チンさん凡人投資家

投資歴40年ですが達人ではないです。特別な才能がない普通人がリタイア後の資産を株式投資で失敗なく確実に作れる方法を発信しています。お金のかからなくて楽しいリタイア生活も発信中。

「米国株超入門」原稿下書き(10)米国株、個別株を選ぶ。

米国株投資家の皆さまこんにちは。米国株永久投資を目指すチンギスハンです。
                    2017年5月6日記

原稿下書きです。例によって、回りくどい説明もあります。ご容赦ください。

 前回までのまとめ。
1 リタイア後に年金で足りるなら現金収入はなくして資産拡大に努めればよい。
2 海外資産の割合を高め、なおかつ効率がいいのは、分配金無しのインデックス投信だ。
3 リタイア後に現金収入が必要な場合その収入は必要最小限にすべきだ。
4 元本が減っても、あるいは増えなくても構わないなら、海外リート型の毎月分配型では、高い配当がある。手っ取り早く収入が得たい方にはアリ。意外に減らないものもある。
5 元本も増やしながら、配当も得るのは大変だ。インデックスETFを使うと、月10万円の手取りに必要な金額は8000万円ほどで、毎月50万円の投資で13年ほどかかる。早い時期からなら可能。リタイアしてからは現実的ではない。(本人が死ぬと株は強制売却になる。)
6 より少ない金額で配当により現金収入を得るには、個別株を選択する方法がある。

 ということで、今日のテーマは、「米国株、個別銘柄の選択」です。
 米国株四季報を見てみると、(この本はとても役に立ちます。必携です)特集3、米国の配当株トップ100「魅力的な不人気」銘柄はこれだ。として載っています。
 また、巻末近くのの514ページには連続増配年数トップ50というのも載っています。また、「配当貴族」というサイトもあります。ETFではVYM「バンガード米国高配当株式ETF」経費率0.08%、利回り2.8%というのもあります。たくさんありすぎてどうしていいか迷います。

 高配当株とはどんな銘柄か。
「高配当銘柄」とひとくくりにしていますが、果たして中身も同じなのでしょうか?
 何を基準に買えばいいのでしょうか?リスクはないのでしょうか?

1 成長しないと思われている分野の企業

 例を見てみます。私も保有している、KO(コカ・コーラ)です。初めのアルファベットは、ティッカーといいます。とても便利なものです。東証は数字ですよね。でも7203てどこの会社かわかりますか?えっ?わかる。参りました。はいトヨタです。でもほとんどの方はわからないと思います。でも米国株では、わかるんですよ。みんな天才?いやそうではなくて、わかりやすくつけてあるからです。ダウ銘柄だと、アップルがAAPL、ちょっとつづりと違うけど、ゴールドマンサックスがGS、ジョンソン&ジョンソンがJNJでせす。コカ・コーラもちょっとつづりと違いますよね。
 データを見てみます。株価43.69ドル、予想PER24.75予想配当3.39%とあります。
 2016年でみると、会社のかせぎが1株当たり1.49ドル、配当を1株につき1.4ドル出しています。かせぎの実に94%を配当に出しています。この割合を配当性向といいます。高いほど配当で出す割合が大きいということになります。コカ・コーラの場合儲けはほとんど株主に還元していますね。もう限界という感じですが、さらに自社株買いも実施しています。自社株買いも株主還元の一つです。配当と同じととらえていいです。コカ・コーラだけでなく株主に手厚い会社は多いですし、一般的です。

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 上はコカ・コーラの10年チャートです。これだけ株主に配当を出しながらも、株価は上昇を続けています。リーマン後からは約2倍になっています。このような株を保有していれば、配当をもらいながら元本も増やすことができます。 
「よーし、じゃあコカ・コーラをさっそく買うぞ!」
 ちょっと待ってください。もちろんコカ・コーラは私も保有していますが、問題もあります。もう少しくわしくレポートを読んでいくと、「世界的な甘味離れにより、またダイエットブームにより炭酸飲料離れが深刻。他の飲料の開拓を急ぐが補い切れていない。売上は減少中。」とあります。「ありゃ、それはヤバいじゃないか」となります。もちろん経営陣は、プランを実行中です。12万人いる社員を⅓に減らし、他の経費も減らしに減らして、売り上げは減少するけど、逆に利益は増やすといっています。この計画に賛同して株価は上昇中です。
 つまり、どんなにいいと思える会社でも問題は必ずあるし、最終的に保有を判断するのは自分しかいないということです。

