チンさん凡人投資家

投資歴40年ですが達人ではないです。特別な才能がない普通人がリタイア後の資産を株式投資で失敗なく確実に作れる方法を発信しています。お金のかからなくて楽しいリタイア生活も発信中。

統合提案のTモバイルとスプリントは買いか?

米国株投資家の皆様こんにちは。米国株永久投資を目指すチンギスハンです。
                    2017年5月12日(金)記

 今日の日経新聞の1面にでかでかと出ていましたが、SスプリントがTMUS、Tモバイルに統合提案するそうです。通信業界は、配当も高くて魅力的ですが、実はソフトバンクの動きが決着がつかないので、今まで買いませんでした。日本にいる私たちは、ソフトバンクのすごさを知っていますからね。(野球のことではありません)
 以前からこのカップルについては、統合が期待され、破談になってきたいきさつがあります。さて、今回はどうでしょう。私としては、こんな効果的な統合もそうはなのではないかと考えています。それは、統合予定の2社だけでなく、上位のVZやTにとってもです。
 まずニュースになっていたことを整理します。
1 加入者数で1位VZ1.4574万人2位ATT1.3486万人3位Tモバイル7146万人4位S5856万人、3位+4位=1.3002万人。加入者数だけを見れば、上位2社に並びます。
2 Tモバイルの親会社のドイツテレコムは収入源なので手放したくない。
3 現金を払うか、株式交換になるか、また、筆頭株主で我慢するか、過半数を握るかは、ドイツテレコムの意向を汲んで決める。
4 このニュースで、Tモバイルは3.3%、Sスプリントは株価が2.7%上昇した。(昨日は下がっています。)
 まあどう見ても、Sスプリントの有利な点は一つもありません。逆の統合提案ならアリかなという感じです。Tモバイルの立場が強いのは当然です。
 個人的には、ドイツテレコムは、権利は手放さないと思います。つまり、現金を得て売ってしまうことはないということです。統合会社の株も持ち、+アルファでしょう。

 ここで買いを検討するのはあまりにもベタですが、統合の可能性は高いと見ました。そして、たとえ統合が不調に終わってもいいような買い方があるか検討しました。

<大まかな概要>
TMUS・・・65.81ドル(-0.29%)予想PE33.3 時価総額547億ドル 従業員5万人
S・・・7.87ドル(-0.13%)予想PE-(赤字なので)時価総額314億ドル従業員3万人
VZ・・・46.02ドル(-0.77ドル)予想PE12.61予想配当4.98%時価総額1877億ドル従業員16万人
VZは2社からみるとよだれが出るような数字です。予想PEが13弱と、市場は弱気に見ています。
4/20発表の1Q決算は売上がー7.3%純利益がー20%と悪かったです。株価も発表以来下げています。
 
<業績>詳しすぎてもわからなくなるので、必要最小限にしています。単位億ドル

年度 売上       純利益      
  TMUS S T&S VZ TMUS S T&S VZ
14 296 355 651 1271 2.5 -6 -3.5 96.3
15 321 345 666 1316 7.3 -33.5 -26.2 178.8
16 372 322 694 1260 14.6 -20 -5.4 131.2
17 406 328 734 1253 15.4 -6.1 9.3 157.6

1 契約者数に対して、TMUSとSは売り上げがVZの半分くらい。(安売りの激しさがうかがえる) 2017年は予想。四季報より

2 営業利益、純利益はさらに悲惨。しかし、年ごとに両者ともに改善している。
<現在の米通信界について>
 日本とよく似た構図にあると考えます。日本ではドコモが圧倒的でした。そこに民間らしさを武器にしてAUがシェアを広げました。ボーダフォンが持て余したのをソフトバンクが高値で買って意表の奇手を繰り出しシェアを獲得。ソフトバンクも現在は特に安売りもしていないし、しっかり稼いでいます。(安売りはYモバイルでやっている)。つまり日本では3社ともに儲かっています。
 一方米国は、ATTとVZが2強で争い、他の2社は問題外という位置でした。でもTモバイルは、「風雲児として、2年縛りをやめ、乗り換え急増でシェアを増やした」とあります。なんかソフトバンクっぽいですね。この2社は、いろんな意味で似ている感じがします。現在について言えば、Tモバイルが先に成果が上がって利益を出している状態だと思います。Sもそのうちに黒字化するでしょう。

 誰が考えても、2社統合が一番手っ取り早い!
 ここは素人が考えても2社統合に勝るものはないと思われます。経費削減と言っても、単独では限界があるからです。さらに次世代に備えての膨大な投資も必要です。価格競争をしながら、それらの経費をすべて吸収して、さらに利益を上げるのは至難の業です。広告費もばかにならないでしょう。統合すれば、ほとんどが解決するように見えます。

<統合への障害は>
1 ドイツテレコムがそんなに望んでいないこと。
 VZやATTに比べると微々たるものですが、一応黒字ですし、右肩上がりに伸びています。ドイツテレコムは余裕があります。不利な交渉をする必然性は全くないです。
2 したがって、歩み寄るのは一方的に立場が弱いソフトバンクです。どこまで歩み寄るか。しかし、アーム買収なので実績のある孫さんですから、「思い切るでしょう」具体的には、ドイツテレコムの要望を丸呑みすることです。これならまとまります。
3 前回の買収で障害になった政権からの「待った」は今回は心配ないでしょう。トランプとは、よく言えば「強い信頼関係」、ありていにいえば「談合仲間」です。トランプの「雇用創出」も一番に名乗り出ました。(掛川城を家康に献じた山内一豊のようです。かれはこのパフォーマンスで土佐一国をもらいました)

 買うとすればどちらを買うのがいいのでしょうか?
チャートを見てみます。今回はTMUSとSだけです。まず、TMUSの5年チャート

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 問題なさそうです。次に6か月です。

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 安定しています。次にSの5年です。

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 こちらは苦労がしのばれます。でも現在はのぼり調子です。次に6か月です。

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 決算発表で下げています。まあ赤字の会社ですから、このくらいだと安定と言えるのではないでしょうか。

<まとめと買いの方針> 今回の判断は微妙なので各自でお願いします。
1 両社の経営統合は理想的な組み合わせと考えられる。
2 両社にメリットがあるが、ドイツテレコムには、統合の必然性がなく余裕もあるので、贅沢を言うかもしれない。ソフトバンクがどこまで魅力的な提案ができるかにかかっている。どんな屈辱的な統合でもメリットが大きいと考える。
3 個人的には、孫さんのスーパーパワーで何とかまとめるのではないかと予想する。
4 統合の実現性が高いと見れば、どちらを買っても利益が増えるのでメリットがある。どちらを買うかは好みの問題だと思う。値動きの大きいのはSで安定はTMUSか。
5 昨日値下がりしているのは、市場はこの統合の可能性は低いと見ているようだ。私は実現の可能性は50%くらいと見ている。
6 たとえ統合できなくても大きな損失はない。
7 もし統合すれば、現在安売りにさらされて収益が悪化しているVZにも有益と考える
  結論→TMUSの買いを検討する。今日の価格次第。(黄金銘柄には入っていませんが、番外編です)

以上です。みなさまのよい投資を!
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