プロとアマの利害は一致しないわけ。
米国株投資家のみなさんこんにちは、チンギスハンです。
2018年2月10日(土)記
昨日は金曜日でしかも木曜の引け味が悪かったので続落を心配したのですが、プラスで終わりましたね。
聞けば、木曜のダウ1000ドル安は、NY連銀のダドリー総裁が今回の下落を「small patatoes」(とるに足らない)と言ったことが発端になったそうです。
ダドリーさんはパウエル体制では、発言権が増しそうなので、特に意識されたのかもしれません。NY連銀は特別な存在ですし。
FRBの投票メンバーの構成も「タカ派」的らしいですし、今後も波乱の要素ありありです。イエレン体制よりタカ派的と市場は警戒しているようですね。
だとしたら、うまくいっていたイエレン氏の交代は余計だった公算が高いですね。彼女は市場が嫌うことはしない、ムチャはしないという信用を得ていましたから。
そうすると3月のFOMCでは「利上げ」がある方が普通と私は思っていましたが、実行されると大荒れかも知れませんね。
3月に上げると、年4回も可能になりますから。イエレン氏なら、利上げしてもそんなに波乱はなかったでしょうから。
すんなりとはいかないと思っていた方が良さそうです。
<やぎはまさんからコメントいただきました>
なんとか狼狽売りをしないよう堪えてるのに 半分手仕舞いを推奨しないで
これは失礼しました。決して売りを奨めているわけではありません。ちゃんと保有されている方は全く問題ないと思います。がんばって保有を続けてください。
<現在の相場に悲観的になっている方へ。>
売りを奨めているわけではありません。あくまでこういう見方もあるという話です。
精神的につらいのに我慢しすぎると、一番安い時に売るようになる。
という最悪のケースを避けてほしいと思ったからです。
大底が出来高が一番多くセリイングクライマックスになる。
忍耐力には個人差がありますが、そこは人間ですから、最頻値が存在します。
がまんしてがまんして、もうだめだ、と多くの人が投げ出す点が最安値になります。出来高はセリクラを見極める意味で重要です。
がまんして我慢した後なので、その時全部売ってしまうケースが多いのです。
ならば、½でも¼でも、早目に処分して気持ちに余裕を持っておく方がベターになります。
S&P500のチャートで今回の下落を見てみます。
昨日の終値の水準は昨年の12月初めと同じです。保有株にもよりますが、インデックスなら、12月以前での買いならプラスになるはずです。
ポジションを解消しても失うものは何もありません。
直近の高値と比べて91%の水準にあります。米国株の歴史上の最高値から9%下というのは、悪い水準ではないと思います。
もちろん米国株は今後も高値水準を切り上げていくことを考えれば、ずっと保有する選択と比較して優れているという意味ではないです。
直前の高値を見た後なので、安いと錯覚してしまうのです。
個人的には、長期平均線の上で、そしてマイナスでなければ「安値で仕方なく処分した」ことにはならないと思います。
大幅下落の大底で売る場合はそれこそ悲惨な数字になります。
損得より投資へのモチベーションを持ち続けることが大事だと思う。
精神的なストレスの大きさや、モチベーションの維持と比べたら、利益が少し多いか少ないかは、小さい問題だとは感じます。(損する場合は、それなりにストレスが大きいけど)
さて今日の本題です。
下落もプロにとっては嫌でない
私たち素人にとっては、一部の人を除いて、下落は嫌なものです。でもプロの見方に立つと景色が変わります。
※私は投資の仕事に関係したわけではないし、手口や手法も知りません。ここでは一般的な考えとしてです。
(1)一直線に上がり続ける相場はプロにとっておいしいか?
まずそんな相場ならプロは要らないことになります。投資さえしていればいいのですから。
波乱はプロの大好物。理想はレンジ相場だと思います。上へと、下へとでダブルで利益を得られるからです。
素人だと、上へは張れても、下へは抵抗があります。リスク管理がきちんとできないからです。
(2)時価総額50兆円が失われたは、50兆円が出て行ったわけではない。
株価下落時に今日の下落で東京市場は50兆円の時価総額が失われた。というニュースがあります。でもこれは50兆円が市場から逃げたわけではありません。
1兆円の時価総額の会社があるとします。そのうち、実際に売り買いされるのが10%だとすると、1000億円。その十分の1の100億円も売られれば、株価は大暴落します。
だから1%の100億円の株式を保有しているXファンドは、そのまま買うより、しこたま地合いの悪い時に、一旦売り浴びせてから仕入れた方が安くつきます。実際に保有していなくても空売りすればできますが。
まっとうに買った株主から、プロの手に安値で株が移動します。
(3)プロが持ち株を増やすには、暴落があった方が都合がいい。
ロスチャイルドとかの財閥の歴史を読むと、恐慌の時に大きく財産を増やしています。信用力の劣る銀行などを吸収できるからです。
強者にとっては、ショック時は決してイヤなものではありません。
近年では、リーマンショック時にバフェット氏はかのゴールドマンサックスの優先株でボロ儲けしたことは記憶に新しいです。
(4)セリクラでも買っている奴がいる。
プロにもいろいろありますが、セリクラでパニックになって売っているのは素人の割合が多いでしょう。売買が成立しているというコトは、買っているのがいるはずです。
最安値で買えるわけですから、メリットは大きいです。私たちにも買うことはできますが。
(5)統計的には、素人は高値で買って、安値で売っている。
つまり、市場にせっせとお金を運んでいるわけです。でも私たちは生身の人間で、人間のDNAを持っていますから、人間の本能からは逃げられません。
でもせめて最安値で投げることだけは避けるように事前に準備しなければいけません。
まとめ
市場関係者がみんな素人投資家の味方だと思ってはいけない。
と思っています。
FRBはバブルも腰折れも嫌でしょう。しかし、それをどう伝え、どう材料にするかは別の話です。今回の件も材料にした可能性もあります。
今後も長期金利やFRB発言で必要以上に上下することはある、と織り込んでおく必要があると感じます。
追記
今後の相場については悲観する状況にはないと思いますが、「楽観」と決めつけて行動するのはリスクが大きいと感じます。素人ですから平常運転に戻ってから、投資行動を考えても遅くないと思います。
それまでは私は「何もせず」です。3月末まではかかるのではないでしょうか。
以上です。みなさまのよい投資を!
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