 高配当な会社群には、このような、将来の売り上げが伸びないだろうとおもわれるグループがあります。タバコ銘柄はその典型です。世界的に喫煙率は下がっていて、出荷本数は減少を続けています。しかし経営努力で、利益を上げ続けています。代表的なタバコ銘柄で私も保有している、MOアルトリアグループを見てみます。マルボロで有名です。PMフィリップモリスとは、もとは同じ会社で2008年に分かれました。MOは米国内を担当しています。

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 タバコ会社が「やばい」と言われたのは1990年代からです。この会社も逆風を受け続けました。しかし株価はリーマン後から実に5倍になっています。私はシニアなのでそこまでの成長を目指してはいませんが、元本が成長するのは、嬉しいです。
  電力などの公益企業、食品、日用品(P&Gなど)、ヘルスケア(J&Jなど)をまとめてデフェンシブ銘柄といいます。このような企業群は、「安定した成長を望む」自分のようなシニアには適していると思います。高配当な企業も多いです。

デフェンシブ銘柄の弱点は
1 成長性が乏しい。
2 株価の大幅な上昇は見込めない。 
3 業績がさえない会社も多い。
4 全体が勢いよく上昇しているときに置いて行かれることもある。
5 他の株と同じように、下落もある。

 リタイア後の安定した海外資産形成の目的には、デフェンシブ銘柄は適していると思います。

株価が下落して高配当になっている銘柄もある。
 見通しが悲観的な企業の株価は下落します。そのような企業では高配当になります。
 もし、株価が下落するのを見るのがいやならそういう銘柄は避ける必要があります。高配当や、低PERを基準にして選ぶとそういう銘柄に当たる確率は高くなります。

株価が高い企業には理由がある。
Vビザという会社があります。私も使っているカードの会社です。
株価92.09ドル予想PER31.3配当0.73%1株利益2.531株配当0.585(2016年実績)
配当性向23.1%。ケチです。上記のコカ・コーラやタバコと比べるとなんとケチなんでしょう。かせぎのうちのたった23%しか配当していません。チャートを見てみると

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 すさまじい上昇をしています。これなら配当は少なくても株主は大いに報われます。資産が増えるからです。PERは31.3とむしろ割高です。株価は高いといえます。
 中学の社会で習った寡占企業にあたります。寡占企業は数社でシェアのほとんどを占める会社です。カード会社では、1位がビザ、2位がマスターカードです。他にはAXPアメリカンエクスプレスがあります。携帯電話も数社で独占していますが、違いは携帯電話は、たいていの人が1社と契約しているのに対して、クレジットカードは、マスターカードを持っている人でもビザカードも持っていることです。このような寡占化が進んだ業界に新しい会社が乗り込むのは難しいです。参入障壁といいます。日本語では壁ですが、英語では堀、moatといいます。高い参入障壁はWide Moatになります。広い堀ですね。これは広ければ広いほど有利です。検索するとたくさんの企業が出てきますが、ビザもこの強力なワイドモートをもつ企業です。このような企業は人気があり多くの人が持ちたいと思うので株価は常に「割高」で推移します。PERが15になるまで待とう。と思っているといつまでたっても買えません。もし、しっかり資産を増やしたいと思ったら、成長性が高く、したがってPERも高い企業も対象に入ります。

 低PERで高配当で株価高成長という都合のいい銘柄は存在しない
 と思っています。何かを得ようと思ったら何かを犠牲にしなければなりません。そして、何を犠牲にするかは、自分で考え、自分で判断するよりありません。

時間がないのでここまでにします。
くどい記事をお付き合いくださいましてありがとうございます。
皆様のよい投資を!

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