仮想通貨規制と将来性(2)価値の偏在をどう解決する?
米国株投資家の皆さんこんにちは、チンギスハンです。
2018年1月20日(土)記
続きです。
前回では、各国の規制はまじめな発展を目指している仮想通貨やそのプラットフォームにはむしろ有利だと述べました。
理由は、非中央集権を唄っているので、悪い気持ちで近づいてくるグループを今までは排除できないでいた。それを各国当局が強力な権力で規制するのなら、好都合だというところまででした。
今回は、仮想通貨の価値のあり方と、今後の見通しです。なお私は仮想通貨やその技術について詳しくないので、間違い等はご指摘ください。
仮想通貨の価値と、富の偏在をどう解決するかについて。
理想的なあり方のように言う人もいる仮想通貨ですが大きな弱点があります。
それは「富の偏在」です。
初めに参加した人が多くの通貨を持ちます。そして少数の人が大部分の通貨を保有する現象が生まれます。
この現象は仮想通貨の大きな弱点で、今後この点を根拠にして規制が強化されたり、弾圧を受ける可能性はあると思っています。
仮想通貨の価値のあり方。
仮想通貨に疑問を持つ方は、「どうして価値があるかわからない」という点が大きいと思います。私もそうでした。
仮想通貨とひとくくりにしてしまうのは危険です。そこで
仮想通貨を3つに分類しました。
A 財産価値としての通貨→ビットコイン
B 送金システムに使用される。→リップル
C プラットフォームになる→イーサリアム
時価総額1、2、3位のそれぞれの分野を代表する通貨です。なお各通貨については今回関係ある要点だけ記します。
このうちもともと価値を持つ構造に設計されていると思われるのはビットコインです。
A 財産通貨としてのビットコイン
ビットコインはデフレ通貨です。
発行上限が2100万枚と決められています。現在1700万枚ほど発行済み。
10分ごとに1ブロックを形成し、マイナーに12.5枚が報酬として支払われる。
4年ごとに報酬は半分になる。(半減期)
もともとの設計からして、手に入りにくい構造です。マイニングには多大な電力と専用の機械を要します。
長所
1 希少性により価値が担保される。
2 各国の制約を受けずに財産を保持できる。
3 現実通貨は長期的には減価していくが、増価の確率が高い。→保有に理由がある。
4 技術革新で、より高性能の通貨が出てきても影響されにくい。・・・性能で買われているのではないから。
短所・問題点
1 マイニングに多くの電力を必要とする。
2 実用通貨としての性能に問題あり。遅い、手数料高いで今後のさらなる実用化は難しいか。
3 保有者が一部に偏る。
3が最大の問題だと思います。何しろ初めて使われたときには、ピザ2枚を得るのに20000ビットコインを必要としたのです。現在の価値では300億円になります。
初期に参加した人、手に入れた人が手放さない限りこの偏在は続きます。
そして値上がりが見込める以上、手放す動機もありません。
後で参加する人は、ほんのおこぼれをもらうしかありません。
長時間働いて得たお金で、ほんのわずかなビットコインを保有する姿は、とても理想の「だれでも平等な非中央集権」とは言えません。
むしろ中世の荘園領主と小作人の関係を連想させます。
偏在をどう解決していくかは大きな課題です。私は難しいと見ています。
現保有者が現在の有利な権利を容易に手放すとは思えないからです。
将来性
このタイプのコインは、他にどんなに優秀な仮想通貨が出現しても、その地位が揺らぐことはないと思います。希少性とブランド力があるからです。
しかし、実用度は劣ると思われますから、持つ理由は財産保全が第一になります。
しかし支える、技術者やネットワークは大きくかつ優秀なので、技術革新も進んでいくと思います。現在ライトニングネットワークの実装に向けて動いています。
これが実装されて実用性が大きく改善されますが、やはり財産通貨としての役割が第一で、より実用的な役目は他の通貨が受け持つことになるでしょう。
金とよく似ています。
B 送金システムとしての仮想通貨。代表XRPリップル。
この分野については、将来的にどうなるかがよくわからないというのが正直な結論です。世界の送金システムという相手がとてつもなく大きいからです。大銀行や大企業の利害が絡み合いどう転ぶかの予想は難しいです。技術的な難度も高いです。ですからまたの機会にしたいと思います。
C プラットフォームとして。イーサリアムなど。
私はこれに一番注目しています。インターネットのように世界を便利にする可能性を持っていると思うからです。
イーサリアムの将来性
1 財産通貨として・・・最適ではない。希少性はない。
上限の決まっているBTCと異なり、イーサは上限がありません。現在9000万枚出ています。ブロックチェーン生成スピードがBTCの10分に対して15秒と速く、マイニングで放出される量も多いです。さらにマインイング方法も現在のPOWから電力消費の少ないPOSに変更が決まっています。
ブロックチェーンの生成スピードもさらに短くなる予定なので、供給される通貨量は増えます。半減期もありません。希少性はBTCのようにはないので、財産通貨としては適していないでしょう。
2 プラットフォームの通貨としては
開発者のVitalic氏は現在のイーサリアムの状況について満足していないようで、今後イーサリアムの開発に専念するそうです。
彼の不満な点は、プラットフォームとして、通貨として、低開発国の人々が使える状況にない。ということだそうです。
イーサリアムネットワークの人たちの方向性としては、より公共性をもとめ、利便性を追求していくことになるでしょう。
その通貨イーサについては、高騰して開発に支障が出る、使えない人が増えるのは困りますから、適度に供給が増やされて価格が高騰しない方向に行くでしょう。
なのでイーサの動きは今でも、比較的少ないですが、より安定を志向していくと思われます。だから大きな利益を追求する投機の対象としては向いてないと思います。
富の偏在対策はビットコインよりもやりやすい。
供給量を増やせるという意味でやりやすくその分批判を受けにくいと思われます。
(まとめ)
仮想通貨の将来性はそれを支える人々にかかっている。
と考えます。現時点での通貨の性能も要素ではあるけれど、結局は将来それが人々にどう役立っていくか、どんな人たちがどれほど熱心に支援しているか、がポイントだと思います。
損得なしで支援する技術者が多いほどその通貨には将来性があると思っています。
その意味ではインフラを提供するイーサリアム系が、各国政府や社会との折り合いをつけやすく、弾圧を受ける可能性は少ないと感じます。
具体的には、イーサ、ネム、リスクに魅力を感じ投資しています。BTCやXRPの保有もあります。
イーサ系と、送金通貨リップルについてのより詳しい内容はまた機会があれば記事にします。
それでは皆様のよい投資を!
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