前のめりな投資はミスを生む。私がやらかした例。
米国株投資家のみなさんこんにちは、チンギスハンです。
2018年2月18日(日)記 暖かい。
素人は、高値で買いやすく、安値で売りやすいと言われます。
今日は私がそれをやらかしたレポートです。無縁な方はどうぞスルーください。
このレポートで、皆様のミスが一つでも減るのなら恥をさらしたかいがあります。
私のやらかしは
先年の11月のCGNXの買いは、高値づかみだった。約25%。
CGNXはボストンにあるMITが起源の会社で、「モノの見える化」の先駆的企業です。
社員1771人ほどの会社です。時価総額は1兆円ほど。
CGNXコグネックス 2/17日55.77ドル(-5.15%)PE38.54配当0.30% SBI証券
チャートは5年チャートです。
株価は2月15日の4Qおよび2017年通年決算および自社株買い等の発表を受けて急落、一時時間外取引で-10%に及びましたが、本番ではー5%の下落に収まりました。
決算が悪かったということです。昨日今までの四半期決算をホームページから抜粋してエクセルで整理しました。(といってもごく簡単なものです)
単位百万ドル
2015 | 1Q | 前期比 | 前年比 | 2Q | 前期比 | 前年比 | 3Q | 前期比 | 前年比 | 4Q | 前期比 | 前年比 |
売上高 | 113 | -3 | 26 | 143 | 27 | 42 | 107 | -25 | -31 | 97 | -9 | -17 |
営業利益 | 23 | -26 | 5 | 51 | 122 | 96 | 28 | -45 | -49 | 19 | -32 | -39 |
純利益本業 | 20 | -23 | 11 | 43 | 115 | 95 | 25 | -42 | -47 | 18 | -28 | -31 |
本業EPS | 0.23 | -23 | 10 | 0.49 | 113 | 96 | 0.29 | -41 | -45 | 0.22 | -24 | -27 |
2016 | 1Q | 前期比 | 前年比 | 2Q | 前期比 | 前年比 | 3Q | 前期比 | 前年比 | 4Q | 前期比 | 前年比 |
売上高 | 96 | -1 | -15 | 147 | 53 | 3 | 147 | 0 | 37 | 129 | -12 | 33 |
営業利益 | 16 | -16 | -30 | 49 | 206 | -4 | 54 | 10 | 93 | 40 | -26 | 111 |
純利益本業 | 14 | -22 | -30 | 43 | 207 | 0 | 53 | 23 | 112 | 38 | -28 | 111 |
本業EPS | 0.17 | -23 | -26 | 0.5 | 194 | 2 | 0.61 | 22 | 110 | 0.43 | -30 | 95 |
2017 | 1Q | 前期比 | 前年比 | 2Q | 前期比 | 前年比 | 3Q | 前期比 | 前年比 | 4Q | 前期比 | 前年比 |
売上高 | 134 | 4 | 40 | 172 | 28 | 17 | 259 | 51 | 76 | 180 | -31 | 40 |
営業利益 | 37 | -8 | 131 | 59 | 59 | 20 | 110 | 86 | 104 | 52 | -53 | 30 |
純利益本業 | 45 | 18 | 221 | 56 | 24 | 30 | 102 | 82 | 92 | - | ### | ### |
本業EPS | 0.36 | -16 | 112 | 0.56 | 56 | 12 | 1.03 | 84 | 69 | 0.6 | -42 | 40 |
(1)新興のハイテク会社らしく業績が不安定な面はあります。
(2)税金の関係があるので、2017年4Qの純利益および通期の数字はよくわかりません。繰延税減少分がありますので、2018年に増えるのでしょう。
(3)2014、2015年は業績は横ばいです。2016年から業績が大きく上向いています。
(4)業績の向上とともに、株価も上昇してきました。
