チンさん凡人投資家

投資歴40年ですが達人ではないです。特別な才能がない普通人がリタイア後の資産を株式投資で失敗なく確実に作れる方法を発信しています。お金のかからなくて楽しいリタイア生活も発信中。

退職者が陥りやすい株式投資のミス(3)投資の適正な規模は?

リタイア前後の株式投資のポイント(3)です。

 

前回は投資の目的を明確にするとミスが減るというところまででした。

今日は退職者の投資の適正な規模について考えてみます。

 

(100-年齢)%が適正な株式投資の割合。は正しいか?

日本では年齢が高い方が資産規模が大きいそうです。

判断力の低下や耐えられるリスクの低下を考えると一応の目安にはなりそうです。

 

私の場合だと 100-66=34%が適正規模となります。

 

適正規模は個人差が大きい。

FPなどが組み立てたモデルプランなどをみても、一律に〇〇%を投資に、そして内訳も

日本株に25%海外株に25%債券が50%とかに設定しています。

 

それ以外に表現の仕方がないのでしょうが、これは大きなトラブルの種をはらんでいると思います。

 

それは、人によって事情が違うからです。

 

さらに投資を考える時点では、うまくいったときのことを想定しますが、投資では逆を想定することがより重要です。

 

リターンは投資規模に比例する。損失もまた同じ。

リターンが大きくて困ることはないでしょうが、損失の方は大問題です。

 

リスク耐性は資産額に比例するとは限らない、特にシニアでは。

資産の10%が失われる痛手は、1千万円の場合は100万円です。

1億円の人は同じ割合だと、1千万円、10億円なら1億円です。

 

つい、簡単に大丈夫と思ってしまいがちですが、そうとは限りません。

 

いくらまで精神的に大丈夫かはその人個人によると思います。

 

つまり、資産額の〇%と一律に決めるのは早計です。

 

私は資産の2%くらいが無難な水準だろうと考えています。

 

5千万なら100万円です。

 

そうすると10%で損切り、つまり、最大の損失額を10%とすると、当初の投資額の上限は1千万円ということです。

 

これは資産の20%に当たりますから(100-年齢)%よりは少ない数字です。

 

投資額の上限は変化する。

リタイアのずっと前から投資をしていて、十分に利益が乗っている場合は、全く違ってきます。

 

リーマン後の10年でS&Pで3倍強に増えています。為替を加味すれば、リーマン直後からは4倍ほどの上昇です。

 

少しずつ買っていったとしても2倍以上にはなっています。

 

そうするとリタイアまでに1千万の投資で、1千万の含み益がある場合を考えると、

退職金が3千万あったとして、それをすべて投資しても、なおリスクには余りがあります。(私がそんなに退職金をもらったという意味ではありません、あしからず)

 

これを見ると、退職前の投資は大きな意味を持つことがわかります。

 

リタイアまでに投資の経験と含み益が十分にあれば、退職金等の資金をより早期に生かすことができます。

 

右肩上がりが続いた昨今の相場ではこのスタートの違いは大きいです。

 

まとめ

つまりリタイア時、リタイア後の適正な投資額は人によって大きく違うといえます。

自分が慎重に投資を始めるべきなのか、フル投資でも大丈夫なのかを見極めて投資戦略を建てる必要があります。

 

もっともフル投資でも大丈夫な方がこの記事をご覧になっている確率はとても低いと思いますが。

 

一般に本に書いてある投資額は、含み益を持っていない場合は「大きすぎる」と感じます。

 

小さく始めても、利益が乗ってくれば拡大すればいいので大丈夫。

投資に「やる気満々」の人は、資金の20%と聞くと「この人消極的過ぎるな」と感じることでしょう。

 

順調に投資が進み、含み益が拡大すればそれに合わせて投資額を増やせばいいのですから問題はありません。

 

そして最終的にどこを限度にするかは、その時に決めればいいのです。

 

さらに、リスクを計算した上でのフル投資は決して「過分な投資」ではありません。これからはシニアの方でも(100-年齢)%を大きく超えて投資される方が増えると思います。

 

リーマン以降10年、アベノミクス以降6年と順調な右肩上がりの時期が続いているので、強気の方がほとんどです。本の内容も強気です。

 

シニアでは失敗するとデメリットが多い。

若い方なら、大きな失敗も「今後の糧」ということも言えます。

しかし、シニアで投資に失敗すると「もうこりごり」「永久に撤退」となってしまいます。

そうすると株式投資で経済の成長を取り込めないというデメリット以外にも

「資産のバランスをとる」「将来のリスクに備える」という役目が果たせなくなってしまいます。

 

将来の不測の事態や社会変化を考えるとこれは大きな損失と考えます。

 

株式投資から撤退すると、ほとんどは現預金に向かうでしょう。

現預金がほぼ100%という状況をどうとらえるかですが、歴史的に見ると「大きなリスクがある」と言わざるを得ません。

 

株式投資から不動産投資に向かうという選択もありますが、難易度は上がるでしょう。

不動産は「目利き」が必要ですし、一つのロットが大きいです。

クリック一つで売るわけにもいきません。

 

もちろんしっかり勉強と実践を積めば不動産投資の魅力は大きいですし、株式との併用も出来ます。しかし、手軽さという面では、とりあえず株式投資をうまく利用するのが近道と考えます。

 

退職者の投資の失敗談を見ると、「投資額が大きすぎる」「投資対象が適切でない」ことにつきます。かぼちゃの馬車もそうです。投資された方にはお気の毒ですが。

 

今日の結論

1 リタイア時前後に株式投資を始める場合は、適正なリスクで始めよう。

消極的に見えるかもしれないが、「失敗しないこと」が長期的には「成功につながる」と確信します。

 

2 リタイアよりできるだけ前に投資の経験と実績を積んでおくことは「見た目以上のメリット、アドバンテージ」がある。

 

次回は「リタイア者に適切な投資対象」について書きます。

 

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