを継続するモチベーション
(1)予定通り経済が拡大している時
(2)インフレが懸念される時。
問題になるのは(2)のインフレ懸念です。
インフレが意識されれば、多少経済が不調になると予測されても、中央銀行はインフレを抑える政策を継続するしかありません。
「げに恐ろしきはインフレかな。」です。
10月5日発表の9月の雇用統計では、賃金上昇率が対前年比2.8%ですから、まだ大丈夫なようです。
過去のインフレ率は、(世界経済のネタ帳より)
単位: %
徐々に上がっては来ています。
3%を超えると要注意でしょうか。
インフレを意識するような統計が出るとたびに今回のようなあるいはより大きい下落は起こりそうです。通常の下落です。
またトランプが「藪をつついて蛇を出した。」イラン制裁による原油の値上がりもインフレの原因になります。100ドルを超すようだと要注意です。
<いつかはやってくる大幅下落への備えとして>
分散型の投資信託も売り出されています。
「リスクが少ないのでシニアにぴったり」とか宣伝されています。
日本株、日本債券、外国株、外国債券それぞれ25%づつとかのです。
確かにリスク時には株価が大幅下落すると、担当の方からは「これにしておいて良かったですね、下落が少なくて済みましたよ」と言われそうです。
でも私はこれは問題ありと思っています。まあ考え方の問題ではあるのですが
その最大の理由は
1 リスク時には大幅な円高が起こること。
リスク時は「キャッシュイズキング」で米ドルに資金が集まります。
だから投資資産は米ドルに対してはアンダーパフォームします。
しかし、その米ドルに対してさえ、アウトパフォームするのが、日本円とスイスフランです。
だから、リスク時には日本円やスイスフランを持っているのが一番有利です。
バランス型にも日本債券として入っていますが、日本円とほぼ同じです。
2 いくら分散していても日本円には勝てないこと。
下落幅が違うだけで、大なり小なり、日本円に対して下落します。
つまり損失が出るわけです。
3 分散=安全だと思っているのは危険。
分散しているからと言っても、多少下落率が違うだけのことです。
4 最大損失額は投資額による。
いくら、リスクの高い例えばハイテクに投資していたとしても、損切りさえちゃんとすれば、損失額は10%と限定的です。
だから投資額が30%なら、最大損失は3%です。これでも小さくはないですが。
一方バランス型でも、株などの下落で20~30%、円高で20%ほどは動きますから総合すれば30%くらいの下落は容易におこります。
「ちゃんと分散しているから大丈夫」と損切りラインも設けていない人がほとんどでしょうから、投資額が30%なら、9%ほどの損失になります。
もちろん持ち続けていればいずれは回復するという見方もあります。
しかし、一時的にせよ最大損失額が9%ほど、約1割というのは、リタイア者、シニアには大きすぎる額です。
原因は30%の投資額が大きすぎたことにあります。
5 投資額を絞ってきちんと管理している方が損失は少ない。
6 米経済が順調なら債券は下落リスクがある。
FRBによる利上げが続けば、債券は下落します。
インフレが加速しても同じです。
一方、経済が減速して緩和に戻れば、債券価格は上昇します。
つまりはどう動くかはわからない、ということです。
債券を買うことは「経済は失速するだろう」に賭けていることになります。
バランス型ならその一部が入っているわけです。
株式が入っていますからお互いうまく相殺しているとはいえます。
ただしこれは円高リスクを計算に入れていません。
今日のまとめ
1 失速して大幅下落が起こると「大幅円高」がおこり投資資産はすべて下落する。
2 円を基準にしていればこの図式からは逃れられない。
3 分散していても、円高を加味すれば、30%程度の下落はある。
4 分散しているから安全と「損切り」を設けていなければ、過大な損失を一時的かも知れないが抱える。
5 この損失は予想外のものである。
リタイア者、シニアは「分散しているから安全」を盲信せずに、
(1)投資額を限定する。
あるいは
(2)最大損失額を設定する。→損切りを実行する。
の必要があると感じます。
それではみなさまのよい投資を!
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