(5)2017年3Qが過去最高の好決算となっている。
(6)今回の4Q決算は前期と比較すると大幅な落ち込みだが、過去をみると悪くないように思う。理由①4Qは例年落ち込んでいる。②3Qが良すぎた。③対前年比では40%の増加となっている。→私のひいき目で、素直に見れば悪いと言える。
通期では
2015 | 通期 | 対前年比 |
売上高 | 450 | 6 |
営業利益 | 121 | -5 |
純利益本業 | 107 | -3 |
本業EPS | 1.22 | -2 |
2016 | 通期 | 対前年比 |
売上高 | 520 | 16 |
営業利益 | 160 | 32 |
純利益本業 | 149 | 39 |
本業EPS | 1.72 | 41 |
2017 | 通期 | 対前年比 |
売上高 | 747 | 44 |
営業利益 | 259 | 62 |
純利益本業 | -100 | |
本業EPS | 2.55 | 48 |
2018予想 | 通期 | 対前年比 |
売上高 | 858 | 15 |
純利益 | 251 | 42.05 |
となっていて順調です。
(7)懸念の点は
流動負債が大幅増になっています。あと財務CFが大幅減でフリーCFは大幅増で、かなりの動きがあります。わかる方は教えていただければ助かります。
(8)営業利益率が35%と高く、技術的優位を生かしていると思われる。(ただ当方はどのくらいの優位性があるかは判断がつかない)
<わかった点を整理すると>
1 3Qの最高の決算で期待値MAXのときに買っている。
2 業績と今後の見通しからすると、今の株価は高くも安くもないと思う。
3 成長期待が高すぎた。3Qが特別だった。
4 今後は、2018年1Qが通常運転なら、問題はないと考える。
5 年24%程度の増益で成長できるとするとかけて72の法則で3年で、2倍くらいの成長が期待できそうだ。(今のビジネスモデルがそのまま通用するとして、希望込)
株価も3、4年で100ドルを越えてくると期待する。
6 チャートの形は悪く、当分上下する展開が予想される。期待値MAXだった昨年11月の最高値(ほぼ私の買値)を抜くのは、相当な期間を要すると思う。1年半~2年くらい。
7 今買値の80%くらいの水準にある。罰として気長に待つことにします。
8 冷静に見れば、もう少し様子を見て、株価が安定したときが買い時に思います。(追加買いはしません、リスクオーバーになりますので。)
<教訓>
1 いくらいい銘柄でも、期待値がそれよりも高ければ、いい投資とは言えない。
2 前のめりな姿勢で「買いたい、買いたい」となっているので、冷静な分析ができない。
3 加えて急上昇する株価で、「乗り遅れたくない」という心理にはまる。さらに株式分割が重なった。
4 会社には全く問題はない。ただ、私の能力が足りなかっただけ。
この会社は、「AIで米国株研究」AIで米国株研究 -株と機械学習と私-
さんのブログで読んで気に入った会社です。
素晴らしい内容と説得力で、すっかりその気になってしまいました。この方といい、リョウスケさんといい、プレゼンの達人の記事には気をつけないと、すぐその気になってしまいます。
もちろん感謝しています。記事がなければ知ることもなかったですから。どんないい情報も使い方次第、そして受け手のリテラシー次第ということですね。
遅れたくない、参加したい、という気持ちが焦りを生み、無理な投資を生む。
素人投資家の特権は「投資しないで待っていられる」点です。これを生かして、「チャンスなら、投資してやってもいいぞ」くらいの上から目線でちょうどいいのではと感じます。
投資への自分訓の確認! (今回に関係するものを抜粋)
1 お前は思い込みが激しい。「これだ!」と思っても、逆の方向から考えろ。
2 買うとき、売る時は、思っている金額の半分にしろ。
3 最悪の結果を想定して、受け入れられるリスクの範囲を超えていないか考えろ。
以上です。今日は私なりの「しくじり先生」の巻でした。
それでは皆様のよい投資を!
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