日本人凄腕プライベートバンカーから学ぶ投資のあれこれ。5千万円の元金で毎年5百万円のリターン。
米国株投資家のみなさんこんにちは、チンギスハンです。
2018年3月17日(土)記
「プライベートバンカー、脅威の資産運用砲」杉山智一著、講談社現代新書、840円を読みました。
以前読んだ「プライベートバンカー」清武 秀利著 の主人公に当たる方です。
「プライベートバンカー」ではシンガポールの実在のプライベートバンク、BOSを舞台に強烈なインパクトの話が展開します。刑事事件にもなり逮捕者も出たので、週刊誌等でも書かれ、ご存知の方も多いと思います。
杉山さんは、野村証券、三井住友銀行、ソシエテジェネラル出身なんですが、シンガポールに渡り、ジャパンデスクの先輩や上司からすさまじいイジメというか追い出し工作を受けます。
そんな中でたくましく、計画的に目標を追いかける姿はとても感動的でした。
今回の本はご自身がお書きになり、経歴や経緯もとても詳しく丁寧に書いてありました。また具体的なスキームも公開されています。実直そうなご自身の写真もありました
現在は日本で数少ない独立のプライベートバンカーとして活躍されておられます。
私も、数十億とかの資産があり、相続とかに悩まされていればぜひお願いしたい方です。どちらの条件も満たしていないので、コツコツ自分で研究してがんばります。
この本の内容から、感心した部分や、参考になった部分を抜粋しました
詳しくは本をご覧ください。
帯には「元金5千万で毎年5百万のリターン」とあります。魅力的です。
1 世界の富裕層が使っている方法で日本では無理なものがある。
(1)杉山さんは「生命保険」と「債券投資」の組み合わせで、相続の問題をクリアされています。
会社とか不動産を持ち、相続で悩んでいる方は日本中に多くいらっしゃるようです。
会社が存続できなかったり、不動産を物納、あるいは借金して相続税を払う気持ちは大変なものでしょう。
そもそも、どうして相続税なるものがあるのか私にはよく理解できません。
代替わりするたびに、最高で55%の税を払うというのは、資産継承には大きな障害です。
やっかみを和らげる効果はあるかもしれませんが。
日本は世界でも住みやすい国と言われますが、この制度がある限り、富裕層が移り住むことはないと思います。(来てもらわなくて結構という方も多いでしょうし)
反対の立ち位置にあるのがシンガポールです。以前は、10億円とか20億円とかの保有や投資で、永住権が認められたそうですが、あまりにも多くの富裕層、特に中国本土から殺到したために現在では、そのような優遇制度は無くなったそうです。
シンガポールでのビジネスのしやすさも詳しく書いてあります。
生命保険ややり方の詳しい数字も載っています。相続税が心配な方は是非ご覧ください。
(2)日本では不動産しか担保価値がないのは未熟だと思う。
日本の銀行はお金を借りてくれるところを、必死で探しています。
その結果、アパートが乱立するようになりました。
これから人口が減少する国で、特に地方では、空き室問題は深刻です。
反面、投資をしたいのでお金を借りたいというと、余程でないとお金を借りることはできません。
特に外国の株式、債券では無理です。(私が知らないだけであるかもしれませんが)
米国債などは世界で通用するものですが、担保にはなりません。
(3)レバレッジを効かせて2.5倍の債券投資で稼ぐ。
杉山さんは、債券を担保にお金を借りて、債券を買う、レバレッジ投資を紹介しておられます。
5%の債券で、2.5倍だと12.5%の利益になります。借りた部分については金利も必要ですが、差額は利益になります。
リスク管理がきちんとできる専門家では有利な方法と思われます。
でも、日本ではお金が有り余っているにも関わらず、お金を借りての運用はできません。
確かに、素人が安易に、レバレッジを効かせるのはリスクは高いです。
でも、そういう方法がもともとできないのは、金融市場としては未成熟な気がして残念です。
そういう場が用意されれば、リスクをきちんと見積もる専門家も徐々に育っていくでしょうし。(AIを利用すれば、養成しなくても一発で解決するかも知れない)
2 世界ではお金があればあるほど、悔しいくらいにお金が増えるようにできている。
と思い知らされます。
日本国内では、不動産投資とかを除くと、投資ではそんなに保有金額で差はつかないんじゃあないかと思いますが、(知らないだけかも)海外での、優劣のつき方ははっきりしてますね。
シンガポールでは、子供たちも「普通でいい」とは言わないでしょうね。
※詳しいやり方も数字を上げて説明してあるので、興味のある方はぜひどうぞ。
3 現在の市場についてのお考えは
簡単に要約したもので正確ではありません。
(1)ハイテク相場について
現在のハイテク相場がバブルなのか、実体の伴ったものなのかは判断が難しい。
今後様々な指標を検証して注視する必要あり。とのことです。
(2)米国の金利上昇について
一般的には「金利上昇は株価を押し下げる要因になる」
下降サイクルに入るかどうか注意が必要。
債券は有望な投資対象になり得る。
(3)日本は「少子高齢化」と「政府財政危機」が将来期待を押し下げる。
オリンピック特需後は現実化するか。
(まとめ)
私たちの普段知ることのできない仕組みを、数字入りで詳しく説明してあり、「そこまで公開して大丈夫なの」と思える内容でした。
非富裕層向け投資を丁寧にレクチャーしてあるのが好感が持てました。
私が苦手な債券についても種類別の有利性が書いてあり勉強になりました。
理解できない点もあるので、何回も読み直したい。
以上です。金利上昇局面は、中央銀行もミスリードする確率が高い難しい局面だと思っています。
乱高下も予想されます。そんな中で、よりリスクを押さえた投資(シニアなので)ができるようにするには、いろんな勉強が第一だと思っています。
「結局は自分の投資リテラシーの範囲でしか投資は出来ない」とおっしゃっていたのが印象的です。
それでは皆様のよい投資を!
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