セルインメイは大丈夫か?
米国株投資家のみなさんこんにちは。
2018年4月11日(水)記
2月から下落とリカバリーが続いています。
FBの情報流出やら、自動運転の事故やらで売られたハイテク株も少し落ち着きを取り戻した感はあります。
そして米中貿易問題も、習近平さんが「大人で懐の深いところを誇示して」何となく落ち着きつつあります。
でも、よく見ていないのですが、習主席の発言がそんなに解決策を具体的に指示したとは見えないのですが。とりあえず雰囲気だけで大丈夫ということなのでしょうか?
S&Pを確認しますと
200日線を下に抜ける状態は回避できたようです。
あとは50日線を上に抜けられるのか、それとも25日線と200日線の間のレンジを動くのかはまだわかりません。
好業績が見込まれる1Q決算に向けては上昇するのが自然だと思うけど。
しかも、今回は、税制での見かけ上の下振れはないです。
ダイレクトに好業績が数字で出てきます。
だから今度の決算までは、何か事件がない限り上げやすいと見ています。
でも、いくら全体が良くても、やはりばらつきはありますから、目標に届かなかった銘柄は決算を境に大きく売られそうです。
次の追い風は何なんだろう。
トランプ大統領による、大型減税と大型公共投資を好感して米国株は上昇してきました。しかし、これらが一旦、織り込まれてしまうと、次のテーマはなんだろうと思います。
今大統領が、血道を上げている、貿易問題は、差し引きするとマイナスの方が大きいように感じます。
製造業の国内回帰と言っても簡単ではないからです。
まず、鉄鋼などの旧来の産業はそんなに利益率の高いものではないし、米国の労働市場もタイトです。場所にもよるでしょうが、必要な労働力を安価で調達するのは難しいでしょう。
それにそもそもの、工場や設備を立ち上げる資材も世界最安を求めれば、中国製になります。
世界最新・最強・最安で設備をそろえるとなると、中、日、独を除いて、米国だけの自前でやるのはいかにも効率が悪そうです。出来ないかもしれません。
国際分業が進んだこの段階で、時代に逆行するのは、別の目的があるのでしょうし、本気でやるつもりはないのでしょう。
農業が打撃を受け、家計の負担が増せば、米国トータルではマイナスが大きいのは明らかです。
今後、大統領がこの刀を抜くたびに、株価は影響を受けるように思います。
セルインメイは大丈夫か?
統計的には、5月に売って、10月に買い戻す投資法は効果が高いようです。
ですから、「セルインメイ」は単なる迷信とも、根拠がないともいえません。
加えて、今年は、2月からの乱高下で、投資家心理はかなり悪化しています。
強気と弱気の総和が市場の投資家心理、需給になります。
実体経済が悪くない以上、弱気一辺倒になるとは思いませんが、どちらかというと弱気に傾きやすい状況かな、と感じます。
一番大きな原因は「大統領の真意をだれも理解できない」点です。
今回の対中国でも、習主席が折れたことでトランプの目的は達成されたのかもしれませんが、どのくらいの収穫があれば、満足するのかは本人以外だれにもわかりません。
不確実性は、市場の嫌うところです。
一旦、ポジションを整理して、今後の動向を見極めよう、債券とどちらが有利か比べよう、長期金利が安定するのを待とう、という動きが出るのは自然だと思います。
これらが売り圧力です。
一方、買い進む理由としては、実体経済が強い、この金利水準なら安いところは買いだ、・・・などでしょう。
さてどうなるでしょう。
個人的には、幅はわかりませんが5月はいったん調整が起きやすいかなと感じます。
追記
昨日、NHKで「アフリカで影響を増す中国」という番組を見ました。
ケニアで、ファーフェイという中国企業が、監視カメラを多用して、治安の向上に成功して、国民も「犯罪が減った」と喜んでいるそうです。
「監視」されることに対して、「嫌悪感」を感じないのは、中国本土と同じ状況で、このようなシステムも受け入れやすいのでしょう。
アフリカが中国化していくと、オセロゲームのように、「国家管理主義」の国々、人口が、地球上での勢力を増す気がして、私たちとしては、脅威を感じます。
しかし、現地の人たちが「それでいい」と言っている以上、欧米や日本の価値観で批判するのもはばかられます。
20世紀には「共産主義」に世界中が振り回された世紀でした。
共産主義の失敗と悲劇で、一応の決着を見ました。
21世紀は「中国主義」が世界を大きく振り回すかもしれません。
「個人情報を自由に使って進化する中国政府、中国企業」の動向は今後注意と思いました。
以上です。今夜に注目です。
それでは皆様のよい投資を!
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