中国のITが有利な理由。低PEの中国への投資を考える。
米国株投資家のみなさんこんにちは、チンギスハンです。
2018年3月12日(月)記
世界的に株式は割安感はありません。(Gingo Infoさんのサイトによる)
世界のPERを見ると
ドイツ、中国、ロシアといったところがPERで見ると割安圏にあります。
それなりの投資のしにくさもあるのでしょうが、可能性を考えました。
今日の対象は中国です。
<習政権が長期政権になるが>
習近平氏が2023年以降も政権を長期で担当することが濃厚です。
これを安定と見ればプラスです。
ところで中国に関して気になる記事を見ました。
早稲田大学大学院の野口悠紀さんの記事です。
日欧米は構造的に中国にITの実用で勝てない。
アリババ、テンセントなど、急速にITの実用化が進む中国です。日本にきた中国の旅行者が日本では現金が必要なことに驚くといいます。
どこに中国の優位性があり、日欧米の限界があるのでしょう。
中国の共産党一党支配、人権制限がITの実用化を進めやすい。
日欧米では、グーグルやアマゾンが集めたデータを政府が利用することには抵抗があります。
だから、人権に配慮しながら、進めていく必要があります。
人種、宗教、性別、・・・配慮する項目は多岐にわたります。
一方、中国では、現在スマホ決済のアリペイですが、そのうち顔認証に移行するそうです。支払いにいちいちスマホを出す手間が要りません。まことに便利です。
集めた情報について、中国のIT企業は政府に協力を表明しています。
テンセント、百度、アリババの収集データ=共産党のデータとなります。
習政権が許可する以上は、IT企業の情報集めは許されます。
中国の方も抵抗が少ないそうです。
欧米では障壁となる人権の壁を一気に越えることができます。
さらに通貨も国家が発行する「暗号通貨」に切り替えていくとありました。
実際に周人民銀行総裁がその計画を表明していました。
それらの情報と、町の隅々につけたカメラを連動させれば、国家=共産党は国民のすべての情報、行動、金銭、思想、嗜好を把握できます。
アリババやテンセントと、アマゾン、グーグル、フェイスブックの競争は中国が勝利するという説です。
IT企業への党支配はどう受け取られている?
実は私は昨年の9月にアリババを買いました。結果から言うと、損は出さない程度で売って撤退しました。
業績は悪くないのに、株価が鈍くなってきたのです。現在でも鈍いです。
考えられる原因としては、「党から役員を企業に派遣する」という決定がありました。
私としては、「党が支配しているのは既定の事実」として気に留めなかったのですが、欧米の投資家の反応は違ったようです。
「企業の自由度が失われ、発展が妨げられる」と受け取ったようです。
私がどう思おうが、市場が思うことがすべてです。
「ここまで」とあきらめて、ビザとNVDAへ乗り換えました。
アリババ、BABA
今後、欧米の投資家の「重大なリスク」という意識が薄れれば、アリババは依然として魅力ある投資先と思います。
Yahoo | SBI | 十億ドル | ||||||
3,10 | 株価 | PE | 予想PE | MC | 1y% | 6m% | 1m% | average |
AMZN | 1578.9 | 256.7 | 189.9 | 764 | 85.2 | 61.4 | 16.8 | 54.5 |
BABA | 190.35 | 46.9 | 46.6 | 489 | 84.1 | 9.4 | 8.1 | 33.9 |
1年、6か月、1か月のそれぞれの株価の伸びです。最後は平均。
似た業態なのにPEはずいぶん違います。アリババは6か月前から伸びが減速しています。
「どにゃるどさん」の記事にありますが、アリババはアマゾンが進出しようとしている、金融分野にもすでに進出して十分な稼ぎ口を確保しています。
(どにゃるどさんによると、アマゾンの金融進出は、抵抗も大きくすんなりはいかないだろうという見立てでした。私もそう思いますが、決済分野などには比較的取り組みやすいと危惧しています。そうなると持ち株のVビザが影響を受けます)
ちなみに中国IT企業が、NYへの上場を撤退して上海に1本化を表明しているそうです。
アリババはニューヨークだけの上場ですがそのうち上海にも上場するかもしれませんね。
(ここまでのまとめ)
1 習体制の強化は、先行きが見えないよりは「長期安定」は望ましいと思われる。
2 直接関係ないですが、アリペイが東南アジアや日本に進出するとその国の個人情報は中国政府が握ることになる→国としては大いにリスク。
3 様子をみてBABAには再入場してもいいと考えている。
次にインデックスETFを見てみます。案外少ないです。
NYで中国株を買うには。
FXIiシェアーズ中国大陸株ETF 経費率年0.74% 配当2.27% 4600億円
PER13.84(12.17というサイトもある)
がありました。50社で構成。金融が52%と偏っていますが、時価総額ではそうなるのでしょう。
香港上場では
<2828>中国H株指数ETF、40銘柄経費率0.55%、金融70%、5281億円
<2801>MSCIチャイナ指数ETF、経費率0.59%、353億円、金融40%
NYのFTIか香港の2801がバランスがいいように思います。
個人的には、米ドルが使えるFXIでしょうか。FXI10年です。(SBI証券)
2016年から上昇トレンドにあります。
PERも12、3で割高感はないですが、値動きは米国S&Pと酷似しています。
中国株のメリットデメリット
メリット
(1)PERが低く、伸びしろがある。
(2)ロシアなどの資源中心でなく、ITの伸びが期待できる。
(3)ETFの多くを占める金融大手は国営企業で、破たんとかは考えられない。
デメリット
(1)共産党一党支配、習独裁体制と、日欧米と大きく経済の仕組みが異なる。
(2)PERは低いが、世界株安となれば米国以上に売られやすい。
(3)為替問題、貿易問題などを抱える。
(4)日欧米の人からの警戒心が強い。
日米欧にないリスクをどうとらえるかで投資姿勢が変わると思います。
中国株は昔は保有がありましたが現在はゼロです。再度研究、検討、してみたいです。
それでは皆様のよい投資を!
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