チンさん凡人投資家

投資歴40年ですが達人ではないです。特別な才能がない普通人がリタイア後の資産を株式投資で失敗なく確実に作れる方法を発信しています。お金のかからなくて楽しいリタイア生活も発信中。

中国のIT2強の存在はプラスそれともマイナス?

米国株投資家のみなさんこんにちは

2018年5月19日(土)記

 

エコノミストという雑誌の最新刊でIT巨人の特集がありました。

米FAANGと中国の2強、BABAアリババとテンセントの比較がありました。

時価総額では(4/20)エコノミストより

アップル90兆円、グーグル80兆円、アマゾン80兆円、フェイスブック52兆円、ネットフリックス16兆円、

大して中国2強はアリババ51兆円、テンセント40兆円と全くそん色有りません。

(1)7社に共通するのは負債よりも資産が多いこと→利上げ局面で強い

総資産から負債を減じた純資産を多い方から並べると

グーグル16.3兆円、テンセント18.7兆円、アップル14.3兆円、アリババ8.8兆円、フェイスブック8兆円、アマゾン3兆円、ネットフリックす0.4兆円となっています。

①積極経営で知られ、現金を保有しないアマゾンですら差引3兆円のプラスになっていること。

②ITバブルの時には、売上や利益の割に期待が高すぎて暴落を演じました。

負債が大きく金利の上昇に弱かった面もありました。

しかし、現在のハイテクはこれだけキャッシュリッチですから、「金利上昇に弱い」とはとてもいえません。

金融とともに、金利上昇局面に強い銘柄群と言えます。

(2)成長力が高いこと。

この18年1Qの対前年度比の成長率は売上高、純利益の順に

AMZN42.9%、125%AAPL15.6%、25.3%GOOGL25.8%、73.2%、FB49%、62.8%

NFLX40.4%、62.9%、テンセント48%、61%BABA61%、35%です。

中国2強も合格です。

(3)収益力がしっかりしていること

純利益は多い順に(単位億ドル)1Q

AAPL138億ドル、グーグル94億ドル、FB50億ドル、テンセント232億元、アマゾン16億ドル、アリババ10.6億ドルネットフリックす2.9億ドル

とすでに十分な稼ぎを得ています。

ネットフリックすはまだポジション固めの投資が大きいようです。

(4)IT巨人に風当たりが強いこと。

今回のFBの個人情報大量流出を初め、個人情報を自分たちの利益につなげているという懸念から、IT各社に対する見方は欧米では厳しいものがあります。

とりわけアマゾンは既存業者への圧迫が激しく、アマゾンの成長を差し引いてもマイナスが強いと言われています。

ショッピングモール用の大量の空きテナントがでていると言われており、不動産業など他の分野への影響が深刻です。

アマゾンエフェクトと言われ恐怖の対象となっています。

(5)中国2強は追いついた感がある。

ここまで見てくると、「コピー」と言われながら、中国2強は数字的にも米大手5強にそん色有りません。

さらにアマゾンやグーグルがまだなしえていない「決済分野」まですでに進出済みです。中華圏では認知され現金は消えたともいわれています。

中国政府もこのアリペイやウイーチャットペイの普及には自信を持ったようで、すでに規制に入っています。(同一店舗500元まで、客側が店のバーコードを読み取る場合は別)

つまり、見方によれば金融にもすでに進出している中国2強は先を言っているとも言えます。

米トップ企業といえどもうかうかはできません。

(6)中国企業は個人情報は使い放題(共産党が同意すれば)

人民への監視体制を強めたい共産党政府の利害と一致すれば、個人情報の流用もOKです。

どれだけ踏み込んだ個人のデータを集められるかがこれからの発展のキーと言われていますので、この点は中国2強には強みになります。米企業にはハンデです。

(7)中国2強の台頭がITたたきを鈍らせるか。

本来ならばもっとたたかれるべきFBへの追及が一定限度で収まったのは、議会でも中国の脅威が認識されたからだという説明がありました。

「IT憎し」より「中国脅威」の方がまさったということなのでしょう。

独裁化を進める習中国にはそれだけの迫力があるということでしょう。

(8)投資家の立場からすると、中国の台頭はむしろプラス。

昨年グーグルが欧州委員会から制裁を受けたように、ITへの投資は「強い規制」がマイナス材料として意識されてきました。

さらにトランプ大統領は選挙対策としてアマゾン攻撃を強めています。

これも懸念材料です。

しかし、これだけ中国ITの追い上げというか、成長が目覚ましいと、「ハイテクたたき」が正論とは言えなくなります。

アリペイなんかに進出されると、中心産業の金融が浸食されます。

優先順位としては「中国からの脅威に対抗する」が第一になります。

大統領の攻撃も限度があるということです。

実際、米国ではスマホのファーウエイは実質使えなくしましたし、Z・・何とかの会社も圧迫しています。

しかし米側の圧力でアリババやテンセントが降参するとは思えず、逆に米国人がアリババで購入することもないでしょう。

(9)結局はうまくすみ分けてウインウイン。

せめぎあいながらも中華圏と日欧米で住み分ける展開が当面続きそうです。東南アジアはどうなるんだろう?

ということで、米5社への投資のリスクはむしろこの面では減少したと考えます。

では逆にBABAとテンセントへの投資はどうかという話ですが、長くなりますので別の機会にしたいと思います。

(10)投資タイミングは各自でご判断ください

とはいっても高成長を織り込んで株価は高値圏にあります。投資タイミングは各自でご判断ください。

成長期待は高いがPERは低いというような「虫のいい話」はありません。

それではみなさんのよい投資を!

追伸

先日 アマゾン太郎さんからコメントをいただきました。

今月でアメリカ株を全部売ってしばらく休眠するつもりです。株価が急落する前の早めの撤退です。 自分は、急落時に何を買うか決めていませんが、上げ幅も下げ幅も大きいAI革命関連のハイテク株になるでしょう。具体的には、アマゾン、グーグル、NVIDIAなどでしょう。

(お返事)

決断力が素晴らしいと思います。急落の是非はわかりませんが私もその場合に買う対象と額を決めようと思っています。

お願い 下の米国株のところをクリックいただければありがたいです。よろしくお願いします。

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